~先天性心疾患(単心室症,無脾症etc.)×凸凹発達障害~らんまりのラクガキ。。。

minority界隈でぶっ放す勿怪の幸い
旺ちゃんの笑顔は闇夜の提灯σ
無明長夜の浮き世を照らせ✽

旺生のラクガキ。。。

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桜。

2013-09-22 | 旺ちゃん(^з^)-☆

桜の花の蕾が膨らみはじめる頃だった。


今振り返るとその頃の私は

先が見えずに

見えない不安にのみ込まれていた。


グレン後の過酷な時期を乗り越えたとはいえ

綱渡りの毎日に

私の心は張りつめていた。


 

そんなときある看護師から

比較的旺ちゃんの状態が

落ち着いていたことから

「退院するなら

今しかないかもしれませんね。

元気になりましたね!

一度くらいは退院させてあげたいし。」

と言われた。


その意味が今ならわかる。

優しさからの言葉だと今だったらわかる。


でも当時の私には

その言葉が

とても悲しいものに聞こえた。


恐怖が後押しし怒りとなって

感情が剥き出しになる。


「この状態のどこが元気なんですか!

こんな不安定な状態で

どこが落ち着いているんですか!

こんな状態でどうやって退院できますか!」


一度くらいはってどういう意味!?

やっぱり…そういうことなの!?


遠くにいかないで。


一日に何度も旺ちゃんの様子を

みに来てくれる主治医。

その日も消灯を過ぎているにも関わらず

先生は旺ちゃんの様子をみに来てくれた。


昼間の看護師の言葉が

どうしても頭から離れない。

先生に旺ちゃんの現状を尋ねると

私の様子を察したのか別室で説明をするといい案内された。



今までのことを考えると

今が落ち着いているという意味は

頭ではわかっている。

看護師の言葉だって

旺ちゃんのことを考えた上での言葉だと

わかっている。

主治医もなんとか退院させてあげたい

と言ってくれた。


でもその時の私は

一向に前に進んでいるとは

思えない旺ちゃんを目の前に

まだ来てもいない未来に怯え

旺ちゃんを失いたくない恐怖に

押しつぶされていた。

 

 

主治医に看護師の言う言葉の真意を尋ねた。


「退院させてあげたいという言葉の裏に

隠されているものは

旺ちゃんが生きているうちに

私たちに思い出を作らせてあげたい。

そういうことですか?


先がないということですか?

私は旺ちゃんを

一度も地元に連れて帰ったことがないから

元から一緒に生活した記憶がない。

だからどうしても

最後くらい家に連れて帰りたい

という気持ちは

持っていないんです。

一度くらいとか言われても

先がないのなら

思い出があるほうがつらい。

先がないのなら

思い出なんかいらない!

ほかの子みたいに

元気にならないんですか。



喉がつまる。

涙が止まらなかった。

怖くて手が震えて弱くて

こんな言葉を吐き捨てた。


恐怖なのか怒りなのか

昼間の『一度くらい』

という言葉がこびりついて

離れない苛立ちで

先生は何も悪くないのに

自分の弱さ故に私は先生にあたった。


すると先生は

拳を握り締め

歯を食いしばり

目を真っ赤にして

瞬きを繰り返しながら

「愛されるために生まれてきたのに

一生病院で過ごすのは

虚しすぎるじゃないですか。

僕の力不足で

旺生くんを

元気にしてあげることができなくて

申し訳ないです。」


と言いながら

瞬きの甲斐なく涙がこぼれ落ち

肩を揺らして泣いた。

旺ちゃんを想って泣いてくれた。

私の理不尽な八つ当たりを全て受け止め

旺ちゃんを想って泣いてくれた。


夜の病院で

カンファレンス室で

二人で泣いた。



悲しくて泣いているのか

悔しくて泣いているのか

もう最後の方は

先生の気持ちが嬉しくて泣いているのか

わからなかった。



なんて素敵な先生なんだろう。

力不足なんてとんでもない。

これ以上ないくらい旺ちゃんと向き合い

できる限りのことをしてくれている。


それなのに私は旺ちゃんを失いたくない恐怖にとり憑かれ

先生を責めてしまった。


ごめんなさい。



先生に出逢えてよかった。

旺ちゃんの主治医が

先生でよかった。



この頃からだ。

私が腹をくくったのは。

もう旺ちゃんを失いたくないと

怯えるだけの日は過ぎた。



パパにも後悔させたくなかった。

パパの『旺生にできることは何でもしたい』という気持ちを大事にしたかった。


退院できるかわからない。

福岡に家を借りても旺ちゃんを連れて帰ることはできないかもしれない。

それでもパパと話し合い

パパは福岡に家を借りることを決めた。 

男としてのけじめのように思えた。



暗闇でもがき苦しみ

彷徨った時間は無駄じゃない。

むしろ前を向くためには

なくてはならない時間だと思う。


暗いところでしか見えないものもある。

暗闇を知っているからこそ

微かな光さえ輝いてみえる。



暗闇を彷徨っていた私は

桜が咲く頃には

光がある場所へ

辿り着くための道を歩みだしていた。


転んだっていい。

また起き上がればいい。

転んだついでに空を見上げれば

虹がかかっているかもしれない。



今でもあの日の先生の姿を 

涙を思い出すと

鼻の奥がツーンとなる。


母子手帳の

保護者の記録の質問に対する答えは

「いいえ」ばかりだけど

医師の記入欄には

旺ちゃんの先生の

『どうか負けないで!』の文字。


こんな素敵な母子手帳

世界にふたつとない。



この世は愛にあふれてる。

 


私もみんなに届けたい。


どうか負けないで。




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