もんく [とある南端港街の住人になった人]

定番、しょうゆさし

うちの醤油差し(しょうゆさし)がキッコーマンの醤油差しに戻った。
今、仮住まいなのでペットボトルで済ませていたのです。


子供の頃からキッコーマンの醤油差しはあったのでこれが普通かと思っていたらわざわざ他のを買う人もいるんですね。

新聞だったか雑誌だったかにコラムで「醤油メーカーの醤油差しなんか絶対にいやだ」と書いている人がいて、その人はわざわざいろいろ買って試したらしいのだけれど、どうしても醤油がビン本体に垂れないものが見つからなかったらしい。だから何処のメーカーでも良いから垂れない醤油差しを研究して作って欲しいとも書いていました。

で、その醤油メーカーの醤油差しではなぜいけないのでしょうね。もちろん外観のデザインを良いと思うか悪いと思うかは趣味の範疇の事だから「イヤ」と言うなら仕方ないんですが、でもキッコーマンの醤油差しだってちゃんとデザイナーさんがデザインしたものなんですよ。

GKデザインと言えばヤマハのバイクのデザインの会社ですよ。日本ではインダストリアルデザインと言えばGKの名前が絶対外せないという位のものです。だからってわけじゃないんだけれど、普通にテーブルの上に置かれて飽きないし垂れないし安定してるし、もう不朽の名作と言えるんじゃないでしょうか。


キッコーマンの醤油差しについて、この「垂れない」ってのはとっても肝ですね。

イタリーの自動車デザイナーにジョルジェット・ジュジャーロ(ジウジアーロとも言う)と言う人がいます。日本では自動車に限らずのデザイナーと言うとカッコだけ良くする職業を指すのですが、ジュジャーロ氏は機能部分まで設計してしまうのだそうです。氏の設計図面の一部がどこかの本に掲載されていましたがちゃんとした機械設計図面でありました。形が美しいばかりじゃなくて、使う物をデザイン(設計と言う意味がある)するのがインダストリアルデザインなのですね。

キッコーマンの醤油差しを作ったGKデザインの方々も醤油差しの機能を研究したと見えて絶対に垂れる事はありませんね。これが作られたのは1961年の事ですからもう40年以上前になります。東京オリンピックの前の事です。それから形を変えなくても多くの家庭で使い続けられたとは、かなりすごい事ですよ。テーブルの上に醤油差しの底の形が醤油のインクでプリントされたり、すぐに倒れてしまうようなデリケートな形のものだったらこうはいかなかったでしょう。

キッコーマンのしょうゆさし、日本の財産じゃないでしょうか。
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