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腰痛は、ほぼ気にならなくなったけれども、万が一のことを考えて雪山はやめておくことにした。
日ごとによくなる天気予報を恨めしい気持ちで横目に見ながら、GW後半戦は小屋の掃除とイワナ釣りで過ごすことに決めた。
高速で長野に入ると、白銀のアルプスが「おいでおいで」と手招きしているようで、悔しくないと言えばウソになる。。
少し標高を上げて源流を攻めることにした。
新緑は始まったばかりだが、いい具合にコゴミが出ている。
釣りか山菜採りか、どちらを先にやろうか迷うほどだ。
雪渓対策にと、ザックの中に忍ばせてきたチェーンアイゼンの出番はなかった。
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今日からゲーターを解禁。
ウェットスタイルで臨むには少し早いかもしれないけど、この沢は入退渓が厳しいので、ウェーダー向きではないのだ。
ネオプレンソックスを通してジーンと冷たさが伝わってくる。
あまり長く水に漬かりたくない。
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最初の1時間は全く反応がなかった。
沢のチョイスを誤ったかもと疑心暗鬼になりながらロッドを振り続ける。
大移動という三文字が頭をかすめるが、退渓に時間がかかるので踏ん切りがつかない。
プライムタイムは突然やってきた。
8時ごろになって尾根から顔を出した太陽が水面を照らし出すと、途端にイワナが湧いてきたのだ。
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ここから30分間が祭りだった。
さっきまでの沈黙はなんだったのか。
この渓のイワナはツンデレなのか。
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つぎつぎ釣れると写真もだんだん雑になる。
老眼鏡をしないでシャッターを切ると、たいていピンボケになる。
最近はそれに手振れが加わった。
コンデジなのに、ピンボケや手振れはありえないはずだが、カメラの能力を超えてしまうほど、自分の老化現象が加速しているのか。
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あるポイントでは、三匹連続ヒット。
イワナ三兄弟だ。
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自分は釣りの天才かもと浮かれていたら、プライムタイムはすぐに終了してしまった。
またもやイワナは沈黙してしまう。
このあと1時間ノーフィッシュで、あきらめがついた。
ロッドをたたんで、山菜採りにチェンジ。
コゴミがそこら中に出ているので、軸が太いのを選んで摘んでいく。
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1匹だけイワナをキープしておいたので、イワナとコゴミで飯の準備をする。
イワナをさばいて刺身に。
中骨で出汁をとってみそ汁もつくった。
コゴミはお浸しにした。
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コンビニおにぎりを添えて源流御膳の完成である。
インスタ映えするでしょう?
いただきます!
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久しぶりのイワナの刺身は、甘くて美味しかった。
コゴミもシャキシャキ。
みそ汁は、冷えた体に染み渡った。
野鳥のさえずりと沢音を聞きながらの渓飯は、これ以上ない贅沢な時間だ。
アルコールが無くても、脳内には幸せの液体が充満している。
ごちそうさまでした。
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登山道を埋め尽くすかのようなニリンソウに和みながら退渓した。
さて、小屋に戻るとするか。
やらねばならないことは、いくらでもあるのだ。
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