8月18日(木) 「じっと手を見る」(窪美澄著)
富士山を望む町で暮らす介護士の日奈と海斗はかつての恋人同士。ある時から、ショッピ
ングモールだけが息抜きの日奈のもとに、東京の男性デザイナーが定期的に通い始める。
町の外へ思いが募る日奈。一方、海斗は職場の後輩と関係を深めながら、両親の生活を支
えるため町に縛りつけられる。自分の弱さ、人生の苦さ、すべてが愛しくなる傑作小説。
8月22日(月) 「朔が満ちる」(窪美澄著)
かつて中学1年の時に僕は、酒を飲む度に荒れる父親に手を焼き、遂に斧で殴りかかって殺そうとしたことがある──心に傷を負ったまま家族とも離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。荒んだ生活の中で、看護師の千尋との出会いから、徐々に自身の過去に向き合おうとする──これは「決別」と「再生」の物語。父へ、母へ、この憎しみが消える日は来るのだろうか。
8月28日(日) 「記憶の渚にて」(白石一文著)
小説の限界に挑む超大作! 直木賞作家、全身全霊の900枚。
世界的ベストセラー作家の兄の不審死と遺された謎だらけの随筆。記憶とは食い違う原稿の真実が明かされるとき、“世界”は大きく揺らぎはじめる――。
9月13日火) 「自転車泥棒」(呉明益著)
失踪した父と同時に消えた自転車の行方を追う「ぼく」。台湾から戦時下の東南アジアへ、時空を超えて展開する壮大なスケールの物語。
9月19日(月) 「道」(白石一文著)
<人生のやり直しが実現できても>(朝日新聞8/6)
一枚の絵が、世の中の仕組みを大きく覆す。男は、どん詰まりの場所にいた。
二年半前の大学生だった娘の交通事故死。そこから精神の変調を来たし、二度の自殺未遂の隘路から抜け出せない妻。あれを試すしかないのか‐‐。
かつて、高校受験に失敗した直後、失意のうちに目にした「道」というタイトルの一枚の絵。そして、そのあとに訪れた名状しがたい不思議な出来事。40年ぶりにその絵を目にした男は、気が付けば、交通事故が愛娘に起こる直前の三軒茶屋の交差点にいた。
構想10年。満を持して放つ、アンストッパブル巨編。
9月21日(水) 「カヨと私」(内澤 旬子著)
<ヤギになり一緒に草を食みたい>(朝日新聞9/12)
J.R.ヒメネスの『プラテーロとわたし』に憧れ、小豆島でヤギと暮らしはじめた内澤さん。内澤さんの元にやってきたのは真っ白な雌のヤギで、内澤さんはカヨと名付け、ふたりの生活が始まりました。
庭先の雑草を食べてくれればと考えていたものの、カヨは食べる草をえり好み。内澤さんはカヨの様子をじっくり観察し、カヨが欲しているもの、あるいはどういうことが苦手なのか、深くコミニュケーションして参ります。果たして内澤さんとカヨの暮らしは、どうなっていくのでしょうか──。動物文学の傑作が、ここに誕生です!
9月26日(月) 「庭園の五人の子どもたち」(シモーヌ・ド・サン=テクジュペリ著)
世界中で読み継がれる『星の王子さま』の原点がここにある。いつまでも子どもの心を持ち続けた作家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの幼少期が、実姉シモーヌの巧みな筆致と豊富な写真によって生き生きと描かれる。
シモーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1898年~1978年)
『星の王子さま』で知られるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの実姉。フランスの国立古文書学校を卒業し、古文書学者としてフランス本国及び当時の仏領インドシナで古文書管理業務に従事。フランス帰国後は、弟アントワーヌの作品の保護と管理に尽力。
9月27日(火) 「おいしいごはんがたべられますように」(高瀬 隼子著)
第167回芥川賞受賞
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。
職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。
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