「知るは楽しみなり」と申しまして、知識をたくさん持つことは人生を楽しくしてくれるものでございます。
わたくし当ゼミナール主任教授のすずきけんじでございます。
↑これ知ってる?おもしろい番組だったんだぞ。
NHKスペシャル「魔性の難問 ~リーマン予想・天才たちの闘い~」
2年前くらいにやはりNHKで「ポアンカレ予想」に挑む数学者たちの闘いを描いていたのがありました。これってシリーズ?
ね!ね!面白そうでしょ!
こういうシリーズ大好きなんですよ。理系の天才すっげー憧れる!
私はどうやら文型頭のようですけどなorz
今回もナレーションはポアンカレ予想のときと同じコンビかな?
雰囲気が似てて。
同じように楽しめたというかね、今回もめちゃめちゃおもしろかったです。
今回は「リーマン予想」。
19世紀ドイツの天才数学者、ベルンハルト・リーマンが提示したもので、今なお証明されていない難問中の難問だそうです。
どういう予想かというと、素数の分布にまつわる予想なのだそうで。
説明難しいんですが('A`)
素数というのは、1とその数自身にしか割り切れない1以外の自然数のこと。
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43 ・・・
あらゆる自然数は、この素数の掛け算の組合せで表すことができます。
例えば「255」という数。3×5×17というふうに分解されます。
この、3や5や17のように、「それ以上分解できない数」が素数。
「数の原子」とも呼ばれるんだとか。
この素数が「どういうタイミングで登場するか」というのが今回のポイント。
素数が現れるタイミングは実にきまぐれで不規則。
次々に素数が登場する場所もあれば、しばらく出てこない場所もある。
「高度に非自明」です。
ここに規則性を見出し、素数の謎を解き明かす重要なカギのひとつが「リーマン予想」なんだそうです。
こういうのが次々に証明されていけば!
宇宙や自然の全ての物理法則が理解できる、説明できる。
特にミクロな原子や電子の法則が!
ってのにつながる「かも知れない」と考えられなくもないとかとか。
「どこがどうつながるんだ」と思うでしょ。
でも見てるうちに
「おおおおおおお!」「これはひょっとしてひょっとしてもしかしたら!」
とか思っちゃうのよ!
偶然の一致とは到底思えないぞ!ってな具合にね!
リーマン予想(1859年)
「ゼータ関数の非自明なゼロ点は全て一直線上にあるはずだ」
意味がわからないでしょ。
なので番組でも歴史を追って説明されていました。
最初に登場するのが、レオンハルト・オイラー(1707-1783)。
オイラーは、素数と宇宙との間には、
「何かつながりがある、という執念にも似た直感がありました」。
で、素数の並びの意味をとことん突き詰めて考えまくっていたって。
1からずーっと、素数が見つかるたびに印をつけてって。
31391,31393,31397,31469・・・
2個次に出てきたり、72個次に出てきたり。
・・・規則性が全然ワカラン!
しかしオイラーは頑張って、こういう↓のを発見しました。

素数だけを使った式。
もしこれを計算できたとしたらどんな答えが出るのか。
素数っていう規則性の見出せないものでできた式だから、意味のない答えが出るだろうって思われたわけですが、実はそうではなかった!
こうなるんだそうです。

円周率パイの2乗の1/6!
素数だけの式が円周率とつながってるんです!
「オイラーは、素数が単なるきまぐれな数ではなく、宇宙の法則とつながっている可能性を初めて実証した人物となったのです」
おおおおおおおー!!!
オイラーの発見から100年が過ぎ、19世紀半ば。
素数の謎にさらに迫る人物が登場!
2人目は、ベルンハルト・リーマン(1826-1866)。
「リーマン予想」を世に送り出すことになる人。
リーマンは、素数に意味があることをもっと数学的にゲンミツに示せないか!
ということで、最新兵器を用意。それが「ゼータ関数」というものだそうで。

昨日のオイラーのやつに似てるでしょ!
これも、「素数の情報だけで書かれた式」です。
で。
リーマンは、このゼータ関数を3次元のグラフに表してみることにしました。
そして、グラフの高さがゼロになる「ゼロ点」という点の位置を調べてみました。
素数の並びが不規則なのだから、素数の情報だけでできたゼータ関数のゼロ点もバラバラだろうな~というのがおおかたの予想。
が、試しに4つのゼロ点を突き止めてみたところ、その4つの点がきれいに一直線上に並んでいたのです!!
おおおー!
これってもしかして、他の全てのゼロ点も全部一直線上に並ぶんでないか?
・・・というのが、「リーマン予想」なんだって。
これ以降、素数の並びの謎は、
素数の並びに意味はあるか?
↓
全てのゼロ点は一直線上にあるか?
ということを証明することに力が注がれることになります。
3人目に登場するのが、20世紀イギリスのハーディとリトルウッドの2人。
当時の数学界のエースだったんだって。
・・・けど要するに挫折。割愛!
4人目に登場するのが、ジョン・ナッシュ。
今もご存命です。88歳。「世紀の天才」とうたわれた数学者。
彼の天才ぶりは、「ビューティフル・マインド」っていうアカデミー賞もとった映画で描かれているんだって。
このナッシュっていう人、私は経済学者だと思っていました。
経済学をかじったことがある人なら「ナッシュ均衡」という言葉はどこかで聞いたことがあるんではないかと思います。
その内容を理解しているかどうかはともかく
Wikipediaでは、
「ナッシュ均衡は、他のプレーヤーの戦略を所与とした場合、どのプレーヤーも自分の戦略を変更することによってより高い利得を得ることができない戦略の組み合わせである」
と説明されています。
いつだったか「囚人のジレンマ」の日記かきました。
どっちの囚人も「自白したほうが得」と考えてしまうので自白します。
「自白しない」という戦略の変更は自分にとって損なのでそれはしないのです。
つまりそうなるように「均衡」してしまっています。
・・・どうもそういう状態のことを「ナッシュ均衡」という、らしい。
市場に任せっきりだと、どっかでニッチモサッチモいかない状況になるかも知れないから、どっかに損得を超えた思考回路を持つ存在がいて、そいつが政策でもってうまくプレイヤーを誘導して、経済がうまーく回るように制御しなきゃいけないんだぞと。
経済学の究極の目的はそこ。そういうのを研究する学問なんでしょうね。
話逸れましたが要はそういうことを考えて発表した功績により、ノーベル経済学賞受賞、とってもえら~い数学者ですよ。
が、その彼をもってしても「リーマン予想」は解くことができず、逆に精神を打ち砕かれてしまうことになるのです・・・
ナッシュ博士。
「数学の研究には、自身の心の内面を突き詰めることが要求されます。
あるときには論理的に考え、別のときには非論理的に考えることが要求されます。
そうした複雑な思考が、精神的な問題につながったんでしょう」。
恐るべしリーマン予想。数学者たちも恐れました。
素数の謎を明らかにすることは、神の怒りに触れることなのではないかと!!!
あたたたたーっ!
というわけで続きは元気があったらまた明日(゜д゜)ノ