未来を拾いに

aikoのことしか頭にないひとのブログ

航空幕僚長更迭

2008-11-02 01:07:37 | 雑記

土曜ですが、朝日は一面トップでしたね。細かい説明は省略します。政府の判断の話。 

詳しくは知りませんが、航空幕僚長というのは空自の制服組のトップだとか。私みたいな一般人ならともかく、空自のトップがこれはまずいでしょう。近隣アジア諸国との外交がやりにくくなるじゃないか、という次元ではなく、国際的に見て、こういう人が軍隊のトップになってたのですかアンビリバブル。日本人が今どういう歴史観を持ってるかというのが誤解されかねない。 

更迭は極めて常識的な判断だと思うのですが、そういう対応を全く迷わず取れる今の日本政府には変な話ですが一方でなんか安堵しました。これが「戦後レジームからの脱却」の首相だったらどうだったでしょうか。「問題ない」って言いそうじゃない?さすがに大丈夫だったと信じたいですが。

最近は、こういう主張が妙に持ち上げられる空気が感じられます。ナショナリズムは自然な感情ですが、バランス感覚を欠いたらいけないと思う。杞憂だったらいいんでしょうが、極端な話、世論の大多数までこんな空気に染まってしまって政府や自衛隊が引きずられたり乗っかったりしたら昭和初期の日本に逆戻りになるわけで。 

なんだかもの凄く怖いなぁと率直に思った出来事でした。 



そういえば、「声」欄にちょっと考えさせられる投書がありました。前に、妊婦さんが東京の12くらいだかの病院に搬送を「拒否」されて、診療が10時間近く遅れて亡くなってしまった、というニュースがありましたが、それについての話。寄稿者は勤務医さん。 

要約すると、「拒否」という表現は容認できない。「搬入不能」だったんじゃないのですかと。報道の表現の仕方は公平にしてもらいたいというのが主旨です。 

例えば映画館では満席でも立ち見はできるが、レストランで満席のときにお客さんを門前払いしたり待ってもらったりするのは「拒否」というのかと。仮にベッドが空いていても、当直が2人いたとして、いずれも緊急手術とかしているときには受け入れることはできない。医療現場では、ミスると裁判にかけられて、刑事責任を追及される。受け入れられない状況のときに受け入れることはできないと。現場は全く人手不足で、恐ろしいほどの過労を強いられている。この問題は一病院の努力で解決できる問題ではない。責任が一方的に医療現場に押し付けられるのはいかがなものか。 

そういう内容であったと記憶しています。 


確かに「拒否」と書かれると、特に意識してなくても「病院が面倒な仕事をたらいまわしした」ってイメージになりますよね。印象として。私もこの記事みたときにそういう心当たりがあったので、はっとさせられた投書でした。 

報道って、よっぽど気をつけていないと、また気をつけていたとしても、見えるところだけで善悪を判断しちゃうものなんですよね。 

先日、松本サリン事件の被害者の一人で、当初「犯人扱い」された河野さんとその奥さんを追ったドキュメンタリーを見ました。奥さん、ずーっとサリン中毒で植物状態だったんですね。今年の8月に亡くなったそうです。8人目の犠牲者となりました。松本サリン事件は1994年。14年間の闘病生活。河野さんは献身的な介護をこの間もずーっと続けていました。 

自分は、あのとき、あの報道をみて、「この人怪しい」って全く思わなかったか。 

全く思わなかった、といったら嘘になります。