TNGに登場するキャラはそれぞれに個性的かつ魅力的。特に「データ少佐」が面白い設定です。頭脳肉体共に超人的なアンドロイドですが、心がないため感情がなく、人間の喜怒哀楽を実感として理解することはできません。
それでもいつも彼なりの方法(人の外面上の言動から統計的に分析する模様)で相手の気持ちを理解しようとし、その状況で自分が相手にかけるべき適切な言葉を選択しています。エライです。
が、やはり表面通りに受け取ってしまうことが多いので、人の言葉の裏にあるホンネのところを読むことは苦手。ジョークで盛り上がってる場についていけなかったり、酷い言葉を投げつけられても何とも感じなかったり、場の空気を読めなかったり、正確を期そうとしすぎて艦長や副長をいらつかせたり、恋愛の言葉遊びで外しまくったり。トンチンカンで微笑ましく、万人に愛されうる存在です。
彼は時に人間クルーから感情がないことを羨ましがられることがあります。が、彼は自分がリアルに経験することができない人間らしい感情というものに強い憧れを持ち、いつかはそれを手に入れたいと思っています。それがない自分は不完全な存在であると思っています。いつ叶うかも判らない望みです。が、「人間でいう向上心というものは失ってはいけない。いつかそうなりたいと思い続けていればそれはきっと叶うと信じている」みたいな台詞をどこかで言ってた・・・はず。
TNGは彼の存在を通じて、視聴者にいろんなメッセージを送ります。悪意を持たないまっすぐなアンドロイドです。いつも平明な目で物を見ています。生身の人間なら感情がジャマして判断を誤る場面でも、データは今なすべきことを理路整然と分析し進言します。自分が今やるべきと判断したことをスラリとこなします。そこに感情的な葛藤が入り込むことは皆無です。
そんな設定だからこそ作ることができたエピソードがあります。「アンドロイドの目覚め」の話なんかは何度見ても泣けます。何かしら感じるところがきっとあることと思います。
・・・我ながらまとまりない文章ですのう。