シロナガスクジラはヒゲクジラの仲間ですから歯で物を噛んで硬いものを食べるのでなく、ヒゲで海水の中のプランクトン、主にオキアミを漉しとって食べます。オキアミは人間も佃煮のようにしてご飯に乗せて食べる、あの小さなエビの仲間です。ご飯に乗せられるのは体長5mm程度ですが、60mm程度まで成長すると言うことなのでクジラの餌になるのは50mm程度としておきましょうか。タバコ1本より少し短い長さです。
あの大きなクジラはあの小さなオキアミを「どのように認識」しているのでしょうか。
クジラの体長は 25m。
人間の体長は 1.7m でクジラの約1/15です。
クジラの餌のオキアミの体長は 50mm。
1/15にしてみると 3.3mm となり、人間にとってのご飯粒と同程度と言うことになります。
そうするとシロナガスクジラはオキアミを人間から見たご飯粒のように認識している可能性があります。人間はご飯粒を1個1個で食べず、お箸で何十粒かをまとめて口に入れます。シロナガスクジラもオキアミを1匹づつ食べず、まとめて口に入れます。食べ方からすれば似ていますね。
実は、オキアミがご飯粒程度に相当すると言うのはかなり意外な事です。こうやってちゃんと比較してみないとわからないもので、クジラのスケールからオキアミ(の群)は海に漂うミルクのようなものじゃないかと思っていました。身体の大きさが違い過ぎてオキアミを1匹づつ認識する事はなくて、美味しい味のする海水の一部のように認識するのかと。これがご飯粒程度だとなれば全然話は違って、タピオカ入りミルクティーの中を泳ぐみたいな感じかも知れません。
ここまで考えてまた疑問です。
クジラは身体が大きいとは言え、クジラの細胞1個1個の大きさは人間とそう変わらないはずです。ただ一つのパーツに使われている細胞の数が多いから大きいだけで。
と言う事はクジラの目の解像度もそれほど人間と変わらないでしょう。ならば、その目には人間が見るのとそう変わらない海の中の世界を見えているのでしょうか。
海の生物が出てくるアニメーション映画、ニモ、シャークテイル、リトルマーメイドなどでは大きなクジラも小さなヤドカリも同じスケール感で生きているように描かれています。目の解像度から見たらそれが正しいのかも知れません。
しかし、もしそうだとすれば3mmの小エビは餌を取ることが出来ないのではないでしょうか?人間にとってのご飯粒は小エビにすると0.006mmつまり6μmにしかなりませんから、同じスケールで生きていては餌が食べられない事になります。
いったい大きな生物と小さな生物の世界の認識の仕方はどう違っているのでしょう?
クジラにとっての地球は人間にとっての地球よりも小さいのでしょうか、それとも同じなのでしょうか?
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