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私の理想スピーカー計画 製作編

2022-11-24 15:54:55 | 日記
 100円ショップで丼(大)とカラーコーン、セメントを準備した私は、さっそく製作に取りかかりました。
 まず、丼の中心をくりぬいて、スピーカー取り付け穴を開けます。
当時、何も電動工具を持たなかった私は、この作業にもかなり手こずりました。
仕上がりも素人感満載、ガタガタの仕上がりでしたね。
そしてセメントを水で溶いて、丼の内側に貼っていきます。

 Trial 1
 ここで私は重大な見落としに気付きました。
セメントは粘性があっても〝液体〞なのです。
つまり、下に垂れるのです。
形を作っても、しばらく目を離すと下がぶ厚くなっている。
修正しても、当然また同じ結果に。
結局、完成してみると、下が異常にぶ厚い、まるでショートホーンのような内部形状に···。


(その後、この丼はスピーカースタンドの胴体部分として、有効活用されました。)

  Trial 2
 それでは、とセメントの水分量を減らして(硬くして)丼の内側に薄く貼っていくという作戦に。
一応成功しました。
形にはなったのです。
ですが、問題は硬化した後でした。
セメントは硬化すると、収縮するのです。
(当然、知らなかった。)
セメントに亀裂が入って次第に拡大、最後には剥落していきました。

  Trial 3
これはいけない、根本的に対策を講じなければ、ということで、私は
コンクリート建築と同様の型枠構造で作ることにしました。
具体的には、当初用意した大丼とは別に小丼を用意、この2つを重ねてその隙間にセメントを詰めることにしたのです。
そしてセメントも収縮しないように、砂を混ぜてモルタルにしました。


(これは魁1b型(密閉型仕様)の裏側用なので、ユニット取り付け穴が開いていません。)

さすがにこれは成功、理想スピーカーの前半部分は無事完成しました。

 そして次に後半のカラーコーン部分に取り掛かりました。
前半丼に懲りた私は、最初から型枠構造で製作しました。
ただし、コーン形状の理由で隙間が大きくなり(およそ1cm)、モルタルが厚くなりました。
かなり重量級にはなりましたが、無事作製完了です。

 こうして前半も後半も無事揃い、もうすぐ完成だ、というところで、極めて重大な事に気付きました。

 この丼とコーンを、どうやって接合する?

 ユニット取り付け穴は小さくて手が入りません。
つまり内側からはどうしようもない。
頭をひねりましたが、何も名案が浮かばない。
 結局、丼とコーンの接合部にモルタルを盛り、モルタルの接着力(?)
に期待するしかない、となりました。
 何とか2つを接合、コーンの上に丼を乗せて放置、硬化させました。

 そして翌日、完成した理想スピーカーを、そろりと横に倒してみました。
すると、簡単に丼とコーンが2つに分離。
以上。THE END。



(こうなるはずだった。つわもの共の夢の跡····南無。)

 その後、丼にユニットを取り付け、(やはりウン十年前の)グラスウールを詰め、手で押さえ付けて形を作り、試聴しました。
もし完成していた時の音の傾向を確認、同じコンセプトで製作して良いのかの指標とするためです。
 その結果はというと、全くダメ。
痩せて平板、無機質さを感じる音。
これは多少の改造では取り戻せない。
結果、「私の理想スピーカー」計画は、本当に完全終了となりました。

  後日談
 理想スピーカーの、全く期待を裏切る結果に、当時の私は材料に使用したモルタル(コンクリート)が原因だろうと、単純に思っていました。
実際、コンクリートで箱を作った場合、痩せた音になる場合が多いようで、エンクロージャー材の主流にはなっていません。
 しかし、現在は私の見解は異なります。
失敗の主な原因は、材料のコンクリートではなく、グラスウールを詰め込んだ事だろうと考えています。

 吸音材に関しては、いずれ所見を述べようと思います。
あまり期待しないでお待ちください。


  NEXT  次のスピーカーの模索と、新しい閃き。(仮)




「私の理想スピーカー」計画

2022-11-18 16:11:49 | 日記
 元々私は、ウン十年前の若かりし頃、スピーカー自作を行っていたのですが、公私の忙しさにかまけて疎遠になり、またコロナ禍等で経済的にも厳しくなって、趣味は投げ出した状態になっていました。

 そんな私が自作を再開したきっかけは、弟が、これは使わないから、とスピーカーユニットをプレゼントしてくれたことからです。
フォステクス M800。
知らない人のために説明すると、ステレオ誌 2016年8月号の付録だった 8cmフルレンジスピーカーです。
これを裸で鳴らしてみると、相当音がいい。
よし、良い機会だ、長年温めていた「私の理想スピーカー」計画を形にしてみよう、そう思って製作を開始しました。

 私が音楽再生装置である、オーディオに求めるのは、思わず聴き惚れるような、音の美しさ。
この方向にハンデとなるのが、重低音の追及だと思っています。
低音を追及するならば、ユニットの大口径化やダブルバスレフ、あるいは長大な音道を持つバックロードホーン等、いずれも箱の大型化を招き、複雑になる構造は私の理想から外れていくように感じています。
 確かに、重低音再生によるオーディオ的快感というのは存在します。
全く低音が無いと、寂しくて、もう少し下が欲しいという欲求が出るのも経験があります。
 でも、美しい音とトレードオフであるならば、ここはスッパリ諦めて、足りない分は後からのウーファー追加で対応しよう、というのが私の理想スピーカー計画です。

 この基本計画のために、具体的にどういう方法を考えていたかというと。

 ① ユニット振動板の他が極力共振しない、高剛性、重量級のエンク
   ロージャー。
 ② バッフル面積を最小にする。
 ③ 理想のエンクロージャー形状。

 理想のエンクロージャー形状は、球形である。
とスピーカーの教科書(ウン十年前の知識です)には書いてあります。
しかし、これは間違っているのではないか、と私は考えていました。
発想の元になったのは流体力学からです。
例えば、ボールを水中で動かすと考えると、後方に渦流が発生して、大きな抵抗が生まれます。
流体力学的には、球はあまり良い形状とはいえません。
理想の形は涙滴型。涙のしずく形です。💧
後ろを大きく引っぱって、滑らかに流す、こっちの方が理想だろうと思ったのです。

 では、どうやって100円ショップの材料でこの形にする?
実は私は、既に良いアイデアを持っていました。
前半分の球形部分は、プラスチック製の丼(🍜)を使います。
そして後半部分はカラーコーン(工場現場等にある円錐形のやつ)です。
サイズがピッタリということも確認済でした。

 でも、このままでは箱が共振して、良い音は出ないでしょう。
そこで、箱の内側にセメントを貼って、剛性と重量を確保しようという
作戦です。

 はたして、この私の計画はうまくいくでしょうか?

 次回に続く。







  

            


2022/11/15

2022-11-17 20:21:41 | 日記
  ごあいさつ

 初めまして。おいどんと申します。
趣味で自作スピーカーをマイペース、のんびりと製作してます。
(単なる飲んだくれ、ぐーたら親父だという外野の声は気にしません。無視 ! )
 そしてもう一つ、貧乏です。意味はわかると思いますが、お金がありません。
でも、オーディオ趣味は斜陽産業。ピュアオーディオ機器は大変高価になり、とても手が出せないものになりました。
そこで、私の製作するスピーカーは格安~激安のユニットを使い、エンクロージャーは基本的に100円ショップの材料を使用。
不利はアイデアと工夫で補って(私にとっては)高級なモデルの音に近づきたいと思っています。

 世のオーディオ趣味の方は、ほとんどがハイエンドの音を目指す次元の異なる方々だと思っていますので、私のスピーカーなど笑殺される存在だと思います。
でも、中には自作しよう思うけどお金がない、という私と同じ人や、安価なサブスピーカーが欲しい、という人がいるかもしれません。
そういう人に参考にしてもらいたい、と思ってこのブログを初めました。
よろしくお願いたします。

P.S.
 率直に言って、私にはオーディオに関して話ができる、同趣味の友人がいません。そのため、本ブログの音の評価は全て私の自己評価であり、井の中の蛙である可能性が多分にあります。
この点はあらかじめ断っておきます。

(写真)
2式スピーカー 魁(さきがけ) 1b型
(おそらく)世界唯一の蝶ネクタイをつけたスピーカー。
ちなみに本体は頭だけで、首から下はスピーカースタンド。

使用ユニット  フォステクス M800
独自の低音増幅方法を採用した密閉型。