鍵。

記憶には全て鍵がついていて

思いがけないものが鍵になったりする。

 

その鍵がどの扉を開けるのかはその人の心次第で

開ける人によって

扉の向こう側の景色はかわる。

 

私は意図的に鍵を散りばめる。

 

忘れたくない記憶があるから。

覚えていてほしい記憶があるから。

 

 

鍵の特徴は

五感から導きだす『らしさ』なのかな。

その人を表すもの。

癖だったり

その時の匂いだったり

その時聞いていた音楽だったり

その時食べた味だったり

その時の天気だったり

仕草だったり言葉だったり

その人と過ごした時の中から溢れ出てくるもの。

 

たくさんの鍵に埋れてしまわないように

自分の大切な鍵に

言葉や光の力をかりて

仕掛けを施すことができたなら

鍵を拾いあげた『誰か』に

笑顔を、幸せな時間を、力を

届けることができるかもしれない。

 

あの虹のように。

 

 

そしてその記憶の片隅に

私の宝物を刻みこませてもらえたなら

こんなうれしいことはないかもしれない。

 

  

それぞれの記憶に敬意を込めて。

 

 

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