未来を拾いに

aikoのことしか頭にないひとのブログ

グリコ・森永事件

2011-08-05 02:46:54 | 雑記

NHKスペシャル「未解決事件」を見ました。
主にドラマとドキュメンタリーの構成で2夜連続。 
このところ製作本数減ってきてるような印象があって寂しく思っていたのですが、久しぶりにこれぞNHKスペシャル!って感じでね。
音楽、ナレーション、ドラマ。
非常に見応えがありました。 


グリコ・森永事件。 
以下wikipediaより- 

>1984年と1985年に、京阪神を舞台として食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件である。 
>警察庁広域重要指定114号事件。 
>犯人が「かい人21面相」と名乗ったことから、かい人21面相事件などとも呼ぶ。 

30代の方は、丁度小学生くらいの頃ですよね。 
記憶に新しいというと妙ですが、まず覚えていると思います。 
私は小学校4年生でしたが、毎日のように新聞を見て、その独特の文字フォント、独特の文体の「きょうはくじょう」を読みました。 

グリコとか森永のお菓子は買えなくなって。 

「どくいり きけん たべたら しぬで かい人21面相」 
って書かれた紙が貼られた、本当に毒の入ったお菓子が見つかって。 

一連の事件を通じて、幸いなことに死者は一人も出なかったのですが、当時社会に与えたインパクトは相当なものだったと思います。 
番組ではこう表現しています。 

「国民を震撼させた」 

ですが、私の子ども心では、そんな凶悪で恐ろしい犯人像っていうのはありませんでした。 
なんかユーモラスでね。実際に誰かが殺されたということもなかったし、悪いやつらなんだけど、どこか憎めない。
そんな感じ。 


「劇場型犯罪」とも表現していました。 
確かに空前絶後で、ああいう型の事件はあれ以外は記憶にないなあ、と思います。 


ある情景を記憶しています。 
父と父の友人と、みかん狩りか釣りか海水浴かに連れてってもらったときの記憶。 
クルマで音戸大橋のグルグルを上がるところで、大人の会話ね。 

「グリコ森永の犯人は捕まったら死刑かねえ」 
「1円もとっとらんし、1人も殺しとらんじゃろ」 
「あんだけ衝撃を世間に与えた罪ってどれくらいなんでしょうかね」 

みたいな。 

・・・まぁ父やその友人とかって大人に見えて、大人の話してるなあと思ったもんだけど。 
自分が大人になってみると、↑大したことない会話だなあとも思うw 


新聞で、「おおさか 犬けいの あほども え」っていう脅迫状をみて、母に聞いたんですよ。 

私「県警のけんが犬になってるよ。なんで?」 
母「わざとよ!」 
私「なんでわざと間違えたりするの?」 
母「警察は犬だっていってんのよきっと」 
私「なんで犬?」 
母「犬みたいにいろいろ嗅ぎまわるから犬に例えてバカにしてるのよ!」 

・・・なんか我ながらよく覚えてるなあ。 


スーパーの牛乳パックに「あけ口」ってプリントしてあって、 

私「あけろ?」 
母「あけくち!」 
私「なんで?カタカナのロじゃないの?」 
母「それでクチって読むのよ!」 
私「えーなんでなんで?」 
母「大人になったらわかるのよ!」 

・・・事件と全然関係ないけど、こんな会話も覚えてるんだよね。 
なんであれで「くち」って読むのかほんとうに不思議で。まぁ今になったらわかるけど。 



再現ドラマが、とてもよくできていました。 
感心したのが、昭和50年代を細かいところまで違和感ないように作ってるなあっていうこと。 

新聞社に送られる犯人からの挑戦状を開封するシーン。 
60円切手と100円切手のデザインが当時のもの。 
サラリーマンのファッションとかね。メガネの色や形。 
リーン!って鳴る黒のダイヤル電話とかね。ブラウン管テレビ。古臭いラジカセ。家電! 
ポケベルが鳴ったら「おばちゃん電話貸してね」とか。 
「ここは禁煙」なんてのはない時代。どこでもお構いなしにタバコの煙。 

ドラマの背景になにげに貼ってあった「なぜか、ドラキュラ」ってポスターが目に留まった。 
聞いたことある気がするなあ、と思ってぐぐってみたら、84年にやってたテレビドラマだった。 

細かいぜ! 


有名な「キツネ目の男」の似顔絵。 
クラスの話題にもなっていました。「へんな顔」ってねw 
が、改めてドラマでみて、当時の捜査員たちの回想をきくと、すごい迫力だったんだなあと思います。 
とにかく目が印象に残って、一度見たことがあったら二度目もすぐわかったって。 

捜査員たちがこの男に2回も肉薄するシーンがあるんですが、これが熱かった。

「職質させてください!」 
「あかん。本部にとめられとる!」 

まさに踊る大捜査線。 


2度目は大津SAでね。先行部隊が遭遇。 
が、本部の「一網打尽」方針があって確保はできず、100%間違いなく犯人! 
と思われた「キツネ目の男」は、結局2度と姿を現すことはなかったといいます。 


てかさ、大阪府警の大阪弁超怖いんだけど(´Д`) 

「じゃかあしいボケェ!はよせんかいコラァ!!」 

絶対広島弁より大阪弁のほうがヤクザや~(´Д`) 


番組を見るまで知らなかったのですが、 

「くいもんの 会社 いびるの もお やめや…悪党人生 おもろいで」 

の終息宣言は、日航ジャンボ機墜落事故の日と重なったんですね。 

羽田発伊丹行の日航123便がレーダーから消えたというニュース速報のテロップと、翌朝の事故現場のニュースがテレビに映し出される中、ドラマの主人公たちが疲れた表情で「終息宣言」について言葉をかわすシーンが強く印象に残りました。 

以降、その宣言の通り「かい人21面相」の動きはぴたりと止みました。 
そして15年後、全面時効を迎えるに至ります。 

思えばあの年は、いろいろあったんだなあ。 


新聞記者っていうのも熱いですね。 
去年だか一昨年だか、NHKで「クライマーズ・ハイ」っていうドラマがありましたが、あれも熱かったんですよ。オンデマンドで見られないのが残念。 

そうそう熱いといえば、TBS「官僚たちの夏」もよかった。 



未解決事件。 

犯人は捕まりませんでした。 

最新技術で、犯人グループの電話から、声紋を分析していました。 
10代後半の少女と、小学生くらいの男の子2人の声だって。 

存命ならば私と同じくらいの歳か、ちょい上くらいか。 
どのような思いでこの番組を見たのでしょうか。 


では、また。