未来を拾いに

aikoのことしか頭にないひとのブログ

私はこうして世界一の美女をつくる

2008-09-23 03:18:28 | 雑記

月曜日のNHKスペシャル。今回は異色でした。

「世界一の美女を決める」というミス・ユニバースに、それぞれの国の代表を選考し、送り出す仕事をしているディレクターさんたちの話です。代表に選ばれた人と二人三脚で、それぞれが自らの信じるところの「女性の美」を追求していきます。世界一の栄冠を勝ち取るために。そして最後に問いかける。いかがでしたでしょうか。果たして「女性の美」って何なんでしょうかね?と。

そういう内容でした。 

実は、NHKスペシャルは全部録画してるのですが、見るか否かは選択しています。今回はタイトルと最初の30秒見て、一瞬パスしようかなとも思ったのですが、冒頭さわりの部分で、主役である日本代表ディレクターのイネスさんと、ライバルであるベネズエラ代表ディレクター「美の皇帝」の異名をとるオスメルさんの対比が面白くて。 

イネスさんは、単なる見た目の美しさを求めません。内面を重視します。自分の意見をしっかり持ち、内面に宿る自信が美しさとなって表れるのだと。 

「日本の女性たちはみんな美しい顔立ちや長い足を欲しがります。でもそれは男性から見た女性の美です。私はそれを美しいとは思いません。日本の女性は、サムライのような内面の強さを持っています。その個性を引き出せば、もっと美しくなれます」。 

一方のベネズエラ代表ディレクター。 

「内面の美しさなど存在しません。世界大会で優勝するために必要なのは第一に見た目のインパクトです」。 

面白そうじゃんね! 


イネスさん快調に続きますよ。 

「日本では完璧な肌、顔、ぱっちりとした目でなければならないというふうに女性が追い詰められていると思います。雑誌やテレビに影響されすぎです。とても悲しいことです。あるがままの自分を受け入れ、努力して、なにかユニークな点を伸ばしていくべきなのです」。 

・・・まぁそういう人もいるし、そうでない人もいっぱいいるんですけどね。「全体として」みたらそう見えるのかも。ちなみにイネスさんはフランス人です。指導はキビシイ。そりゃもう怖いくらいに。自分の価値観に絶対の自信を持ち、こだわり、揺らぐところが全くありません。

そんなイネスさんが代表に選んだ人、「ヒロコさん」と呼びましょうか。めちゃスタイルがいいとか、特別顔が整ってるとか、そういうことはありません。まぁ良いんですけどね。「5年後の自分」という小論文を書かせて、唯一「世界一後の自分」を想定したのがポイントになったんだそうで。 

で、その論文みたイネスさん。良く書いたけど、ひとつだけダメなところがあると。「こんな紙じゃダメよ。きちんと端を切って、香水を振ったりして」・・・左端に穴が並んでいるルーズリーフをちぎった紙に書いてたんですね。 

「頭を使ってプレゼンテーションしなさい。人生なんでもそうよ」 

そうだと思います勉強になりますm(_ _)m 
何でもプレゼンテーションです。世の中そういうもんで判断されるんですよね。そこに疑問を持ったらいけませんぞ。そういうもんなのです。そういうもんの中でベストを尽くすべき。 

イネスさん更に快調に続く! 

「私は完璧な美しさにはこだわりません。私を含めて、世の中の女性のほとんどは完璧じゃないんです。私は新しい美の価値観を作りたいのです。ごく普通の女性でも、自分の個性に自信を持つことで美しさは花開きます。誰もが恋に落ちてしまうような女性になれるのです」。 


ここでライバル登場。ベネズエラ代表ディレクター「美の皇帝」オスメルさん。数ある世界のミスコンテンストを総なめにしてきた男。 

ベネズエラのミス・ユニバースのテレビ視聴率は75%だそうですよ。ブラジルの少年たちがサッカー選手に憧れるように、ベネズエラの少女たちはミス・ユニバースの代表に憧れるんだそうです。 

オスメルさんは、「特別な女性でなければ世界は狙えない」というのが持論。ヨーロッパの第一線でモデルをやっているベネズエラ女性をスカウトしました。徹底的に外見の美にこだわります。 

「私は完璧な女性を作るために整形手術もためらいません。なぜなら、これはナチュラル・ビューティ・コンテストではないからです。女性が生まれつき持っている自然のままの姿を評価するのではありません。ミケランジェロの彫刻、『ピエタ』をご存知ですか?『ピエタ』はとても美しい。人間が作った完璧な芸術です。しかし、もとは、ただの石だったのです(にやり)」。 

きてるよきてるよ。オスメルさんも、自分の方向に絶対の自信を持っていることが伺えます。 


プエルトリコ代表ディレクターも登場しました。マガリさん。プエルトリコ代表はキックボクシングで健康的な体を作っていました。 

マガリさんが追求するのは、慈しみの心を持った女性だそうで。マガリさんは毎年プエルトリコ代表を病院や障害者の施設を頻繁に慰問するそうです。 

番組では、生まれながらにHIVに感染した子どもの施設を慰問している様子が紹介されていました。 

「病気の子や障害者に寄り添う、慈しみの心を持つ人は、それが表情に出ます。遠くから手を握るのではなく、抱き寄せてキスをする。そういう女性は心が純粋だと判るでしょう?これが私の求める美しさです。それは、彼女の人生にとって、大切なことです。ミス・ユニバースになっても、なれなくても、生涯残るものなのですから」 

仰るとおり、プエルトリコ代表の方は、とっても素敵な表情をしてました。 


イネスさんと日本代表のヒロコさんの二人三脚続きます。 

ヒロコさんの課題は「エレガントさ」を表現すること。ヒロコさんは、陸上競技の選手で、ボーイッシュな方なんです。で、そういう自分らしさ失わずに、しかもエレガントさに自信を持って表現するってどうすればいいんだ・・・と。 

イネスさんはヒロコさんのライバル心をくすぐるため、韓国代表の人を呼んで、一緒に指導していました。韓国代表の人が実にエレガントなんですよこれが。で、悩むヒロコさんなわけだ。 

「ヒロコは自分を美しいと思っていません。『私より背が高い。私より綺麗』とすぐ他人と比較してしまう。それが彼女の問題であり、日本の多くの女性にもいえることです。互いを比べあってばかりで、個性的であるということの素晴らしさを理解していないのです」 

悩むヒロコさんに、イネスさんと先輩日本代表(?)がアドバイス。 

エレガントというのは、ビューティ・クイーンじゃないんだぞと。どうすればエレガントになれるか。「『私はパーフェクト』というのを押し出すんじゃなく、気持ちに余裕を持つの」 

have a rerax mind. 

自分に自信を持っていれば心に余裕が生まれて、表情や態度ににじみ出るのかも、と解説されてましたよ。 

「あなたに似合わないことはしないでいいのよ。自分らしいエレガントさを見つけて欲しいの。あなたらしさを出すようにね。いつもヒロコがヒロコ自身でいれば、みんながあなたを大好きになるはずよ」 

いいこというじゃないですか。 

普段着でない完璧な自分を出そうとしてうまくやろうとするとかえってダメなんですよね。緊張もするし。 

自信と余裕を持ってナチュラルにいろと。自分らしいっていうのは無理せずに普通にやれば自然に自分らしくなるだろうと。そういうのが美しくてエレガント(?)なんだぞ!ということだろうなと理解。

これもよく言われますよね。仕事でもスポーツでもその他いろんなシーンで役に立つ心構えだろうな。私なんか特に余裕がないですからねぇ。なにかと自分の至らないところを気にしまくって汲々としてるというか。 


今年のミス・ユニバースの結果。 

優勝は、オスメルさんとベネズエラ代表。イネスさんと日本のヒロコさんはベスト15に残りましたが、ベスト10には残れず。マガリさんとプエルトリコ代表は最初の60人→15人に残れず。 

という結果が紹介されました。 


まぁそこは番組の主題にはそんなに関係ないのでおくとして。ヒロコさんはまた一段と成長した自分を発見したんでしょうね。自信を取り戻して、とっても生き生きとした様子でした。 

イネスさん。 

「ヒロコは日本に戻ったら若い女性たちのお手本になってくれるでしょう。以前の彼女は自信をもてない女性でした。普通の女の子がなぜあんなに輝くことができたのか、みんなヒロコの体験を聞きたくなるでしょう。それが、日本の女性たちへのメッセージになることが私の願いです」 

だって。 

容姿、振る舞い、自信。あなたはどの美しさで自分を輝かせますか? 

で締められておりました。 


ではそれなんのため?男にもてるため? 

ここまでこの番組見てきたらそれは愚問ですぞ。人生を楽しく輝かせるためですねー 

なにも女性に限った話ではないっす。 

例え根拠のない自信でもないよりゃあった方がいいわいね。そりゃ根拠あった方がいいに決まってるけどさ。そういう気分でもいいから、いつも自信持って明るくしてりゃ何もかも良い方向に回りだすもんだと思っていようと思いました。 

いつもながらさすがはNHKスペシャル。とっても感銘を受けた番組でした。