乾電池や豆球の取り替えも出来るようになり、メカニズムが理解出来ると、放電防止のため、使用後は消灯位置までスライドを戻して持ち歩けるようになりました。両手が使えるようになると、歩行の際は手繋ぎ点灯で左手を使う、作業の際は右手を使う、としっかり区別して照らせるようになりました。次第に自ら照らすのが楽しみになりました。
胴体を握ると、先ず、親指と人差し指でボタン側面を挟むのが、ルーティングになりました。突起で半押しを確かめ、人差し指で戻りを止めながら、親指をスライドに移します。スライドを半分上げ、フラッシュ位置にしました。スライドのギザギザと山型が指先をしっかり捉えて滑り防止になっていると思いました。微笑みながら、母に筒先を向け、一連の動作を続けました。
「ほら、点いた。スライド、引っ掛からなかったよ。ギューッ滑らか。」
そう言いながら、親指をボタンに移動させ、人差し指とともに側面を挟みながら、残りの半分を凹ませ、ボタンの戻りを止めました。
「指先しっかり着けていてね。」
母は、フラッシュライトをいじる私に、必ず口癖のようにこう言って、指先を撫でてくれました。
「うーん。ほら、こっちくっつけても、こっちくっつけても、隠れんぼしてるね。」
「あんなにトコーンがぺしゃんこだものね。」
「スライド、切り替えてもいい?」
「いいよ。」
「ほら、ボタンみっけ。ゆっくり半分。」
「四角できれいでかわいいよね。」
「うーん。だから、挟んで撫で撫で。ほら、まだ点いてる。尖ってて気持ちいい。止めてるよ。」
人差し指をボタン表面に移しながら、親指でスライドをもう一段上げました。
カチッ
親指と人差し指でボタンを挟みました。
「チラッとしたけど、消えなかったね。」
「良かった。ギューッ。また、奥まで押してみるね。ギューッ。また、ボタン隠れんほした。」
親指と人差し指をぴったりボタンホールに食い込むまで着けていました。
「今度は、パチンしてごらん。」
指先をパッと離すと、ボタンがクリーム角の姿をトコーンと戻しました。親指と人差し指で側面を挟みました。
「かわいい。パチンと音がしたら、チラッとしたけど、点いてる。消えなかったね。」
押したり緩めたりして軟らかタッチを楽しんでいました。
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