愚か者と黒猫

これは実話である。

19◯◯年◯◯◯◯で起こった。

生存者の希望で氏名は変えてあるが、死者への敬意を込め、その他は忠実に描いた。

(海外ドラマ「ファーゴ」冒頭の字幕スーパー風)

ある町に、美しい花が咲き乱れる花屋があった。

その花屋の店主であるジョンは、気さくで礼儀正しい青年で、近隣の人々から愛されていた。

彼はある日、伝説の殺し屋「黒猫」として裏の知られるアイリスに誘拐されてしまった。

美貌の持ち主でもあるアイリスはこの町のオズワルド議員の愛人だった。

対立候補の不正を暴露するためにジョンを誘拐したのだ。

だとするならばジョンはただの花屋の店主である自分がなぜ攫われることになったのかと最初は戸惑っていたが、自分がアイリスの雇い主の政敵であるジェフ議員の隠し子であると言う事を知らされる。

天涯孤独で辛い幼少期を送らなければなかった自分の境遇と、アイリスの情熱と人間性に触れるうちに、彼女の味方となることを決意した。

一方、ジェフ議員はジョンの誘拐を知り、すぐに警察に通報した。

町は騒然となり、ジョンの親友たちは彼を救出するために奔走した。

しかし、アイリスは警戒を強め、ジョンを取り巻く状況はますます危険なものとなっていった。

ジョンはアイリスと共に、ジェフ議員の不正を暴いた。

その結果、ジェフ議員は失脚し、アイリスは愛人のオズワルド議員に讃えられた。

次の日、町の路地裏でオズワルド議員の死体が発見された。

ニュースでは大事な部分を切り落とされ、出血によるものだと報道された。

犯人は特定されていないらしい。

ジョンは親を売ると言う自分の愚かな行いを悔いながら、花屋の店主という日々に戻って行った。

そして、ある日のこと。

ジョンはアイリスと再会した。

アイリスは笑顔でジョンに言った。

「結果として私はあなたを傷つけた。でも、あなたは私を助けてくれた。ありがとう、ジョン」

ジョンはアイリスの手を取り、「あなたも、私を救ってくれた。ありがとう、アイリス」と言った。

その後、ジョンは花屋に戻り、その横にはアイリスが常に一緒にいた。

そして、ジョンはアイリスと幸せな日々を過ごすことができた。

彼は誰かを恨むと言う、自分の愚かな行いから学び、新たな人生を歩むことを決意した。

こうして、ジョンは誘拐劇を通じて成長した。

そして、それを見守るように、隣では町の片隅で一匹の黒猫が静かに見守っていた。

それは、運命に導かれた姉弟のように、永遠に続く絆で結ばれた花屋の主人と黒猫の姿だった。