寓話「花路と鼻血」

昔々、ある村に小さな花屋がありました。

花屋の名前は「花路（かろ）」と言いました。花路は美しい花でいつも村人たちを楽しませていました。

しかし、ある日突然、花路の花が次々としおれてしまいました。

花路も店主はどうしていいか分からず、悩んでいました。

そんな時、村の小川で水遊びをしていた子供達が、一人の少年に気付きました。その少年は、鼻血を出しながらも悠々と水遊びを楽しんでいるのです。店主はその光景を見て驚きましたが、少年は笑顔で言いました。「花路さん、大丈夫です。私は鼻血が出るのはよくあることなんです。怖がらないでくださいね。」

花路はその少年の言葉に勇気をもらいました。

少年は自分のことを気にかけてくれる村人達に感謝していました。店主も自分の花たちに思いやりを持つことが大切だと気付かされました。

店主は花達に水をやり、丁寧に世話をするようになりました。

すると、不思議なことが起きました。

花達は次第に元気を取り戻し、一層美しく咲くようになったのです。

村人達も花路の努力を感じ、花屋に訪れる人たちが増えました。店主は笑顔で花を販売し、幸せな日々を送っていました。

そしてある日、店主は再び少年に出会いました。少年は元気な笑顔で前と同じ様に鼻血を出しながら店主に話しかけました。

「花路さん、花達はとても綺麗ですね。あなたの丁寧なお世話が実を結びましたね」店主は少年に感謝の言葉を述べました。

その日以降、店主は花達との触れ合いを大切にしました。

そして、花路のおかげで村の花々は一段と美しくなり、村人達の心を豊かにしていきました。

花路の店主は少年の言葉と、花達からの感謝を胸に、幸せな花屋の日々を送っていったのでした。