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奈良珍道中~奈良町へ行くの巻3

2010年12月12日 00時31分43秒 | Weblog

あれから1年以上経って、もちいどの商店街を歩きながらあの洋品店を探していましたが、見当たりませんでした。

あの時何回も行き来しながら立ち寄った店はまだ殆ど健在でした。

せんと君のキャラクターショップに寄ってお土産を買い、前回塩昆布を買って帰り、すごく旨かった「魚万」さんにも立ち寄りました。

今日は天気もいいし、寒くないので先を急ぎました。

おでんやさんの「とうへんぼく」の前を通って広い通りに出ました。

前回寒さと雨のため拝観をあきらめた元興寺の通りです。

ここから先は奈良町になります。

来る前に雑誌で見た本葛を使って甘味を食べさせてくれる「佐久良」という店に行きたかったので、

ぐるぐると探し回り、やっと見つけたところ、中を覗くと小さなテーブルが一組あるだけで普通の民家のような座敷の上がり口が見えました。

二人とも朝から歩き回っていたので足も棒のようになっており、兎に角座りたかったのですが、連れはブーツをはいているので座敷に上るのが嫌らしく、躊躇していました。

結局ここには入らず、店の先の路地を左に曲がった所にある蕎麦屋さんのような入り口に、「CAFFE」と書いてある店に入りました。

中に入ると、土間のような所にテーブルが3組ほど置いてあり、あとは座敷になっている本当に蕎麦屋さんみたいな店でした。

私たちは入り口の近くのテーブルに座り、ほっと一息ついたところで店のオネーチャンがお茶を運んできました。

オネーチャンはひょろひょろっと細くて、蚊の鳴くようなけだるい声で「お茶しますかー?ごはんにしますかー?」と聞いてきました。

私は迷わず「お茶します。」というと、それ用のメニューを渡されました。

もうのどが渇いていたので、アイスコーヒーを2つ頼みました。

周りを見渡すと、座敷には老夫婦が一組とOL風の女の子が一人でごはんを食べていました。

そこへ学生風の女の子が一人で入ってきて、やはり座敷に上り、正座で何かを注文していました。

私は「ほぉー」とその所作に感心して見ていましたが、ごはんが来ると、きちんと正座したままもくもくと食べ始めました。

東京では絶対に見られない光景に、連れ合いと感心して見とれていました。

「さすが奈良だねえー。」

しばらくすると、5人の観光客らしい外人のグループがぞろぞろ入ってきました。

テーブルがすでに一杯だったのと、座敷に慣れていないのでしょうか、ちょっと躊躇していると、

お店のネーチャンがそそくさと寄ってきて、やおら英語ですらすらと案内し始めたのです。

先程の蚊の鳴くような声とは打って変わって、てきぱきと注文をとり始めたのです。

私たち二人は2度感心し、「さすが奈良だねぇー。」

だいぶ疲れも取れたところで、奈良町資料館に向かいました。

ここに来た目的は、「身代わり申」を買って帰ることでした。

前回奈良町を訪問したときに、「紅屋」さんの軒先に赤い布で作った丸いボールのようなものがいくつか連なって下がっているのを見て、

後で「これ何なんだろう?」と調べた所、厄除けのようなものだと知って今回は買って帰ろうと思い、調べたらこの奈良町資料館で売っていることが分かったのです。

 

中に入ると、いろいろな大きさの「身代わり申」があり、どれにしようかと迷っていましたが、

値段を見て少しびっくり。握りこぶしくらいの身代わり申が入った3連のが7500円でした。

最初はこの3連のをイメージしていたのですが、予定を変更して2500円のを1個買いました。

入り口の脇に御祈祷名簿というのが置いてあり、これに名前と住所と願い事などを記入すると、無料で祈祷してくれるそうです。

奈良町資料館を出て、前回歩き回った所を少し見てみようと、記憶をたどって歩き始めました。

そこには私たちにとってランドマークのような場所があったのです。

 

つづく


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