空木岳・・・求めるものの大きさ故の苦行山行
どうしてもあの山に行ってみたかった・・・ただそれだけの事です。かって深田久弥がその美しい山名に惹かれ絶賛した名峰。そして森林限界を越えると白砂の上に散りばめられた奇岩を持つ独特の風景・・・一目見てみたく一月ほど前からシミュレーションを重ね、本日弾丸登山を決行しました。
仕事帰り。運賃がちょっぴり安い木曜夜の飛行機で出発。名古屋空港界隈の24Hレンタカーを調達し登山口のある駒ヶ根市へ。実は色々あって徹夜明けのまま登山開始です。
詳しいことは追って書いてますが、これまでの登山とは比較にならないほどハードな山行となりました。というか行程でした。
■記録
稲妻が走る名古屋小牧空港に無事着陸。内心ほっ・・・早速タクシーで近郊の24Hレンタカー店へ向かう。手続きを終えると何故か三重ナンバー
レンタカー店への途中タクシー運転手が「登山口車中泊より近所のスーパー銭湯で仮眠する方が断然いいよ」とのアドバイス。早速720円でチェックインするが・・・イビキ、歯軋り、寝言、挙句の果てには嘔吐する輩もあり止む無く退散。深夜12時半過ぎに長野へ走る。そしたら中央道事故で渋滞+大幅な迂回。しょうがないので駒ケ岳SAで飯食って・・・といった具合だった
眠い目を擦りながら深夜の悪路を進む。看板どおりだったが何処か気持ち悪い
朝4時過ぎに登山口到着。平日だが既に多くの車が停まっている。さすが中央アルプス
何組かは既に出発したようだ。持参した登山届をポストに投入。条例を守ろう。さて行くか
結局は徹夜明け登山となってしまった。しかしながら早朝の登山道はなんとも気持ちがいい
お~!南アルプスが見えている。左の尖がったのは間違いなく甲斐駒なので多分この並びで正しいはず。実はこの後ガスってしまい遠望が効いたのはこの瞬間だけだった
この幽霊みたいな奴はサルオガセだ。北国では見られないな。触ってみると案外ゴワゴワしている
今日は最初から体力なし。水場まで1時間以上もかかってしまった・・・今日は楽しんで行こう。この水場とっても素敵。顔を洗わせていただく
さて、ここからがこの山の本当の路だ
美しいシラビソの森だ。この時点で既に標高が1800m。なので思ったよりも涼しい
針葉樹と笹の森を抜けマセナギに着いた。ナギは「凪」ではなく、この辺では崩落地のことを指すらしい
笹を漕ぎ少し寄り道をしてみる。素晴らしい眺め。奥に見えているのが恐らく南駒ケ岳
マセナギ以降は一気に険しくなる。階段の上にはなんと倒木の胎内潜りが・・・リュック引っかかるし
そしてここから地獄の始まり。空木岳最大の難所大地獄と小地獄。以下の写真のとおり鎖や梯子等が数十回連続する
両側切れ落ちた尾根なので滑落も多いとか。滑ったら下まで行くんだろうね。でもトリッキーで面白い
大地獄を抜けると一時こんな景色が。鋭いのが宝剣岳でその奥に隠れているのが木曽駒
次は小地獄。気を引き締めていこう。わくわく
でもこっちの方がキツイ。かなり落ちてるな。先見えない
最大の鎖場をクリア。帰りここ降りるんだよね・・・
シミュレーションではあっという間に地獄を通過・・・だった筈。全長700mは長かった。慎重に行かざるを得ないので歩みは遅くなる。とか言う内に雲が出てきた。あ~早く稜線に行きたい
気持ちは焦るが、いちいち花に足止め。珍しいところでは左上ホタルブクロ。田中さんが好きな右下シモツケソウかな。あとはトリカブトとかヤマハハコ
小地獄を過ぎても相変わらず続く険しい路。この時点で3人に抜かれた。自分が遅い訳わけではない、この山の頂を目指すのは健脚者だけだから・・・と自分に言い聞かせる(苦笑)これもアルプスの洗礼か
いや、やっぱり今日は体調が・・・。徹夜明けなんて阿呆だな。写真ももう100枚以上撮りまくってるし。にしてもこの橋、そりゃ滑るわな
岩手ではあんまり多くないシラビソとコメツガの共生
やっとのことで空木カール分岐。ここまで4時間も要してしまった。やばい!飛行機の時間ギリギリかも
ここからがこの山の核心部。稜線に出たぞ!しかしスピード上げられない。そりゃそうだ。この時点での標高は2500mオーバー。未知の領域である
あ~駒石が見える。この岩はこのコースのハイライト。でもゆっくりしか進めない・・・
空気薄いな。焦らずゆっくり休まずに
駒石到着。知る人ぞ知るきんどーさんポーズ疲れて決まらない
見事な岩だな~。ここからはこんな奇岩と白砂の路が続く
夢のような景色。天候は・・・気にしない。充分。頂上まで標高あと200m
白砂の正体は・・・花崗岩。いわゆるゴマ石。黒ゴマも混じっているが全体的には白く見える。甲斐駒もこんな感じらしい。岩手ではあまり見かけないね
シャリシャリと鳴る砂を踏みしめながら標高を上げる。路はこんな奇岩を順番に閲覧させるかように巡らせてある
ハイマツの下にはこんな花が。ゴゼンタチバナ
ここで一句、白砂や岩のオブジェと夏の雲。才能・・・無いね
山頂直下のヒュッテ到着。とってもいい感じの避難小屋だ。皆既に登ってきたらしい。すごいな
残念ながらスタッフ交替中という事で中には入れず外から一枚。本来ならこのクラスの山となると泊まるべきだな
さて休まずに頂へ。下りを考えると殆ど余裕はないな~
いいねいいね!我今アルプス空木岳を堪能しております
一歩一歩踏みしめながら・・・急いでるんだかそうでないんだか良くわからない(笑)
そしてついに夢の頂へたどり着いたぞ!!
おお~愛しや空木岳^^
どうしてもあの山に行ってみたかった・・・ただそれだけの事です。かって深田久弥がその美しい山名に惹かれ絶賛した名峰。そして森林限界を越えると白砂の上に散りばめられた奇岩を持つ独特の風景・・・一目見てみたく一月ほど前からシミュレーションを重ね、本日弾丸登山を決行しました。
仕事帰り。運賃がちょっぴり安い木曜夜の飛行機で出発。名古屋空港界隈の24Hレンタカーを調達し登山口のある駒ヶ根市へ。実は色々あって徹夜明けのまま登山開始です。
詳しいことは追って書いてますが、これまでの登山とは比較にならないほどハードな山行となりました。というか行程でした。
■記録
稲妻が走る名古屋小牧空港に無事着陸。内心ほっ・・・早速タクシーで近郊の24Hレンタカー店へ向かう。手続きを終えると何故か三重ナンバー
レンタカー店への途中タクシー運転手が「登山口車中泊より近所のスーパー銭湯で仮眠する方が断然いいよ」とのアドバイス。早速720円でチェックインするが・・・イビキ、歯軋り、寝言、挙句の果てには嘔吐する輩もあり止む無く退散。深夜12時半過ぎに長野へ走る。そしたら中央道事故で渋滞+大幅な迂回。しょうがないので駒ケ岳SAで飯食って・・・といった具合だった
眠い目を擦りながら深夜の悪路を進む。看板どおりだったが何処か気持ち悪い
朝4時過ぎに登山口到着。平日だが既に多くの車が停まっている。さすが中央アルプス
何組かは既に出発したようだ。持参した登山届をポストに投入。条例を守ろう。さて行くか
結局は徹夜明け登山となってしまった。しかしながら早朝の登山道はなんとも気持ちがいい
お~!南アルプスが見えている。左の尖がったのは間違いなく甲斐駒なので多分この並びで正しいはず。実はこの後ガスってしまい遠望が効いたのはこの瞬間だけだった
この幽霊みたいな奴はサルオガセだ。北国では見られないな。触ってみると案外ゴワゴワしている
今日は最初から体力なし。水場まで1時間以上もかかってしまった・・・今日は楽しんで行こう。この水場とっても素敵。顔を洗わせていただく
さて、ここからがこの山の本当の路だ
美しいシラビソの森だ。この時点で既に標高が1800m。なので思ったよりも涼しい
針葉樹と笹の森を抜けマセナギに着いた。ナギは「凪」ではなく、この辺では崩落地のことを指すらしい
笹を漕ぎ少し寄り道をしてみる。素晴らしい眺め。奥に見えているのが恐らく南駒ケ岳
マセナギ以降は一気に険しくなる。階段の上にはなんと倒木の胎内潜りが・・・リュック引っかかるし
そしてここから地獄の始まり。空木岳最大の難所大地獄と小地獄。以下の写真のとおり鎖や梯子等が数十回連続する
両側切れ落ちた尾根なので滑落も多いとか。滑ったら下まで行くんだろうね。でもトリッキーで面白い
大地獄を抜けると一時こんな景色が。鋭いのが宝剣岳でその奥に隠れているのが木曽駒
次は小地獄。気を引き締めていこう。わくわく
でもこっちの方がキツイ。かなり落ちてるな。先見えない
最大の鎖場をクリア。帰りここ降りるんだよね・・・
シミュレーションではあっという間に地獄を通過・・・だった筈。全長700mは長かった。慎重に行かざるを得ないので歩みは遅くなる。とか言う内に雲が出てきた。あ~早く稜線に行きたい
気持ちは焦るが、いちいち花に足止め。珍しいところでは左上ホタルブクロ。田中さんが好きな右下シモツケソウかな。あとはトリカブトとかヤマハハコ
小地獄を過ぎても相変わらず続く険しい路。この時点で3人に抜かれた。自分が遅い訳わけではない、この山の頂を目指すのは健脚者だけだから・・・と自分に言い聞かせる(苦笑)これもアルプスの洗礼か
いや、やっぱり今日は体調が・・・。徹夜明けなんて阿呆だな。写真ももう100枚以上撮りまくってるし。にしてもこの橋、そりゃ滑るわな
岩手ではあんまり多くないシラビソとコメツガの共生
やっとのことで空木カール分岐。ここまで4時間も要してしまった。やばい!飛行機の時間ギリギリかも
ここからがこの山の核心部。稜線に出たぞ!しかしスピード上げられない。そりゃそうだ。この時点での標高は2500mオーバー。未知の領域である
あ~駒石が見える。この岩はこのコースのハイライト。でもゆっくりしか進めない・・・
空気薄いな。焦らずゆっくり休まずに
駒石到着。知る人ぞ知るきんどーさんポーズ疲れて決まらない
見事な岩だな~。ここからはこんな奇岩と白砂の路が続く
夢のような景色。天候は・・・気にしない。充分。頂上まで標高あと200m
白砂の正体は・・・花崗岩。いわゆるゴマ石。黒ゴマも混じっているが全体的には白く見える。甲斐駒もこんな感じらしい。岩手ではあまり見かけないね
シャリシャリと鳴る砂を踏みしめながら標高を上げる。路はこんな奇岩を順番に閲覧させるかように巡らせてある
ハイマツの下にはこんな花が。ゴゼンタチバナ
ここで一句、白砂や岩のオブジェと夏の雲。才能・・・無いね
山頂直下のヒュッテ到着。とってもいい感じの避難小屋だ。皆既に登ってきたらしい。すごいな
残念ながらスタッフ交替中という事で中には入れず外から一枚。本来ならこのクラスの山となると泊まるべきだな
さて休まずに頂へ。下りを考えると殆ど余裕はないな~
いいねいいね!我今アルプス空木岳を堪能しております
一歩一歩踏みしめながら・・・急いでるんだかそうでないんだか良くわからない(笑)
そしてついに夢の頂へたどり着いたぞ!!
おお~愛しや空木岳^^
登ってきた路。いや~かかったね。寝不足と高度順応との戦いだったな
木曽駒方面は・・・見えてはいないが素晴らしい眺め
遠くまで続く縦走路。荒天時の保険に取っていた木曽駒から続くルート
充分だ。この体調でここまでこれたので大満足
空木岳版機関銃岩。穴の数で勝ったな。そういう問題じゃ・・・
まだまだ堪能したいところだが時間が・・・涙
サラバ空木岳と駒石君。絶対にまた来るぜ
この下り長かった。本当に心が折れそうになったけど
中略。何とか無事帰還する。写真を撮る余裕なかった。我ながら下り頑張った。3時間で本当によく下山できたと思う。さて速攻で名古屋へ・・・
縦走者たちを迎えに来たタクシー。その場の乗り合いのようだ。ちなみにこの悪路は8月中旬から工事に入るらしくしばらくは通行止めとのこと。今日来て大正解
帰りのSAから今登ってきた中央アルプスを仰ぐ。積乱雲がもくもく。早出してこれも大正解
そして2時間30分のドライブ&返却手続き。フライト40分前にギリ到着です。長い一日だった。ここに来て安堵。写っているのは剣岳と思われる
■タイム
04:38 池山登山口(林道終点)出発
05:04 池山ハイキングコース分岐
05:49 池山避難小屋水場
06:36 マセナギ
07:06 大地獄
07:22 小地獄
08:30 空木平カール分岐
08:53 駒石(駒石山)
09:26 駒峰ヒュッテ
09:39 空木岳到着
10:00 下山開始
11:19 小地獄
11:42 大地獄通過
12:03 マセナギ
12:23 池山避難小屋水場
12:58 池山登山口(林道終点)到着
※登り 5時間01分、下り 2時間58分
■GPSログ
距離:19.02km、高度の上昇/下降:1768m/-1768m
■勝手に難易度指数
57points
■感想、反省等
・アルプスデビュー。こんな厳しい山ばかりでしょうか
・今日のこのコースは本来は1泊するべきでしょう
・日帰りするかどうかのボーダーだと思います
・難易度指数は過去最高の56pointsでした
・頑張ったすが登りほぼコースタイムの5時間でした
・ロープウェイの木曽駒と違い空木岳は兵ばかり
・そんな山を徹夜で望むのは無謀だったかも知れません
・3000m近い標高は通常の歩きをさせてくれません
・解っていましたが乳酸溜まり何度も足が止まりました
・下りは飛行機の時間が気になりとにかく必死でした
・名古屋までの2時間半は睡魔との闘い。下界は35℃!
・空木岳。その山容と容易に登れぬ山。さすがでした
・沢山素晴らしい山あるでしょうが本気で再訪したい山
・格安便でアルプスGOO。1泊追加で行動範囲拡がります