任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」が15日、発売から40年を迎える。数多くの人気ソフトとともに爆発的なヒットを記録し、コンピューターゲーム産業が世界に広がる礎となった。ゲームは今や競技性を備えたスポーツとしても人気を集めており、娯楽の枠を超えて社会の中に溶け込んでいる。(寺田航) ゲーム広がる礎に 任天堂は15日、ファミコンの発売から40年を記念して特設サイトを開設する。歴代の人気ゲームを紹介し、歴史を振り返るという。 ファミコンが登場したのは1983年7月。これまでに世界で6191万台を売り上げ、ゲームソフトの累計販売数は5億本超に上った。カセット式のソフトを入れ替えて遊べる点が画期的で、「スーパーマリオ」や「ドラゴンクエスト」に代表される人気シリーズが数多く生まれたことも、記録的なヒットを支えた。 トランプや花札を手がけていた任天堂はテレビゲームに注力するようになり、後継機の「スーパーファミコン」や据え置き型の「Wiiウィー」、現在主力の「ニンテンドースイッチ」を次々に投入。昨年度の売上高は1兆6000億円超と40年で24倍近くに膨らんだ。 古川俊太郎社長は「当時、初めてゲームに触れた人が今では子供や孫と一緒に遊んでくれている」と話す。 ファミコン人気は今も根強い。レトロブームを背景に中古品を購入して楽しむ人も多く、中古市場ではソフトが数十万円台で取引されるケースもあるという。 遊びの枠超える ファミコンはゲーム産業の裾野を広げた。 エニックス(現スクウェア・エニックス)やカプコンといった新興企業は任天堂のゲーム機向けにソフトを販売し、業界大手に成長した。家庭用ゲーム機に参入する企業も相次ぎ、「プレイステーション」を手がけるソニーグループ、「Xboxエックスボックス」を展開する米マイクロソフトは現在も任天堂と激しく競り合っている。 東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは「ゲーム産業はファミコンから発展したといえる」と指摘する。 ゲームが身近な存在になるにつれ、子供の遊びの枠を超えてゲームの特性を生かす動きも広がってきた。 その一つが腕前を競う「eスポーツ」だ。高額賞金の大会が世界各地で開催されており、今秋、中国・杭州で開かれるアジア競技大会では初めて正式種目となった。 ゲームの面白さを活用して意欲を引き出す「ゲーミフィケーション」と呼ばれる手法も生まれ、教育や企業のサービス、社会課題の解決に役立てられつつある。 流通業界に詳しい分析広報研究所の小島一郎チーフアナリストは「ゲームが生活の一部になっている人も多い。今後、さらにゲームの要素は様々な分野に活用され、社会に根付いていくだろう」と話している。(読売新聞) |
子どもの頃、よく遊びました。
初期の野球やテニス、画像やスピードなど今のゲームとは比較にならないけど、おもしろかったなあ。