ストレスによる身体への影響

2010-10-27 | はりきゅう
小学校5年生の女の子、突然、全身に蕁麻疹がでました。
とても「はり」が嫌い、しかも私も右腕を毛虫に刺されて肘から指先まで二倍に腫れ上がり、とても治療ができない状態…
結局、皮膚科で薬を処方してもらい、3日で治まりました。その時の皮膚科の先生によると
「この年まで一度も蕁麻疹が出たことがないのであれば、食べ物などのアレルギー性は考えにくい。」とのこと。
体調はどうだったかと尋ねられ、ふと思ったのが飼い猫の死によるショック。


思い浮かんだのはハンス・セリエの「ストレス学説」です。
ストレスを受けると身体はストレスに適応して恒常性を維持するために、一定の順序で変化していくという学説です。
それは「警告反応期」「抵抗期」「疲憊期」3つの時期に分けられます。
「警告反応期」はさらに「ショック相」と「反ショック相」に分けられます。
:::ショック相では、ストレッサーのショックを受けている時期であり、自律神経のバランスが崩れて、筋弛緩・血圧低下・体温低下・血液濃度の上昇・副腎皮質の縮小などの現象が見られ外部環境への適応ができていない状態と言える。…wikipediaより:::
つまり、腎皮質の縮小により副腎皮質ホルモンの分泌が低下した??
腎皮質ホルモンといえば、糖質コルチコイドである、いわゆるステロイドです。
糖質コルチコイドの作用のひとつである「抗炎症・抗アレルギー作用」の働きが衰えたので蕁麻疹を発症したと考えました。

となると、長野式治療でできることは「副腎処置」。
「副腎処置」とは腎経の2つのツボを補い弱った副腎を活性化する処置です。
それと、皮膚疾患一般に使われる「肩髃」「築賓」。
長野先生の本には「築賓」は解毒作用があり、また、副腎皮質ホルモンの分泌を高めるツボと書いてあります。
外からステロイドを塗らなくても自前のステロイドで治してもらいます。
あともう一つ、自律神経のバランスも整える処置も加えればストレスによる蕁麻疹も原因治療ができます。
いや、この場合、原因は愛猫の死だから…そのショックに耐えれる身体になるお手伝いができます。

ただ、ストレスが長期に渡る場合、副腎は逆に肥大し正常の状態に戻ろうとするのですが、さらにストレスにさらされると「抵抗期」「疲憊期」と移行して行き最終的には適応の反応を維持できなくなり衰弱してしまいます。

鍼灸治療でストレスに耐えれる身体になるお手伝いはできますが、やはりストレスになるものをいかに解決していくかがもっと大事ですね。

ちなみに私の腫れ上がった右腕も「築賓」「肩髃」の鍼でみるみる引いていきました。