兄 孝之の事

私の盛岡の一人きりの兄、孝之が１０月１８日に亡くなりました。

兄は病気知らずだったので、よほど体調が悪くならない限り、
病院には行かない人でした。
それが災いしたのか、８月にガンが発覚し、
すでに手遅れで、わずか２ヶ月で逝ってしまいました。

入院中の益子さんぽ市から、つくばスローマーケットまで、
嫌な連絡がこなければいいなあと思っていましたが、
とうとう１８日の朝に連絡が来てしまいました。

急いで、盛岡へ帰省したのですが、その為、
１０月２０日に、演奏予定していた
「結城酒造　被災地復興ライブ　酒蔵コンサート」は、
キャンセルさせていただきました。

関係者のみなさんには、急なキャンセルで大変ご迷惑をお掛けしてしまい
申し訳ありませんでした。

私と兄は３歳違いで、同じ音楽好き。
高校生の頃は、兄がドラム、私がギター、ｖｏ吉田ユーシン　ｂ小塚道宏
（前期はｇｒ＆ｖｏ　中島寿郎）で市内でよく演奏していました。
ラジオやテレビにも一緒に出て楽しかった。

バンド名は盛岡という事で「ウッドヒル」
曲は、オリジナル中心でテンイヤーズアフターやフリーみたいな
ブリテッシュブルースロック的なものでした。
女の子には全然人気なかったけど、
いつか東京へ行ってプロになろうなんて思っていた頃なので
ただただ一生懸命で楽しかった。

兄が東京でやるなら、いいギターが必要だと言って、
自分のアルバイト代からフェンダーを買うお金を
私にくれた。弟想いのやさしい兄でした。
今もそのギターを側に置いて練習しています。

結局、私はプロミュージシャンにはなれず陶芸家になりましたが、
ウッドヒルからは、ポリドールからＢ・Ｄバッジ「アニマル白書」でデビューした
中島寿郎（現在もＢ・Ｄバッジ活動中）君、
ホーナーハーモニカ世界チャンピオンになった
ハーピスト、吉田ユーシン（現在、仙台で活動中）君が、
プロとして今も活動しているので、よい人材がいたバンドだったと思います。

盛岡に帰れば、いつも兄は楽器の話をしていましたが、
もうそれも叶いません。
寂しいですが、盛岡には母独りになってしまったので
これからは、兄の分までがんばらなきゃと思います。

さよなら兄貴。



小岩井牧場のヤマハ主催野外ライブでのウッドヒル　１９７２年