>子どもの頃の夢はプロ野球選手になることでした。
>その夢が現実となって、カープに入団して大好きな野球を思いっきりやることができました。
>人に負けたくない。この世界で成功したい。
>その思いでがむしゃらにやって、全力でバットを振ってきました。
>試合が終わればユニフォームが真っ黒な選手でありたいと思っていましたが、
>気がつけばそのユニフォームが汚れなくなり、走ることも守ることも思うようなプレーが
>できなくなり、引退を決意しました。
>本当にケガの多い野球人生でありましたが、家族の支え、何よりファンの支え、
>チームの支えによりここまでこれた野球人生です。
>最後になりますが、カープのユニフォームを着て23年間野球ができたことを誇りに思います。
>ありがとうございました。
-緒方孝市選手の引退挨拶です。
・・・私も試合が終わればユニフォームが真っ黒な選手であり続けたいと思いました(涙)
広島いってきました!
この日の緒方は8回表から「8番センター」で登場。
自分は守備から入った選手、それが自分らしいと。
また、緒方は腰痛で、満足にプレーできるような状態ではないと。
ファンに良いプレーを見せられないと思ったのでしょうね。
「腰がもたない」って1番センターのスタメンは辞退していたそうです。
強行出場。
センターの守備に向かう緒方。
スタンドからの万雷の拍手と緒方コールに包まれて。
緒方の応援歌も今日で歌い納めですよ。最初は高橋慶彦の改造だったのだけれど、いつしか「緒方の応援歌」ができていたんですよ。
おがたーおーがたおがたー
このいちーだーに闘志燃やーして勝利の地ーへ駆け抜けろー♪
この日は広島-巨人の最終戦。巨人の先発は最多勝がかかるゴンザレス投手。
カープの先発は2桁勝利がかかる大竹。
この日は初回に、巨人の信じられないエラー連発と東出の見事すぎる走塁で幸先よく1点を先制していましたが、その後はカープ打線沈黙ゼロ行進。
8回表のここまで、カープの安打は僅かに1。
打席には木村拓。ね、野球の神様はこういう舞台を用意してくれるんですよ。
初球でした。
大竹がうまーくセンターフライになるような球を投じて。
木村拓が狙い済ましたようにセンターへフライを打ち上げる。
打った瞬間、「行った♪」とニヤリな表情w
緒方、やや前進、ほぼ定位置で捕る!
スタンドやんややんや!
これはね、大竹と木村拓と緒方の共同作業、これをこの時この場所この空気の中で一発で決めてしまうとは!
至高の野球技術を持つ超一流のこの3人でなければ為しえない、もはや芸術!
もはや作品!ってなもんだ!
その裏、先頭の石井タクロー。
ネクストバッターズサークルには緒方が控えます。ゆっくりと素振り。
タクローはファーストゴロに倒れ、バッターは緒方。
応援歌やるヒマもなく初球を見事に弾き返す!打球は左中間!
おおおおおおおおおおー!!!
2塁を回ったところで、足がもつれていました。
あの緒方がですよ。
もう歳だもんね;;
身体もボロボロなんでしょう;;
それでも全力で三塁にヘッドスライディング。
セーフ!
あっと言う間の現役最後の打席、素晴らしかった!
汚れなくなったユニフォームもこの日は真っ黒になりました。
1死3塁。次のバッターはピッチャーの大竹。
2点目をとりたい。
点を取れるとしたら捕逸だって頭にあったそうです。
キャッチ逸らす、緒方ホームへ!
キャッチからベースカバーのピッチャーへ送球くる、ヘッドスライディング!
スライディングが手前でストップしてしまい、もう数センチのところ手が届かない。
タッチ、アウト。
ダイヤモンド1周は、あとちょっとのところで届きませんでした。
けど緒方は笑顔だったような気がします。
最後の打席、いまできることは全部出せたって感じで。
その瞬間、「終わった」っていう思い、ほっとしたのかも知れませんね。
試合のほうは、大竹が2安打スミ1完封勝利で10勝目!ナイスゲーム。
試合後、緒方の引退セレモニー。
1991年はリーグ優勝を果たした年。
ベンチ前。
23年間ありがとう
緒方の引退挨拶です。
・・・
冒頭の挨拶を一気にしゃべりました。
「気がつけばそのユニフォームが汚れなくなり、」
ぐっとくるじゃないですかここ(涙)
緒方といえば、私の中ではセンターの守備のシーンばかりが浮かんできます。
今の赤松もうまいけどね、緒方も負けないくらいうまかったんだぞ!
普通に捕って。
普通に捕れないときは飛んで捕って。
壁の上で、ホームランを捕ったこともありました。
広島にいって、試合に負けても、緒方のいいプレーが見れたから今日はいいや!
っていうのが何試合もあったよね。
勿論打つ方も。
守備と足の選手だったんですけど、あるときから20本30本の選手になって。
野村、前田、緒方、金本。
3割30本30盗塁できちゃいそうな選手が一時期に4人もいてな!
優勝に手は届かなかったけど、私世代が知ってる強かった頃のカープとはちょっと違ったけど、あの時のカープが私の学生時代と重なったことは本当に幸せでしたよ。
野村も前田も金本も2000本打ったけど、緒方は届きませんでした。
ケガなくやれたらいけてたんじゃないかなぁ。高卒野手だしね!
え、前田はでかいケガしてるのに打ったじゃんって?
・・・あの人は別格ですから!
赤松と天谷も、緒方や前田みたいな立派な外野手になって欲しい。
いいセレモニーでしたね。
球場は恒例、赤い紙が配られて、みんなでスタンドを真っ赤に染めて。
「私たちは忘れない 9」
挨拶の後、選手会長の倉から花束を贈呈。
続いて、前田が!
実は予想してなくて。
抱擁して肩を叩き合う緒方と前田。
・・・これは泣くってば(T□T)
またひとり私の中のヒーロー、スターが引退します。
もう前田だけだなぁ。
10代、20代の頃からめっちゃ応援してね、すっげー大活躍して!
胸を熱くしてグラウンド見て!
そういう自分より年上の選手って、もう前田くらいじゃん。
東出とかじゃもうこんなにぐっとは来ないと思う。
その後、奥さんのかなこさんと子どもたち。かなこさんは号泣でした;
胴上げ。背番号と同じ9回。
場内を一周。
ゆずだっけ?NHKのオリンピックのテーマの曲が流れてね。
「いくーつものー日々をこえてー」「栄光の架橋へと~」ってやつ。
この後、2日余ったんで観光して、今日の帰りの新幹線。
まぁ音楽聴きながら寝るじゃない。
名古屋過ぎたあたりでこれがたまたまきてね。
乗車率100%の車内も、名古屋を過ぎるとだいたいガランとしてきます。
で、2日前のこの日のこと、自分も緒方も若かった頃のいろんなシーン、そのときのみんなとの楽しかった思い出とかがね、なーんか続々と思い出されてきて。
東京へ向かう車窓の夜景、いつもひとりで。帰りはこの景色なわけじゃない。
その日は実感わかなかったんですが、この時は参りました。なんか寂しくて。
この曲は五輪の体操の「シンシンのなんとかは栄光への架橋だ!」の曲だったのですが、今日から「緒方の曲」になったのでよろしくw
記念撮影。
23年間か。
長いんだけど、過ぎてみるとあっという間のような感じがしますよね。
本当にお疲れさまでした&ありがとう。
あ、マーティもお疲れさま!!
監督のことも忘れません。着実にカープを強くしてくれたと思ってるから!
楽しかったしね。
私たち「も」忘れない だって。5位だぞ!忘れんなよ!!
新球場元年はこれでお終い。
また来年。勇気と元気をもらいにまたきます。
じゃっ!