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もんく [とある南端港街の住人になった人]

企業の不正も政治も社会も全部「言い方」ショー

こんな事があって、その企業が自分に関係ある(あった)ところだと思うと「誰か知っている人出てくるかな?」みたいなまるで関係ない見方をしてしまう。
まあ、そのことはヨシとしよう。知ってる顔は無かったようなので。

ところで、こんな記事、いつも辟易。読んでいるみなさんは飽きない?

例えば「現場が上にモノを言えない・・・」判で押したようにこの定型句が出てくる。なんとなく納得してしまいそうなこの言い方。バックグラウンドには、日本では現場の声を上司や会社が聞くものというのがあり、現場には限られた範囲の仕事における熟練度の高い人がいるというのがある。そしてそこが上手く機能していることが会社や生産が上手くいくのと同義語のように考えられている。

それは本当に正しいのか? そして会社や工場を運営するための正しい、または良いシステムなのか? ここのところ、日本的で常識のように思われているがイメージだけで本当に知っている人は(中の人以外で)少ないだろう。

この広い世の中には、現場はただの作業員で安給料で命令されたことだけやっているという会社も山ほどある。何かの試験や開発などとても重要でその会社独特のノウハウであり特徴を作りだしているような仕事の現場でも派遣や一時的に雇われた人がやっている会社だってある。そういう会社は現場の声が上に届かないから不正だらけなのか? まさか。


他にも、大雪が降った時、トヨタは工場が止まった。その時、口を揃えてジャストインタイムの欠陥だと言われる。それを信じる人がけっこう多いと思うが、それは欠陥じゃなくて上手くやっている証拠だと言う人はほとんどいない。もし大雪で止まらないなら車の値段はもっとずっと高いはずだ。

ともかく、もっとちゃんと取材したマシな記事が読みたい。


ところで、この記事では「ノーテンキ」のような言い方で発言者を揶揄している。こうした記事の要点は実際のところその詳しい中身ではなくて、この「言い方」だ。内容は特に何でも構わない。読者が興味を持ちそうな項目を取り上げて「言い方」を読ませている。

このやり方はテレビのワイドショーなども同じだし、Youtubeのトーク系チャンネルも同じだし、Xでインプレッション稼ぎしているアカウントのポストも同じだ。何でも言い方を見せつけるためにやっている。強い主張があるでもなく、世の不正を正すために命をかけて斬り込むなんてことも全くない。「言い方」が先にあって中身は後で探してくる。それが経済的に最も効率の良いやり方なのだから。

時々面白いのがある。Youtubeを無料で観ていると広告が入る。広告と言っても割と著名な人がその人気を利用して何か主張するような、それがてら本を売るようなやつだ。これも「言い方」ビジネスで、言っていることが別のところで言った内容と平気で矛盾していたりする。内容は何でも構わないというのが良くわかるのだけれど、彼の信者はたぶんそれに気付けない。だって中身が問題じゃなくて「言い方」を聞いているだけだから。こういうのは実際よくある。

そういえば、もう一つ面白いと思うのがある。ある人が○○が正しくてXXが間違いと強く言っているトークがある。中身はまあ、その主張が正しいこともあるし、そうでないこともある。でも主張するには構わない。ただ、その人の主張と反対の立場の人たちをそこで平気で批判している。

おかしいと思わない?

反対の人たちにわかって欲しいという意図が無くて、自分と同じ主張の人たちだけに言って、何がしたいの? 反対の人たちにわかってもらう意図が無いなら言う意味はあるのだろうか? これも多くの人は気付けない「言い方」ショーだ。議論でも何でもない。内容が正しかろうとイイカゲンだろうとそれは単にショーなのだ。

落語の方が良いと思う。
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