タイトルを見て貰えたら解るんですがサバイバルには「3の法則」と言うものがあります。抑、ここで言うサバイバルと言うのは何かと言うと、「生存する事」です。
その人が生き残る為に厳格な法則があります。そのルールから外れてしまうと死のリスクが格段に跳ね上がってしまいます。また、この法則を知っていればその事態に居合わせた時、何をすべきか、事前に何を準備しておくべきか見えて来ると思います。
「人間は呼吸しなくては3分しか生きられない。」
これはこの後に出て来る全てに言える事ですが勿論、正確な数字ではありません。個人差がありますからね。概ねと言いますか一般論としての話であり、飛躍的に死のリスクが高まる時間とご理解頂けたらと思います。
まず、仮に人間が3分間呼吸出来ないとどうなるか、自分は医学に携わる人間ではありませんので余り専門的な事は言えませんが、まず、呼吸が出来ない状態が3分間続くと酸素欠乏に陥ります。その時点で意識が無くなる事が考えられます。そして酸素が行き渡らなくなった脳細胞は徐々に死滅していきます。
その後、直ぐに救助されて蘇生措置を受ければ生還の可能性はありますが、分単位で時間を追うごとに蘇生が難しくなり、奇跡的に生き延びたとしても身体に重大な障害を残すリスクが高くなります。とは言え、水難事故などを予測して常に酸素ボンベを常備しておく、と言うのは流石に現実的ではありませんが。
勿論、登山用などの簡易的な酸素ボンベなどは大きさがスプレー缶とほぼ一緒ですから持ち歩く事も可能かも知れません。また、夜間など暗闇の状態で水中に落ちるとパニックになってどちらが水面か解らなくなり逆に水底に潜って行ってしまったり、水中を行ったり来たりと言う事も有り得ます。体の力を抜けば肺に空気が入ってる状態ならばゆっくりとでも浮き上がる事が可能です。浮き上がる方向が水面と言う事は口から少量の空気を吐いても確認する事が出来ます。まずは落ち着いて3分以内に水面から顔を出す事を考えましょう。
「適正な体温が維持出来なければ3時間しか生きられない。」
これは暑い場所や寒い場所、両方に言える事です。人間の体温は概ね36℃です。この温度を維持出来なければ3時間程で人は死んでしまいます。冬山登山などで吹雪などに見舞われ凍死する方が後を断ちませんが、これはずっと歩き続けて体力が限界となりそこで力尽き低体温症で死に至る疲労凍死と言うものです。
また、怪我などで動けなくなってやはり、正常な体温が保てなくなり死に至るケースもあります。また、高山などでは夏場でも雨に降られたり、かいた汗をそのままにして衣服が濡れた状態が続いている時、そこで風にさらされると体温はどんどん低下してやはり低体温症に陥ります。
季節を問わず、濡れたままにしないと言う事が大切だと思います。夏場は38℃だとか下手をすると40℃超なんて時があります。そんな時も正常な体温が保てなくなり命を落とすケースがあります。熱中症や熱射病と呼ばれるもので体の水分が汗としてどんどん出てしまいますので体の水分が足りなくなります。症状が出てから水分を摂っても吸収までに時間が掛かり間に合わないと言う事もあります。
それでも飲まないよりは遥かにマシですが。水分の吸収を高めるにはまず、冷た過ぎない事です。冷たい物を一気に飲んでも胃の中で一度体温と同じ温度になるまで待たないと吸収しないので吸収する時間が圧倒的に遅くなります。
また、胃が温める事に体力を使うので疲労が激しくなります。そして冷たい飲み物は血管を収縮させるので血流も悪くなります。冷たい飲み物を一気に飲むと言うのはdead or aliveに於いては致命的なんです。素早く水分を吸収させる事に適した飲み物、それはやっぱりスポーツドリンクです。しかも常温。夏場なら30度以上はあるでしょうから吸収はその分早くなります。OS1の様な経口補水液も吸収の条件は同じです。
「人間は3日水分を摂らなければ生きられない。」
人間は成人で1日におよそ2リットルの水を必要とします。勿論、状況により上下はしますが、概ねこの量が必要となります。重さにして2kgですね。災害が起きて72時間を超えると生存率が急激に下がると言われています。つまり3日間を凌げば救助や支援など公助が得られますから生存の可能性は上がります。
しかし、3日間で6リットルですからね。水だけでも水6kg持って避難しないとならないって事ですよね。これはなかなか大変な事だと思います。他にも非常持ち出し品がある訳ですからね。恐らく10kg以上は背負って避難する事になると思います。確かに水の備蓄は多いに越した事はありません。
しかしそれは在宅被災者の話であり、避難所などに避難する人達は必要とする水の大半を他に求める事になると思います。しかし、水道管は破裂し下水道の汚水などと混ざり汚染されている可能性があるのでおいそれとは外の水は飲めません。
見た目や匂いが大丈夫なら煮沸して飲む、と言う事もありますが。携帯用の濾過装置も1個数千円で売ってるのであると便利かも知れません。これはストローの様に口にくわえて吸えば川の水や池の水、トイレの水も飲めると言うものです。また空のペットボトルなどに装着して上から汚れた水を入れて濾過された水がペットボトルに落ちると言う物もあります。また自作でも作れるので興味のある方は作ってみてはいかがでしょうか。但し、こちらは殺菌まではされないので濾過後、煮沸はした方が良いと思います。
「人間は食料なしでは3週間しか生きられない。」逆を言えば人間は食料なしでも3週間は生きられるって事です。何故なら人間は皮下脂肪として身体に生きる為に必要な物を備蓄しているからです。だからと言って肥満の方が良いって訳ではありません。
肥満は成人病リスクが高くなり他で生命の危険がありますし、食べなければ飢餓感は普通の人以上かも知れません。
何はともあれ、人間は食べなくても3週間は生存出来るのです。満腹とか考えず必要な栄養のみを摂取する事に努めれば持ち出し品の食料はかなり軽く出来ます。例えばカロリーメイトやエナジーバーなど嵩張らない物も入れておくと良いかも知れません。最近ではアルファ米や缶詰め、ヒートパックを使った非常食など沢山ありますがどれも美味しいですよね。
被災地などで心身が疲れ切った状態での温かい食事は本当に安心感が得られますね。また甘い物なんかも気分が落ち着くので飴やチョコレート、羊羹などあると凄く楽しみにもなります。発災後の72時間を生き抜く為に最低限+α程度、食料の必要量を算出してみましょう。
「おわりに」
生か死かの場面ではちょっとした判断ミスが生命を脅かす事になります。必ずこの方法を実行すれば生存出来ると言うものはありません。
状況はその時々で違いますし、変化する物だからです。サバイバル知識があるからと言って過信すると取り返しのつかない事にもなりかねません。
しかし技術や知識があれば生存の可能性が飛躍的に高まるのは間違いありません。後はその時の状況に応じた判断、決断力が物を言うと思います。慌てず考えて迅速に行動すれば良いと言う事です。
これは持論ですが、大切なのは想像する事だと思います。例えば今、この場で地震が起きたら、とか今、テロが起きたらと言う様な。その想像が普段から出来る事で準備すべき物や対処すべき事柄が見えて来ます。つまり自分の想像が事態の大きさを上回ったなら自分は必ず生還出来る。そう思っています。
地震、火事、水害、土砂災害などで避難経路は変わります。今、これが起きたら何処へどう逃げるのか。そんな想像も普段からしておくと良いと思います。
想像=シミュレーション。