2007.9.10 1日雨の予報です
開放感のある高い天井と吹抜けには誰もが憧れを持ちます。
しかし、良いことばかりではありません。
吹抜けは、2階部分の床面積を犠牲にし、1階部分の延長と考えなければなりません。
当然、2階の床面積は少なくなってしまう訳で、敷地面積に対し必要な居室数を確保することを考えれば、極狭地や多人数家族の条件には当てはめることは出来ないことになります。また、敷地の条件をクリアーしたとしても、同じL.D.K+居室数で考えれば吹抜けのある方がコスト高になります。
勾配天井は、上階がなく屋根になっていることが条件になります。
当たり前のことですが、平屋建て、一部平屋、2階または3階などの最上階で無ければなりません。また、吹抜けの天井が勾配天井と言うことも可能です。
問題は、断熱方法にあり(前回の「屋根断熱・天井断熱」を参考)屋根断熱は施工方法により断熱効果がかなり変わってしまいます。
特にロフトを設置した場合、勾配天井の断熱がいい加減だと夏はそこにいることが出来ないくらい暑くなってしまい、天井断熱と同レベルの室内条件にするにはやはりコスト高になってしまいます。
吹抜け、勾配天井にした場合、高さのある空間には当然温度差が生まれ、冬の暖房時には暖かい空気は上部にたまります。
よく1階がなかなか暖まらず暖房を強くすると2階が暑くなってしまう、とよく聞きます。
逆に夏は2階で冷房してもなかなか効かず、特にロフトはその傾向が強く表れます。
新築住宅を考えたとき、両方のメリット・デメリットを考え、設計者と十分に話をしてから決めて下さい。
ちなみに、Y邸は3世帯6人家族、容積率制限などで階段ホールのみ吹き抜けになりました。
もう少し大きな吹抜けであっても家全体の温度差を少なくできる工法ですが、諸条件からの判断になりました。
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