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「消しちゃったら、ボタンを親指と人差し指で挟んで、ギュッ、半分凹まして、点けて、ボタン止めて、スライド上げて、カチッ、親指と挟むんだよ。消えない。ボタン緩めるよ。ずっと点いてる。」
「尖っていて、カッコいいね。」
「ギュッ、半分。ギューッ全部。ボタン隠れんぼしてるね。」
「消えないから、落ち着くね。」
柱時計が7時を告げると、食器、箸、おかず、お櫃、味噌汁を運びました。私は、点灯させた灯りを持ち、母と祖母の手元、足元を照らしました。最後に、食卓は明るくしたいから、夕食の際と同じく台所の裸電球を移動させました。私は、指先でボタンとスライドを操作して、灯りを消し、卓袱台下に置きました。曾祖母、祖母、母、私が一同に集まり、いただきますの挨拶で食べました。お盆の入りまでは、長閑な時間が流れました。
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