9月25日(水) 「小説あります」(門井 慶喜著)
N市立文学館は、昨今の自治体の財政難が影響し、廃館が決定してしまった。文学館に嘱託として勤めていた老松郁太は、館の存続をかけて、文学館の展示の中心的作家・徳丸敬生の晩年の謎を解こうと考える。30年前、作家は置き手紙を残して失踪、そのまま行方不明となったままなのだ……。好評を博した『おさがしの本は』姉妹編、待望の刊行!
10月14日(月) 「錨を上げよ」(1)(2)(百田 尚樹著)
戦争が終わってちょうど十年目、空襲の跡が残る大阪の下町に生まれた作田又三。不良仲間と喧嘩ばかりしていたある日、単車に乗って当てのない旅に出る。しかし信州の山奥の村で暴漢に襲われて遭難、拾われたトラックで東京へ。チンピラに誘われて組事務所を手伝うことになるのだが―。激動の昭和を駆け抜ける、著者初の自伝的ピカレスクロマン。著者初の自伝的小説!
10月20日(日) 「狗賓童子の島」(飯嶋 和一著)
10/12 朝日新聞 大矢博子が進める文庫この新刊で紹介
弘化三年(一八四六)日本海に浮かぶ隠岐・島後に、はるばる大坂から流された一人の少年がいた。西村常太郎・十五歳。大塩平八郎の挙兵に連座した父・履三郎の罪により、九年に及んだ親類預けの果ての「処罰」だった。十六歳になった常太郎は、狗賓が宿るという「御山」の千年杉へ初穂を捧げる役を、島の人々から命じられる。下界から見える大満寺山の先に「御山」はあったが、そこは狗賓に許された者しか踏み入ることのできない聖域だった。やがて医師になった常太郎は、島を覆う幕末の狂乱に巻き込まれていく―。第19回司馬遼太郎賞受賞作!
10月22日(火) 「世にも美しき数学者たちの日常」(二宮 敦人著)
類まれなる優秀な頭脳を持ちながら、時にへんてこ、時に哲学的、時に甘美な名言を次々に繰り出す数学の探究者たち――。
黒川信重先生、加藤文元先生、千葉逸人先生、津田一郎先生、渕野昌先生、阿原一志先生、高瀬正仁先生など日本を代表する数学者のほか、数学教室の先生、お笑い芸人、天才中学生まで――7人の数学者と、4人の数学マニアを通して、その未知なる世界に触れる!
10月26日(土) 「椿宿の辺りに」(梨木 香歩著)
深遠でコミカル、重くて軽快。著者五年ぶりの傑作長編小説。
自然、人間の体、こころの入り組んだ痛みは家の治水、三十肩、鬱と絡み合い、主人公を彷徨えるツボ・椿宿へと導く。
10月28日(月) 「むらさきのスカートの女」(今村 夏子著)
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。
10月30日(水) 「星の子」(今村 夏子著)
林ちひろは、中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族のかたちを歪めていく…。野間文芸新人賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされた著者の代表作。
11月1日(金) 「父と私の桜尾通り商店街」(今村 夏子著)
桜尾通り商店街のはずれでパン屋を営む父と、娘の「私」。うまく立ち回ることができず、商店街の人々からつまはじきにされていた二人だが、「私」がコッペパンをサンドイッチにして並べはじめたことで予想外の評判を呼んでしまい…。平凡な日常は二転三転して驚きの結末へ―見慣れた風景が変容する、書き下ろしを含む全六編。
11月19日(火) 「錨を上げよ」(3)(4)(百田 尚樹著)
北海道から大阪の実家に戻った又三は、ビリヤード場で知り合った保子と恋に落ち、電撃的に結婚。
さらに大学時代の親友・柿本に紹介された放送作家の仕事も軌道に乗り始める。
とうとう風来坊を卒業し、安住の地を手に入れたかに思えたその時「ある一夜の出来事」が彼を地獄に突き落とす。
又三は波乱万丈の人生に無事に“錨を下ろす"ことができるのか。
11月24日(火) 「やがて満ちてくる光の」(梨木 香歩著)
昔の生活が残る小さな島の老婆たち。古いホテルの幽霊。海辺の葦原。カヌーで渡る運河の涼やかな風。そして密かに願ったコウノトリとの邂逅は叶うのか……。北ヨーロッパの小国エストニア。長い被支配の歴史を持つこの国を訪れた著者が出会い、感じたものは。祖国への熱情を静かに抱き続ける人々と、彼らが愛する自然をつぶさに見つめた九日間の旅。
12月2日(月) 「こぼれ種」(青木 玉著)
祖父・幸田露伴、母・文を先達に、春夏秋冬、樹木を見て歩きました。毎日見ている街路樹だけど、この木の名前は何かしら?そんな疑問を抱いたら、「こぼれ種」を拾って育てましょう。どんな芽が出てくるか、お楽しみ!木の一生、花の性質を探訪し、植物と人との深い絆に思いを寄せる心あたたまる連作エッセイ。
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