未来を拾いに

aikoのことしか頭にないひとのブログ

国宝 東京国立博物館のすべて

2022-11-27 02:46:20 | 雑記

東京国立博物館創立150年記念の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」にいってきました!
東京国立博物館所蔵の国宝、全89件をすべて展示します!という特別展です。

東博のこういう国宝展にいくのは2014年の「日本国宝展」以来。
そのときは日本全国から東京にかき集められた国宝、約120件が展示されたんだ!
すごかったーすごかったよーー(´Д`)

そのときの記事がこちらです

https://blog.goo.ne.jp/onioni2004/e/70ae3f8481593a0bdf069a0985c7d2cc

 

当時の自分にしてはよいことを書いているので、今回もまた書いておく。

私は歴史が大好きで。特に日本史が好きなんですね。 

「知るは楽しみなりと申しまして、知識をたくさん持つことは、人生を楽しくしてくれるものでございます」 

1980年代の日曜日の夜、大河ドラマの前にNHKで放送されていた「クイズ面白ゼミナール」というクイズ番組の冒頭、司会の鈴木健二アナウンサーが言ってたお約束の決まり文句です。 

これはその通りで、歴史を感じる機会は、テレビドラマ、小説、映画、旅行、こういう博物館などなどいろいろなところであるわけですが、その博物館や旅行先で、同じ景色、同じものを見ていても、バックボーンにそれなりの知識があるのとないのとでは、感動の大きさや質が大きく違ってくるのです! 

そういうことがあるので、オタクやマニアは日々研鑽しなければいけないわけです! それは歴史も一緒なわけだ。
まぁけど「好き」ってそういうことですよね。

 

「日本国宝展」のときは、都合のいいときにフラリと行って当日券チケットで観れたので、今回も同じようなものだろうと思って油断していたら、なんとオンラインの前売りチケットを買わないと入れないという。
そしてそのチケットが大人気で既に完売。次回は「11月15日午前10:00~販売開始」というので、だいたいその時刻にいってみたら、なんと数分で完売したとか。

これは完全に油断だったよー。
どうやら、アニメだかゲームだかで大人気の刀剣がずらり展示されるというので、そっち方面のオタクたちに大人気らしいのと、そこに目をつけた高額転売ヤーが買い占めて、チケットサイトにたくさん出品されているようなのね。

2000円なのが8000円とか9000円で売られている。
売れなかったら簡単にキャンセルできるっぽいので、転売屋たちにとってはノーリスクハイリターンの美味しい商売というわけだ。

これむかつくよねー

転売屋と転売屋に機会を提供しているメルカリとかチケ流とかまじで滅んでほしい。
いい加減法律を整備して、違反したら刑事罰を適用できるようにすべきじゃないの。もちろん売る方だが、買う方もだ。


ということで、チケットはキャンセル待ちを狙う。
公式のチケットサイトは「完売」なんだけど、ポチポチリロードしてるとたまにキャンセルされたチケットが出て買えるようになる瞬間があるのね。
その瞬間に売れてしまうのですごく早い者勝ちであるわけだが、すごく早く買えば買えるのです。
aikoのライブチケットのチケットぴあのリセールと同じ要領だ。

もちろん日時は選択権がないので、出たのを買いにいく・・ということでなんとか手にいれたのが金曜日の17:30入場のチケットでした。

それでも買えてよかったよ!


到着。
国宝展のチケットで通常の展示もみれますが、通常の展示は17:00閉店なので観ることはできず。
まぁ何度もみたからそっちはいいや(「150年後の未来の国宝展」は気になったが・・)


ここから先は展示順に。印象に残った名品逸品の感想を。写真撮影は禁止なので、画像はネットからの拾いものです。


第1部 東京国立博物館の国宝
―絵画―

■檜図屏風(安土桃山時代 天正18年・1590年)狩野永徳筆

第1部は東京国立博物館所蔵の国宝絵画。最初に目をひいたのがこちら。
もとは天正18年落成の八条宮邸の襖絵だったそう。そういう由来が明確に判明していることも重要なんですなぁ。
「真贋」っていうでしょ。お宝なんでも鑑定団でよくやってる「これは間違いなくホンモノです」(=怪しいがw

「八条宮」というのは、八条宮智仁(=としひと)親王。司馬遼太郎「豊臣家の人々」という小説に登場する。
豊臣秀吉は子がなかったので、その猶子になって、関白職の継承者とされたけど、その後に鶴松が生まれたので解約されたと。
それで「豊臣家の人々」なのですが、秀吉の死後、家康の世になってから、「秀吉の猶子だった」ことから皇位継承を反対されて天皇にもなれなかった、というようなお方です。
天正18年というと秀吉が天下統一を果たして絶頂にあった年。狩野永徳も超有名な絵師です。

なんかもうこれは全部そうなのですが、「名品」というだけあり美術品としての価値というかすばらしさはもちろんあるのでしょうが、そういうことよりも、そういう歴史が目の前にバーン!とあるのがすごい!と思ってしまいますよねぇ。

この調子で書いてると日が暮れてしまうのでサクサク進める。


■地獄草紙(平安時代 12世紀)

英語の案内は「Hell Scroll」。これは前回の「日本国宝展」でも観ることができた逸品。
平安時代、まだまだ仏教の教えが人々にとってリアルだった頃に描かれた絵です。
「現世でこういうような悪いことをすると地獄におちてこういう目にあうのだよ~」という、それはそれは恐ろしい絵巻物。

絵ってわかりやすいから、時代を超えて人に伝わりますね。地獄というのは怖いところだなあと。
昔のひとは現世で罪を犯して死んだらこういうところにいかされると本気で信じてたんだったらそりゃ拝みたくもなるかもなあ、という。 


■洛中洛外図屏風(舟木本)(江戸時代 17世紀)

この絵はとても人気があるようでひときわ人だかりができてた。まぁ昔の京都の街の様子を細かく描いた屏風絵です。
「洛中洛外図屏風」っていろいろあるんですよね。
米沢にいったときに米沢市上杉博物館で「洛中洛外図屏風(上杉本)」というのを観ることができた。
そちらは狩野永徳筆と言われておりこちらも国宝。それもまぁでかくて細かくていろいろ描いてあってすごかった。
こちらは江戸時代ということで、それよりももっと優しげな印象でした。


展示期間の都合で、長谷川等伯の「松林図屏風」と、渡辺崋山の「鷹見泉石像」は観ることができず。
これは残念でしたが、どちらも通常の展示で観たことがあるし、またいつか。

 


―書跡―

書跡は、文字ですね。
「三蹟」っていって、まぁ、「日本でとても文字を書くのが上手だった3人」っていうような人が3人いるのですがご存じでしょうか。こういう「三○」はテストに出やすい(もうテストはしないのでクイズに出やすい)

小野道風・藤原佐理・藤原行成の3人です。このうちの道風と行成の書が展示されてました。

「字がめちゃめちゃうまい」っていうわけですが、まぁあんまりその「うまさ」は正直わからずw
観る人がみたら「うおおおおおおおおおおちょううめええええええええええええ」ってなるのでしょうか?

印象に残ったはそうですねここらへんか。

■古今和歌集(元永本)(平安時代 12世紀)


古今和歌集というのは、「最古の勅撰和歌集」です。こういう「最古の」とかもテストやクイズに出やすい。
醍醐天皇の勅命で編纂されたもので、撰者は紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の4人。
こういうのも全部テストやクイズに出る。勉強はたいへんですねぇ

その「元永本」。完本として現存する最古とされる書物です!
「元永三年七月二十七日」の奥書を持つので「元永本」だ。
元永三年というのは1120年。平安時代ですね。白河帝の御世。清盛が生まれた頃あたり。

これもですね、ただの古い本ではない。「国宝」だ!
「そういう時代に昔の偉い誰かが書いたモノ」っていうのが目の前に~!っていうのがロマンなのですよ(´Д`)

 

■延喜式(平安時代 11世紀)


九条家に伝わっていたので「九条家本」といわれる延喜式。ものすごくざっくりいうと平安時代の法典だ。
いまでいうと、六法全書の1ページみたいなものでしょうか。

紙は貴重品だったので、行政の役人が裏紙に小さな文字でいろいろ書いてるというね。
これもね、1000年以上も前の文字が現代人の自分にも読めてしまうのがすごいとおもう。
漢字、平仮名というのは本当に偉大だ・・

こういうのを読んで研究する歴史学者というのもおもしろそうな職業だなぁと思いますよ。
まぁ食っていければ・・というのがあるけど、子どもの頃に夢見たなりたい職業のひとつだったよ。

 


―東洋絵画―
―東洋書跡―
こちらは日本ではなく東洋、まぁ中国の王朝とか朝鮮半島の文物の国宝がずらり。
日本ではないので興味はやや低め気味・・
まぁでも唐の時代とかに日本に伝わった古い古い絵画や古文書なので、その頃の時代の人によって書かれて、扱われて、いまここにあるんだなぁとおもうとロマンです。


―法隆寺献納宝物―
法隆寺は「日本最古の木造建築物」です。7世紀や!法隆寺なので聖徳太子にまつわる品々とかが展示。

■竜首水瓶(飛鳥時代 7世紀)

文化庁の「文化遺産オンライン」では、
「意匠にすぐれ、技法も精妙をきわめ、かつその形姿も秀でて、まさに水瓶中の王者といいうる傑作である。」とあります。

そんなにすごいものが!(°д°)

っておもわざるを得ない(正直そんなにすごさがわからないが・・)


―考古―
ここのコーナーは印象に残る展示物が多かったなぁ。そのうちの2つを紹介しましょう。


■扁平紐式銅鐸(弥生時代 前2~前1世紀)


まったく同じ絵画を持つ銅鐸が別にあり、前回の「日本国宝展」ではそちらが展示されていました(兵庫県桜ヶ丘4・6号銅鐸)。
この銅鐸はそれとは違う銅鐸。ですが、絵が同じなのよ!教科書でおなじみの、弥生人の生活風景が伝わってくるような絵ね。

 

鹿を矢で狩ろうとしている絵とか、稲を臼と杵で叩いて脱穀してる絵とか、倉庫に収穫物をしまっている絵とか!

これもね、ラスコーやアルタミラの洞窟壁画と同じですよ!
その当時の人たちがどんな生活をしていたかが描かれていて、いまに伝わっているという(´Д`)
それが目の前に!!

あーすごいーすごいよーーー(´Д`)
もはや言葉もありません・・


■埴輪 挂甲の武人(古墳時代 6世紀)

群馬県太田市飯塚町出土。
その周辺ではこのような武人埴輪が数体出土していることから、このあたりに埴輪づくりのプロ集団がいたのではないか、と言われている、そうです。

これは超有名ですよねー。大魔神!おーいはに丸!
これはすぐれた工芸品ですよ!っていうようなすごさがなんとなくわかる。見事な泥人形だ。

こういうのもね、その当時の人の衣装はこんな感じだったんですよ!というのを
(作ったひとはそういう意図はなかったんだろうけど)今に伝えるものです。

あーすごいーすごいよーーー(´Д`)

―漆工―
■八橋蒔絵螺鈿硯箱(江戸時代 18世紀)


かの有名な尾形光琳作のキレイな箱。展示期間が前半であれば本阿弥光悦作のものが見られたらしい。
こういうのを観てると尾張徳川家の家宝を集めた徳川美術館にも1度はいかねば・・とおもう。
名古屋は何度も行っているが、徳川美術館はまだ行ったことないんですよねぇなぜか・・


―刀剣―
観るひとによってはこのコーナーが目玉の主役!といったところかも知れません。
ずらりと並んだ国宝の名刀は圧巻というほかなし!

なかでも印象に残ったのは次の3点。

■三日月宗近(平安時代)
■童子切安綱(平安時代)
■大包平(平安時代)

「刀剣乱舞」という、これらをイケメンに擬人化したキャラが活躍するゲームが歴女に大ブームなんだそうです。
それでなくても、「信長の野望」とかをやっていると、これらが宝物として登場する。
茶器とか名馬とかと一緒で、敵対する大名に贈答すると外交がうまくいったりするアイテムだ。

それくらい有名ってことや!

ホンモノをみるのはたぶん初めてではないのですが、こうして一堂に会する感じで展示されるのを見るのは初めて。
いやー見るからにめっちゃスパっと切れそうでした・・

幕末の撃剣劇とかみてると、日本刀ってもっと大きくて長いイメージがあるのですが、これらは意外と細身で短いんですね。「平安時代」というのは武士が台頭する時代、実際に人を斬るために作られたものではないのやも・・
と思ったりもする。

すごかったのが、これらを所有した者のネームバリュー。
三日月宗近は高台院(秀吉の正室北政所ねね)から2代将軍秀忠に渡ったことは記録などから明確だそうです。
大包平は備州岡山藩主池田家。まさに「伝家の宝刀」だ。

いずれも「天下五剣」に数えられ、童子切安綱と大包平は「日本刀の東西の両横綱」とも称されるとのこと。
そのホンモノが目の前に!

いやーすごいーすごいよーーー(´Д`)

三日月宗近は、その名前の由来となった「三日月」の刃紋がそれはそれは美しく・・
なんていうの、三日月みたいなちっこい模様がうっすらとたくさん並んでるのです!

このコーナーはやっぱり人気みたいで、たくさん人だかりができてた。


…というところで「国宝」コーナーの第1部はここまで。
ここから先は「東京国立博物館の150年」をテーマにした展示になります。こっちはそんなに緊張せずに観れたかな。


第2部 東京国立博物館の150年
こちらはそんなに文字数をかけずに行きたいと思います。

東京国立博物館が誕生してから現代にいたるまでの歴史を振り返り、そして未来へ・・という内容の展示。
初代館長町田久成の筆による博物館の扁額とかね。
いまの本館の建物は、関東大震災で焼失した初代から建て替えた2代目にあたるそうで。その初代の建物の遺物とか。
そして博物館は皇室のものとなり、戦後「国立博物館」となっていきましたと。

こちらで印象に残った展示をいくつか。

■陣羽織


「伝小早川秀秋所用」。関ケ原で寝返って東軍大勝利に導いたと伝わる小早川秀秋です。
関ケ原を扱ったドラマによく、この陣羽織を着た小早川秀秋が描かれますね。
家康が「小僧め!なにを迷うておる!さっさと裏切りやがれ」ってんで松尾山に鉄砲を一斉射するわけですよ。
それにビビッて号令し「敵は目の前の大谷刑部少輔なり!」ってんで山を駆け下りてだな、大谷さんが「やはり裏切りおったかおのれえええ」

赤地で、鎌がクロスしている意匠のやつ!いかにも当世はやりの南蛮好みって感じのね。有名でしょ?

 

■一休和尚像


無精ひげの一休宗純の肖像画。すべてを見透かすような目・・
一休和尚の肖像画というとたいていこれが使われます。有名な絵だ。


■浮世絵 ポッピンを吹く娘


浮世絵版画なので、1点モノではないので、「国宝」というわけにはいきませんがこれも有名な絵。
浮世絵はいくつか展示されていて、前半の展示期間にはかの有名な北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」が展示されていたらしい。みれなくてざんねん。

前半のみ展示なのでみれなくてざんねんといえば尾形光琳の「風神雷神図屏風」もなんだよー
まじで前半にいくべきだった・・前半はまだ人気に火が付く前でチケットも買えたらしいし・・とすごく思った。

■遮光器土偶


これは有名なやつね!
片足がないから「国宝」に指定されない重要文化財の土偶だけど、一番有名な土偶はこれでしょう。
特別展じゃなくても常設展で展示されてるので、これが終わったら元の展示に戻るのかなあと思います。

 

■志野茶碗 銘振袖
「へうげもの」って漫画ご存じでしょうか。古田織部を主人公にしたお話。
茶器の名物に命を懸ける人たちの話だ。いかにもあれに出てきそうな茶碗。
これを観て「ニタァ」っとしてる古田佐助の顔が目に浮かぶような・・

さっき「信長の野望」の話をしましたが、九十九髪茄子とか、天下三大肩衝とか、平蜘蛛茶釜とかね、
平蜘蛛は松永弾正さんと一緒に爆発してしまったけど、そういうのを集めた展覧会とかあったらいきたい・・

国宝ではないけど、なんか観てると、なんともいえぬ味わいがわかるような気がするのよ・・


最後に、撮影可のレプリカ。

菱川師宣の「見返り美人図」ですね。これも前半だったらレプリカではなくホンモノが拝めたらしいー
ざんねん・・(´Д`)

 

っていう感じでした!

国宝グッズもいろいろあってね。
刀剣アニメキャラのコラボとか、Tシャツとか、国宝のミニチュアとか、ガチャガチャとかw
インスタントラーメンとか、国宝クッキーとか、土偶のぬいぐるみとか!

それも気になったがまぁそういうのを買いだすと置き場所が・・お土産にはいいかもだけど


次に国宝展があるのはいつかなぁ。また来れたらいいなぁと思います。

では、また。