年に一度 彼女は正月にやってくるのだが、今年は年末にやって来た。
最近離婚した彼女は、次のカモ… いや、お相手を探して頑張っているのかと思ったら
もうそんな元気は無いと悟ったらしい。 彼女ももうアラフィフだからね。
相変わらずひとの家で、勝手に台所で湯を沸かし、勝手にコーヒー入れて狭いコタツに入ってくる。
コーヒーを一口飲んでため息を一つ。 そして私を見て質問する。
この部屋もあなたも いつ来ても全然変わらない
それでもあなたの人生は何だか楽しそう…
いつもお金ないのになんで楽しそうなの?
と聞かれた。
貧乏人にそれ言うか?… 一瞬ムッと来たけど一応答えてみた。
ものを持ちすぎると色々失うものが多いからね、だったら最初からない方がいいんだよ。
お金は無くなるけど、頭の中の楽しいことは無くならないから。
と、負け惜しみとも名言とも取れる言い方をしてみた。
すると彼女はふ〜〜ん… と、納得したような表情でまたコーヒーをひと口すすって一言
「あなたらしいね」 と。
お金に執着する彼女の生き方とは正反対な私に、今更彼女にそんな質問をされるとは思ってもみなかった。
そして狭い天井を見つめて彼女は呟く 「私って迷惑かなぁ…
いつもあなたを振り回してる?」と聞いてくる。
今まで彼女の口から出る言葉の中で一番意外だった。
私は正直に答えた。
「いや、迷惑なんて思ったことはないよ、知っての通りいつも暇だしね、
それに俺みたいな金も無い面白味も無い変人をかまってくれるのは君だけだしね」
「え、私しかいないの? そぉ〜なんだ ふぅ〜〜ん…」
彼女は何かを得たような笑顔で残りのコーヒーをゴクリと飲み干して立ち上がり、カップを台所に置いたらそのまま上着を着た。
「また正月に来るからさ〜 あ、でも友達と旅行に行くかもしれないからそん時は来ないかも…」 じゃ〜ね〜 👋 と手を振って玄関のドアをしめた。
あいつ 何しに来たんだ? ま、何か吹っ切れたみたいで良かったヨカッタ。。。
彼女は恋愛体質だが飽きっぽい性格のせいで恋愛も結婚も長続きしない。
いつもそのことで愚痴を聞かされるのだ。 けど私はその愚痴を結構楽しんでいる。
所詮他人事だからね 😅 その数々のエピソードをこのブログでもネタとして書いた事もある。ww
彼女が20代の頃に私に言った言葉
「私は一番好きな人とは結婚しない、結婚するなら経済力のある、そこそこ好きな人と結婚する。 だからあなたとはどんな関係になっても籍は入れない」 と。
だから彼女は、私がまだ独りかどうか時々確かめに来るのかな。
歳をとってもいつまでも親友以上でいられるといいね。
てか、飲んだコーヒーカップ洗ってけよ! 😠
「彼女が離婚された理由」