イスラエルが包囲してから二か月半のガザ北部の現状がわずかに明らかになった。
二か月半ぶりに、国連の水や食料を積んだトラック9台がガザ北部に到着したという。どれくらいのパレスチナ人がガザ北部でイスラエル軍の包囲に閉じ込められているかはわからない。わかったことは、二か月半ぶりにトラック9代の水と食料が届いたことだ。その量が焼け石に水なのか否かは不明だ。
イスラエルのこれまでのやり方から、これ以上、水と食料を供給しなければ、ガザ北部の住民が全員餓死するから。その寸前でわずかばかりの水と食料を与えただけなのだ。個々は絶対に誤解してはならない。ガザ北部の住民が餓死寸前であることに変わりはないのだ。
バンクシーはパレスチナの青年の火炎瓶を花束に変えた。イスラエルは、水と食料を「パレスチナ人を殺す武器」に変えたのだ。
支援団体の食料配給の列に並んだパレスチナ人の女性が慈善事業での食料配給がなかったら、状況は耐え難いものになっていたと話している。
私の友人の、ガザ市に住み今はハンユニス近郊に避難している息子たちの話を聞いた。避難地域では、慈善団体が炊き出しを行っている。食料搬入が止められ、国連の支援物資もわずかしか届かない現状でも。慈善活動として炊き出しが行われている。
私はこの事実に感動した。勿論炊き出しに取り組んでいるのは海外の支援団体員ではなく、ガザの人々なのだ。この窮状の中でも、ガザの人々はお互いに助け合って生き抜いている。
いったいどこから材料を仕入れてくるのだろうかと聞けば、市場には食料はわずかだが並んでいる。ただ、とてつもなく値段が高いのだ。それは強盗やハマスがイスラエルの掌で支援物資を強奪し、それが市場に回ってくるのだ。とてつもなく高い値段で。
この炊き出しにかかわっている人たちは、お金があれば市場から材料を購入し、数百人分の炊き出しもできるという。問題はお金がないのだ。炊き出しをする人や道具はあるが、材料を購入するお金がないのだ。
実はこのガザの人たちにお金を届けることが至難の技なのだ。実際にパレスチナ・ガザ地区への送金を試みてみるとわかる。針の穴に糸を通すことより難しい。国連などの国際的な支援組織でも同じことなのだ。かつて、ハマスの役人の給料をハマスの幹部が外国から鞄に詰めてガザに持ち込んでいたニュースを覚えておられるかもしれない。国際的送金はイスラエルが厳重に管理しているので、ガザ行政府の給料さえも現金で持ち込む以外になかった。今回の攻撃の開始前の話である。今回の攻撃が始まってからのガザへの送金が困難であることは想像がつく。出し合うべき知恵はガザに現金を届けることである。現金が届けば炊き出しはできるのだ。ぜひとも知恵を貸してほしい。今必要なのは停戦の成立とガザへの送金方法ではないのか。
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