「秘湯中の秘湯」というと、清水義範著「秘湯中の秘湯」を思い出す。
この短編は、清水氏特有のパロディ。
あまりに馬鹿馬鹿しく、それでいてちょっとありえそうなところが、読者のハートをくすぐるのだ。
今回、papachan家・男チームがめざしたのは、そんな秘湯中の秘湯「本沢温泉」である。
八ヶ岳東面に位置するこの温泉は、歩いてしか行けない、(最短コースで徒歩2時間くらい)、そしてなんといっても特筆すべきは日本最高所(2150m)にある野天風呂「雲上の湯」の存在だ。
これを秘湯中の秘湯といわずして、なんとしよう。
…とまぁ、前口上はこの辺にして、レポート開始。
10月31日(土)、午前4時30分自宅出発。
中央道→須玉IC→国道141号経由→松原湖駅→本沢温泉入り口 7:30着。
(最近、長野に行くよと息子に言うと、「じゃ、3時間だね」というようになった。おまえ、学習しているな。)
高根町から見えたモルゲンロートに染まる八ヶ岳。
ホントはもっとキレイに見えたんだけど、撮影技術がない。
本沢温泉入り口には、20台程度の駐車スペースがある。
すでに10台ほど停まっていた。
気温は、2℃。寒がりの息子は、やや着ぶくれ状態でスタート。
カラマツの細い落ち葉が敷き詰められた林道を緩やかに登っていく。
この林道は、本沢温泉に至る最短路である。
息子曰く、「大菩薩嶺の時と似ている道だね。」
確かに似ている。
今日は、息子の調子があまり上がらず、「疲れた~、ちょっと待ってぇ。」を連発する。
娘の風邪が感染ったのかな?(娘は風邪で今回不参加)
ゲートに到着。ここまで45分かかった。
四駆の自動車なら、ここまで車を上げることも可能だが、駐車スペースはわずかしかないし、ここまで来る間にすれ違える場所は1箇所しかない。
途中でお見合いしたら、アウトである。
ゲートから本沢温泉まで、1時間30分。
のんびりがんばろう。
ここからしばらくカラマツが無くなり、シラビソ・コメツガ・トウヒなどの苔むした樹林が出てくる。
小さい苔の花。
樹林の隙間から、天狗岳が見えてきた。
天狗岳は、北八の穏やかな山並みの中にあって唯一アルペン的な様相で異彩を放つ名峰だ。
来年は、子ども達と登れるといいなぁ。
尾根線をまたいで富士見平に到着。
木々の間から富士山が拝めるとのことだが、今日は見えず。
気温がぐんぐん上がってきて、暑いくらいなので、遠くはかすんでよく見えない。
本沢温泉まであと50分ね。
またカラマツ林だ。歩く歩く。
しばらく歩いたのに、出てきた看板には「本沢まで50分」。
疲れ気味の息子はがっくり。「なんで、また50分なの~?」
ま、山ではよくありがちな表示だけどね。。。
それしても、今日は誰にも会わない。
自分としては静かに歩けて誠に結構なのだが、息子としては誰も「えらいね~」と褒めてくれないのでつまらなそう。(それが調子悪い原因かな?)
クリームパンを食べて休憩していると、上からエンジンの音が聞こえてきた。
本沢温泉の従業員かな。
エンジン音の正体は、荷揚げ用キャタピラ車だった。
ご苦労様~!
しばらく、歩くと谷底から水の音が聞こえてきた。
看板には、「あと40~35分」の文字が!
やっと近づいてきたぞ。
息子もちょっと回復(笑)。
沢が見えたり、橋があったりすると、単調な登りとはちがって楽しく歩ける。
どんどんすすんで、みどり池との分岐まできた。
あともうちょい。
本沢キャンプ場を通り過ぎ…
到着~♪ シャキーン!
本沢温泉は、山小屋にしては豪華な造り、秘湯の一件宿だ。
今日は土曜日だというのに、人の気配がしない。
一人だけ休憩していたが、すぐにザックを担いで夏沢峠へ続く登山道へ消えていった。
何はともあれ、入浴料を支払わなければ。
正面玄関から入り、「ごめんくださ~い!」
しーん…
「ごめんくださ~い!!」
ハーイという声とともに若い女性スタッフが出てきた。
入湯料は、大人600円、小学生500円なり。
バッジも買おうとすると、まさかの「売り切れなんですよね~、スミマセン」との返答。
親子そろって、「エー! ウソー!?」
すると、これでもいいですかと言って出してくれたのは、見本用に飾ってあった最後の一個。
「いいです、いいです、それでいいです。十分です!」ということで無事ゲット。
ついでに、温泉タオルも買ってしまった。
入浴記念券・バッジ・タオルの本沢温泉豪華三点セットなのだ。(笑)
さて、お目当ての野天風呂は、ここからさらに5分程度登った先にある。
がんばれ、あと少し!
ここを曲がって~
シャクナゲの群生地を抜けて~
硫黄のニオイがしてきた、してきたー!
そして、目の前がぱっと開ける。
おー!
写真で見たことのあるこの風景!
はるばるやって来たぞ、秘湯中の秘湯。本沢温泉「雲上の湯」。
2150mにある日本最高所の野天風呂だ。
硫黄岳の爆裂火口を仰ぎ見るバツグンのロケーション。
立ちこめる硫黄の強烈なニオイ。
こぢんまりした湯船には白い湯。
身を隠せる脱衣場などまるでない、野趣満点100%
混んでいるときには、列をなして順番に入浴するとのウワサだったが、今日は自分と息子の二人占め。
さっそくスッポンポンになり、ザブーン!
いい湯だな~♪ 息子もニッコリ。
湯船は木枠でできているが、底は砂と砂利になっている。
横と底から湯が沸いてくる。ちょうどよい湯加減だ。
(でも、真冬は寒いだろうなぁ)
papachanも記念に撮ってもらう。
(見苦しくてゴメンナサイ)
ちなみに、温泉成分は、pH2.3の硫化水素泉。
こりゃ~強烈だ。
子どもにはちょっときつかったようで、ちょいちょい出ては側に流れる谷川へお散歩に行く。
逃げまどう原住民?(笑)
約30分ほど温泉を楽しんでから出た。
今日は穏やかな日だったので、着替えも寒くはなかったが、これから冬にかけては自殺行為にも等しいチャレンジになりかねない。(笑)
ちなみに、この温泉には女性も入るということだが、ここで脱ぎ着するには勇気がいるだろうなぁ。
今回は、そんな目のやり場に困るような状況には、残念ながら出くわさなかったが、そうなったらなったでこっちも着替えにくいぞ。
帰りは1時間15分ほどでらくらく下山。
あっという間に登山口に戻ることが出来た。
papa:「日本で一番高い野天温泉に入った気分はどうだった?」
息子:「オエ~って感じ。」
papa:「ナニそれ?」
息子:「だって、硫黄のニオイが好きじゃないんだよ。硫黄のニオイがするところだって、papa最初に言わなかったでしょ。」
papa:「……」
せっかく秘湯中の秘湯に連れて行ったというのに、…ショック
でも、バッジは気に入ったようなので、よしとするか。
この短編は、清水氏特有のパロディ。
あまりに馬鹿馬鹿しく、それでいてちょっとありえそうなところが、読者のハートをくすぐるのだ。
今回、papachan家・男チームがめざしたのは、そんな秘湯中の秘湯「本沢温泉」である。
八ヶ岳東面に位置するこの温泉は、歩いてしか行けない、(最短コースで徒歩2時間くらい)、そしてなんといっても特筆すべきは日本最高所(2150m)にある野天風呂「雲上の湯」の存在だ。
これを秘湯中の秘湯といわずして、なんとしよう。
…とまぁ、前口上はこの辺にして、レポート開始。
10月31日(土)、午前4時30分自宅出発。
中央道→須玉IC→国道141号経由→松原湖駅→本沢温泉入り口 7:30着。
(最近、長野に行くよと息子に言うと、「じゃ、3時間だね」というようになった。おまえ、学習しているな。)
高根町から見えたモルゲンロートに染まる八ヶ岳。
ホントはもっとキレイに見えたんだけど、撮影技術がない。
本沢温泉入り口には、20台程度の駐車スペースがある。
すでに10台ほど停まっていた。
気温は、2℃。寒がりの息子は、やや着ぶくれ状態でスタート。
カラマツの細い落ち葉が敷き詰められた林道を緩やかに登っていく。
この林道は、本沢温泉に至る最短路である。
息子曰く、「大菩薩嶺の時と似ている道だね。」
確かに似ている。
今日は、息子の調子があまり上がらず、「疲れた~、ちょっと待ってぇ。」を連発する。
娘の風邪が感染ったのかな?(娘は風邪で今回不参加)
ゲートに到着。ここまで45分かかった。
四駆の自動車なら、ここまで車を上げることも可能だが、駐車スペースはわずかしかないし、ここまで来る間にすれ違える場所は1箇所しかない。
途中でお見合いしたら、アウトである。
ゲートから本沢温泉まで、1時間30分。
のんびりがんばろう。
ここからしばらくカラマツが無くなり、シラビソ・コメツガ・トウヒなどの苔むした樹林が出てくる。
小さい苔の花。
樹林の隙間から、天狗岳が見えてきた。
天狗岳は、北八の穏やかな山並みの中にあって唯一アルペン的な様相で異彩を放つ名峰だ。
来年は、子ども達と登れるといいなぁ。
尾根線をまたいで富士見平に到着。
木々の間から富士山が拝めるとのことだが、今日は見えず。
気温がぐんぐん上がってきて、暑いくらいなので、遠くはかすんでよく見えない。
本沢温泉まであと50分ね。
またカラマツ林だ。歩く歩く。
しばらく歩いたのに、出てきた看板には「本沢まで50分」。
疲れ気味の息子はがっくり。「なんで、また50分なの~?」
ま、山ではよくありがちな表示だけどね。。。
それしても、今日は誰にも会わない。
自分としては静かに歩けて誠に結構なのだが、息子としては誰も「えらいね~」と褒めてくれないのでつまらなそう。(それが調子悪い原因かな?)
クリームパンを食べて休憩していると、上からエンジンの音が聞こえてきた。
本沢温泉の従業員かな。
エンジン音の正体は、荷揚げ用キャタピラ車だった。
ご苦労様~!
しばらく、歩くと谷底から水の音が聞こえてきた。
看板には、「あと40~35分」の文字が!
やっと近づいてきたぞ。
息子もちょっと回復(笑)。
沢が見えたり、橋があったりすると、単調な登りとはちがって楽しく歩ける。
どんどんすすんで、みどり池との分岐まできた。
あともうちょい。
本沢キャンプ場を通り過ぎ…
到着~♪ シャキーン!
本沢温泉は、山小屋にしては豪華な造り、秘湯の一件宿だ。
今日は土曜日だというのに、人の気配がしない。
一人だけ休憩していたが、すぐにザックを担いで夏沢峠へ続く登山道へ消えていった。
何はともあれ、入浴料を支払わなければ。
正面玄関から入り、「ごめんくださ~い!」
しーん…
「ごめんくださ~い!!」
ハーイという声とともに若い女性スタッフが出てきた。
入湯料は、大人600円、小学生500円なり。
バッジも買おうとすると、まさかの「売り切れなんですよね~、スミマセン」との返答。
親子そろって、「エー! ウソー!?」
すると、これでもいいですかと言って出してくれたのは、見本用に飾ってあった最後の一個。
「いいです、いいです、それでいいです。十分です!」ということで無事ゲット。
ついでに、温泉タオルも買ってしまった。
入浴記念券・バッジ・タオルの本沢温泉豪華三点セットなのだ。(笑)
さて、お目当ての野天風呂は、ここからさらに5分程度登った先にある。
がんばれ、あと少し!
ここを曲がって~
シャクナゲの群生地を抜けて~
硫黄のニオイがしてきた、してきたー!
そして、目の前がぱっと開ける。
おー!
写真で見たことのあるこの風景!
はるばるやって来たぞ、秘湯中の秘湯。本沢温泉「雲上の湯」。
2150mにある日本最高所の野天風呂だ。
硫黄岳の爆裂火口を仰ぎ見るバツグンのロケーション。
立ちこめる硫黄の強烈なニオイ。
こぢんまりした湯船には白い湯。
身を隠せる脱衣場などまるでない、野趣満点100%
混んでいるときには、列をなして順番に入浴するとのウワサだったが、今日は自分と息子の二人占め。
さっそくスッポンポンになり、ザブーン!
いい湯だな~♪ 息子もニッコリ。
湯船は木枠でできているが、底は砂と砂利になっている。
横と底から湯が沸いてくる。ちょうどよい湯加減だ。
(でも、真冬は寒いだろうなぁ)
papachanも記念に撮ってもらう。
(見苦しくてゴメンナサイ)
ちなみに、温泉成分は、pH2.3の硫化水素泉。
こりゃ~強烈だ。
子どもにはちょっときつかったようで、ちょいちょい出ては側に流れる谷川へお散歩に行く。
逃げまどう原住民?(笑)
約30分ほど温泉を楽しんでから出た。
今日は穏やかな日だったので、着替えも寒くはなかったが、これから冬にかけては自殺行為にも等しいチャレンジになりかねない。(笑)
ちなみに、この温泉には女性も入るということだが、ここで脱ぎ着するには勇気がいるだろうなぁ。
今回は、そんな目のやり場に困るような状況には、残念ながら出くわさなかったが、そうなったらなったでこっちも着替えにくいぞ。
帰りは1時間15分ほどでらくらく下山。
あっという間に登山口に戻ることが出来た。
papa:「日本で一番高い野天温泉に入った気分はどうだった?」
息子:「オエ~って感じ。」
papa:「ナニそれ?」
息子:「だって、硫黄のニオイが好きじゃないんだよ。硫黄のニオイがするところだって、papa最初に言わなかったでしょ。」
papa:「……」
せっかく秘湯中の秘湯に連れて行ったというのに、…ショック
でも、バッジは気に入ったようなので、よしとするか。
うひょ~これはいいですね~♪
秋の八ヶ岳は来年の楽しみの一つなんですが、、私的にはこの温泉コースが一番行ってみたいコースです(*^_^*)
ただ、、ママが温泉入れないかも・・・となかなか行き先として認定されないところが辛いです・・・
なんかの拍子にソロ許可が出たら迷わず行きたい!!
今回は温泉だけが目当てだったのですが、アクティブなpiyosukeファミリーさんなら硫黄岳もセットで楽しまれてはどうでしょうか。
本沢温泉は宿の中に内湯もあるので、奥様はそちらを楽しむとか、野天は夜中に入るとか。(女性はそうされる方が多いようです。)
稲子の湯から歩き始めて、一泊二日の温泉三昧というコースも魅力的。
次回はそれをめざしたいですね。
またまた、息子さんと冒険の旅ですね。
最後の1個のバッジ、ゲットできてよかったですね。
息子さん、温泉よりお父さんとの山歩きが真の目的だったのかも。
またまた行ってきましたよ。
毎回それなりに楽しんでくれているみたいなので、こうなったら「モウ、イヤ!」というまで、引きずり回してみようかな?(笑)
実は、当初の計画では、本沢温泉の先、夏沢峠まで行く予定でした。
なぜ、行かなかったか。
息子曰く、「バッジがないから!」
山バッジは、息子のコレクター魂に火をつけてしまったようです。
(ま、何にしても一緒に山に行けるんだから、オヤジとしては嬉しいもんです)