奥様は海外添乗員〜メモリアル

イビサの休日

    

そもそもここバレアレス諸島への旅の目的の半分はのんびりリゾートを楽しむことだったのに、毎日ホテルに戻るのは日暮れすぎ。まだ水着姿でプールサイドに横たわるには早い時季とはいえなんとなく慌ただしくマヨルカを発ち、そしてイビサでの最後の日を迎えてしまった。そんなわけで、朝からまたまた見事な青空が広がってる今日こそプールサイドでのんびりしようと決~めた。タウンに1番近いフィゲレタス海岸の端っこに位置するホテルの目の前は海。その海を眺めながら過ごすプールサイドでのひと時は最高の贅沢になるはずだと。風はちょっぴり冷たいものの陽射しだけはしっかり夏を感じさせてくれる。ヨーロッパからの人たちはもちろん水着姿だ。彼らに負けず劣らず太陽が大好きな私もさすがに水着を着る気にはならなかったけど、出かける間際にバッグに放り込んできたビーチサンダルだけは十分役に立ったな。

しばらくして私の隣にやって来たスペイン人家族。みな水着姿でデッキチェアに横になるとお母さんはペーパーバッグを読みはじめ、娘さんはイヤホンで音楽を聴きはじめ、お父さんはというとポータブルTVでサッカーを観戦しはじめた。時折サポーターの歓声とアナウンサーの興奮した声がここまで聞こえてくる。うとりうとりしながらも耳に入ってくる家族の会話。と、突然お母さんがお父さんに文句を言いはじめた。「こんなプールサイドに来てまでサッカーを観てるなんて!騒がしいわよ。」ちょっといじけ顔のお父さんはそれでも諦め切れないようで少し離れたデッキチェアに移り、相変わらずTVを観ていた。それも母娘の方をチラチラ見ながら。すると突然ホテルの中に姿を消したお父さん。ちょっと心配顔の娘さんと全く動じないお母さん。でもすぐにお父さんは雑誌を手に母娘のもとに戻って来た。やっぱりひとりぼっちは淋しかったのね。娘さんにウインクするお母さん。その様子を見ていた私はもう可笑しくて可笑しくて、声を出さずに笑うのが精一杯。微笑ましい家族の風景。そしてやっぱりどこの国でも母は強しだ。

    

それにしても風に揺れる椰子の木の音を聞きながら真っ青な空を眺めていると、ずいぶん頻繁に飛行機が降りて来る。ホテル前の海岸の上空がちょうど島の南にある空港への航路のようで、着陸体制の小型機がよく見える。そういえば今日は金曜日。この週末をイビサで過ごそうというたくさんの人を乗せてることだろう。さらに高い上空には真っ白な飛行機雲を作りながら飛ぶ飛行機の姿も。南に向かうあの便は地中海を渡ったアフリカ行きだろうな?向こうはギリシャかトルコのあたりからマドリッドに向かってるんじゃないかな?空を見上げながら勝手にいろんなことを想像してみる。考えてみるとこんな風にひがな空を眺めてるなんてこと、めったにあるもんじゃない。やっぱりこれって最高に贅沢な時間かも知れないな。こんな時間を持てることに感謝しながら、イビサの青い空と海をもう少し眺めていよう。



みなさんからのコメントはいつも楽しく読ませていただいています。ただ諸々の理由によりこの年明けからコメントへのお返しはしていませんのでどうぞご了承下さい。また旅関係のご質問やリクエストに関しては、できるだけ今後のブログ上に反映させていきたいと思っています。

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