私自身についていえば、過去の自分の気持ちを一瞬にして呼び起こすことができる、という自覚があります。
たぶんこれは、特殊能力でもなんでもなく、多くの人が普通にできることだと思っていました。
たとえば、子供時代に家族で出かけた写真などを見ていると、その時の思い出とともに、あの頃の自分に一瞬戻ったかのような感情が呼び起こされます。
また、10代や20代の頃にかなり入れ込んで聴いていたアーティストの音楽や作品を今また見聞きすると、その年代に戻ったかのような熱い感情が呼び覚まされてくるわけです。
懐かしい物や音楽などに触れることは、脳の活性化や情緒の安定化につながるとされ、高齢者の認知症予防などにも活用されていることも知っていました。
なので、過去の自分の気持ちが呼び起こせない人もいる、という考えは、私の中にはありませんでした。
これは私が直接話した人と、人を介して聞いた話だけで知ったことに過ぎないのですが。
その人達は、大人になってしまったら子供の頃の気持ちを思い出すのは無理、とごくごく普通に思っている様子。
たしかに。そう言われてしまうと、大人になった今でも子供の頃の感情をリアルに呼び起こせることの方が、変わり者っぽいような気もしてくる感じ。
私自身は感情年齢というか、精神年齢はかなり幼いままだと自覚しているし、過去の日記を読み返すことが多いので、感情記憶を呼び起こしやすいタイプではあるかと思う。
また、思い出したくない過去を持っていたりすると、過去の感情にアクセスしたくないという気持ちが無意識に働いてしまうこともあるかな、と思う。
感情の記憶を思い出せない人でも、過去の出来事の記憶は詳細に思い出せたりもするので、こういうことも人それぞれなのかも。
感情といったつかみどころのない感覚でいったら、私自身は10歳頃のまま変化なくきているような実感はあるので、その時代までの感情記憶はすんなり身体の中に蘇らせることはできる。
でも、10歳以下の自分の感情記憶となると、かなり薄らいでしまっている。
幼少期には前世を記憶している子供がいるという話を聞くけれど、自分自身もはっきりとではないけれど、感情のようなつかみどころのない感覚で、現実世界とは違う別の世界の感覚を、なんとなく残していたような気もしている。
自分の前世を探りたいわけではないけれど、今改めて幼少期の自分にアクセスしてみたいという気持ちが高まってきている。
そこでなにか、今を生きるための新たな発見があるような予感がしているから。