奥様は海外添乗員〜メモリアル

ポルトでトリッパ(贓物)を食す

    

大西洋に面したポルトガルの食卓にはいつだって豊富な魚たちがいろんな形で並び、それがこの国の食の魅力であると魚好きな私たちはいつも思ってしまう。海のイメージの強いギリシャや長い海岸線を持つイタリアあたりでも実際は肉食中心の国だから、魚介類を使った料理はもちろんたくさんあるけどとにかく高いのがたまに傷。その点ポルトガルでは代表的な食材として鰯や干し鱈が挙がるくらい、そのお値段も庶民価格なのが嬉しかったりする。だからといって肉類がめちゃくちゃ高いわけでもなく、魚貝類にしろ肉類にしろ高級店にでも行かない限り食全般がリーズナブルであることは間違いなし。

ところでここポルトは昔からトリッパと呼ばれる贓物を食べることで知られる。ポルトの人たちを呼ぶトリペイロ(贓物を食べる人)なんて言葉があるくらいだから、もとはこの街独特の食文化だったのかも知れない。普通は捨ててしまう贓物を食べなきゃならないくらい生活が厳しい時代があったということなのか?贓物好きな日本人にはあまり違和感は感じられないけどね。そういえば、イタリアのフィレンツェでもトリッパを食べる習慣がある。同じ国の中でも食べ物に関する習慣が違うのはいづこも同じか。

そんなわけでこの街を離れる前に贓物好きな留守番隊がトリッパス・ア・モーダ・ド・ポルトに挑戦。これは贓物と白インゲン豆を煮込んだ、まさに貧しさから生まれたような名物料理。独特の風味はあるけど贓物はとっても軟らかく、そのうま味の効いたスープはとっても美味しいし寒い時には身体があったまるよ。ただ小さな鍋いっぱいに煮込まれて出てくるこのメニュー、二人で食べてもまだまだ余るぅ(汗)!


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