東北遠征3日目。
秋田駒ヶ岳へ登る。
昨日の栗駒山と併せて秋田駒ヶ岳は、深田久弥著「日本百名山」のあとがきで、百名山に入れとけばよかったと深田氏が言っている名峰である。
※東北遠征DAY1(世界遺産編)はこちら
※東北遠征DAY2(栗駒山編)はこちら
めったにないリゾートホテル滞在で飽食三昧と温泉三昧を堪能した。
私は、温泉に3回入り、サウナを6セットこなして、これ以上ないくらい整った。
息子は、たらふくご馳走を平らげ、大谷翔平選手くらい眠り続けた。
美味しい朝食をお腹一杯いただいてから、ホテルを8時に出発。
秋田駒ヶ岳登山の拠点施設であるアルパこまくさに車を置いて、8合目まで行くシャトルバスに乗り換える予定だ。
アルパこまくさまでは、ホテルから車で10分かからない。
駐車場はガラガラであった。
平日登山万歳!
嬉々として登山靴に履き替えていたところ、初老の男性が近寄ってきた。
男性:「ひょっとして、8合目までのバスに乗る予定ですか?」
Papa:「はい!そうです!」
男性:「今日はバス出ませんよ。バスは土日と祝日だけです。」
Papa:「えええっ!?」
どうりで空いているわけだ…。
途方に暮れていると、男性がさらに続けた。
男性:「バスは出ませんが、平日は8合目まで自家用車が入れます。あ、でも駐車場は混んでいるかもしれませんよ…。」
早く言ってよ~。
私と同じ間違いをしている登山者は、今日だけで3人いたとその男性は言っていた。
九死に一生を得る貴重な情報を教えてくれた男性にお礼を述べて、あわてて8合目へ車を走らせた。
アルパこまくさから8合目までは、狭いぐねぐね道を20分ほどかけてたどり着いた。
駐車場は、残り3台のところで今日もギリギリセーフ!
冷や汗をかいたが、結果オーライ。
中尊寺でのお参りが利いているのかも?
8合目は、すでに森林限界を越えているので、素晴らしいロケーションを味わえる。
目指す秋田駒ヶ岳はもちろんのこと、のびやかに連なる奥羽山脈を眺め、気分は高揚する。
駐車場の横にある避難小屋には、トイレも売店もあった。
今日は、8合目を起点にして反時計回りの周回コース。
新道から駒ヶ岳避難小屋を経由して秋田駒ヶ岳最高峰の男女岳に登る。
そのあとは、ムーミン谷を下って、大焼砂から横岳に向かい、焼森経由で8合目に戻る。
秋田駒ヶ岳は、高山植物の宝庫と言われ、7月が登山適期とされている。
紅葉で目をひく山ではないが、登山口付近では鮮やかに色づいていた。
9時、登山開始。
新道は、男女岳を巻くようについている。
えっちらおっちら登っていくと、すぐに眺望が開ける片倉岳展望台だ。
遠くに田沢湖を望むことができる。
登りはだんだん緩やかになり、やがて平たんになって木道が現れた。
右に男岳、左に男女岳を抱き、広い湿原の中を伸びていく木道は絵になる。
まるでスウェーデン北部のような風景だ。
これは素晴らしい。
急いで歩くのがもったいないような気持ちで歩を進めると、やがて池が見えてきた。
阿弥陀池だ。
その向こうには、駒ヶ岳避難小屋(阿弥陀池小屋)も見える。
池畔に佇む小屋がとても絵になる。
しっかりしたつくりの避難小屋だ。
中をのぞくと、清潔に整えられており、二階には毛布も用意してあった。
避難時でなくても泊まりたくなる。
ここでトイレ休憩をして、行動食でエネルギー補給した。
さて、いよいよ秋田駒ヶ岳最高峰の男女岳へ。。
登山道は、よく整備されている。
地図では、登り20分となっていたが、7分で山頂にたどり着いた。
10時29分、秋田駒ヶ岳最高峰男女岳(1637m)登頂。
ここは、秋田県の最高峰でもある。
山頂は遮るものが何もなく、360度の眺望を楽しんだ。
近くに男岳と女岳、遠くには田沢湖や岩手山を望むことができた。
曇り優勢の天気であったが、高曇りのため視界は良好だ。
いったん避難小屋まで戻り、次はムーミン谷を目指す。
地図には、秋田駒ヶ岳高山植物帯と表示されている場所だ。
秋田駒ヶ岳といえば、ムーミン谷に咲き誇る高山植物の写真のイメージが強い。
今回は、ムーミン谷に下るルートをチョイスした。
ここの下りが急傾斜で浮石が多く、ちょっと気持ち悪いルートだった。
スリップしないように慎重に足を運びながら、約30分かけて谷の底にたどり着いた。
下りきってしまえば、再びルートは平たんになり木道が伸びている。
チングルマの群生はすでに綿毛を落としていたが、初夏の花盛りはさぞかし壮観であろう。
それにしても、誰がムーミン谷と名付けたのだろうか。
遠い記憶の中で、確かにムーミン谷はこんな感じの場所だったと思えるような感覚は残っている。
ネットでムーミン谷のイラスト等を検索したが、そっくりな画像は見つけられなかった。
ムーミン谷は、クレーターのような小岳の左側をすり抜けるように木道が続き、やがて細かな火山礫の道に代わっていった。
この一帯は大焼砂と呼ばれている。
火山礫が広がり、さながら富士山のようだ。
踏ん張りがきかず、ずるずる滑る。
ただでさえ狭い歩幅を更に狭くして、小股でテンポよく歩くのが効果的だ。
大焼砂を登り終えると、普通の登山道となる。
まるで北アルプスの稜線のようだ。
とても1600mとは思えないロケーション。
ほどなくして横岳のピークに至る。
本日、二つ目のピークだ。
ちなみに、ここだけ岩手県。
この先はまた秋田県になる。
ここまで来れば、あとはひたすら下るだけだ。
焼森は、その名のとおり森が焼けたような場所。
大焼砂より赤い火山礫が広がっている。
焼森からの下りは、少し樹木が高くなり視界が遮られる。
道幅も狭いので、あまり楽しくはないルートだ。
下山路としてはいいが、登りで使うのはあまり勧められないかな。
点々とした紅葉が、気持ちを穏やかにしてくれた。
13時30分、8合目駐車場に戻ってきた。
息子は、速攻で売店に入り山バッジを購入した。
1種類しかなかったので、悩む必要もなかった。
車に荷物を積んで、再びアルパこまくさへ。
ここはビジターセンターと日帰り温泉施設がある。
湯の花が漂う温泉にゆっくり浸かった。
今日は、登山バスが無いためか、お客はほとんどおらず、おかげでのんびりできた。
入湯料は、550円。
モンベル会員だと、ここから50円引きで500円なり。
ムーミン谷ばかりがクローズアップされる秋田駒ヶ岳だが、魅力はそれだけにとどまらない、とても良い山だった。
火山活動による複雑な地形は、どこを歩いても飽きることがない。
深田久弥が、百名山に入れるべきだったと言うのもうなずける。
できることなら、花の時期に再訪したいと思える山だった。
※東北遠征DAY3-4(グルメ編)へ続く
秋田駒ヶ岳へ登る。
昨日の栗駒山と併せて秋田駒ヶ岳は、深田久弥著「日本百名山」のあとがきで、百名山に入れとけばよかったと深田氏が言っている名峰である。
※東北遠征DAY1(世界遺産編)はこちら
※東北遠征DAY2(栗駒山編)はこちら
めったにないリゾートホテル滞在で飽食三昧と温泉三昧を堪能した。
私は、温泉に3回入り、サウナを6セットこなして、これ以上ないくらい整った。
息子は、たらふくご馳走を平らげ、大谷翔平選手くらい眠り続けた。
美味しい朝食をお腹一杯いただいてから、ホテルを8時に出発。
秋田駒ヶ岳登山の拠点施設であるアルパこまくさに車を置いて、8合目まで行くシャトルバスに乗り換える予定だ。
アルパこまくさまでは、ホテルから車で10分かからない。
駐車場はガラガラであった。
平日登山万歳!
嬉々として登山靴に履き替えていたところ、初老の男性が近寄ってきた。
男性:「ひょっとして、8合目までのバスに乗る予定ですか?」
Papa:「はい!そうです!」
男性:「今日はバス出ませんよ。バスは土日と祝日だけです。」
Papa:「えええっ!?」
どうりで空いているわけだ…。
途方に暮れていると、男性がさらに続けた。
男性:「バスは出ませんが、平日は8合目まで自家用車が入れます。あ、でも駐車場は混んでいるかもしれませんよ…。」
早く言ってよ~。
私と同じ間違いをしている登山者は、今日だけで3人いたとその男性は言っていた。
九死に一生を得る貴重な情報を教えてくれた男性にお礼を述べて、あわてて8合目へ車を走らせた。
アルパこまくさから8合目までは、狭いぐねぐね道を20分ほどかけてたどり着いた。
駐車場は、残り3台のところで今日もギリギリセーフ!
冷や汗をかいたが、結果オーライ。
中尊寺でのお参りが利いているのかも?
8合目は、すでに森林限界を越えているので、素晴らしいロケーションを味わえる。
目指す秋田駒ヶ岳はもちろんのこと、のびやかに連なる奥羽山脈を眺め、気分は高揚する。
駐車場の横にある避難小屋には、トイレも売店もあった。
今日は、8合目を起点にして反時計回りの周回コース。
新道から駒ヶ岳避難小屋を経由して秋田駒ヶ岳最高峰の男女岳に登る。
そのあとは、ムーミン谷を下って、大焼砂から横岳に向かい、焼森経由で8合目に戻る。
秋田駒ヶ岳は、高山植物の宝庫と言われ、7月が登山適期とされている。
紅葉で目をひく山ではないが、登山口付近では鮮やかに色づいていた。
9時、登山開始。
新道は、男女岳を巻くようについている。
えっちらおっちら登っていくと、すぐに眺望が開ける片倉岳展望台だ。
遠くに田沢湖を望むことができる。
登りはだんだん緩やかになり、やがて平たんになって木道が現れた。
右に男岳、左に男女岳を抱き、広い湿原の中を伸びていく木道は絵になる。
まるでスウェーデン北部のような風景だ。
これは素晴らしい。
急いで歩くのがもったいないような気持ちで歩を進めると、やがて池が見えてきた。
阿弥陀池だ。
その向こうには、駒ヶ岳避難小屋(阿弥陀池小屋)も見える。
池畔に佇む小屋がとても絵になる。
しっかりしたつくりの避難小屋だ。
中をのぞくと、清潔に整えられており、二階には毛布も用意してあった。
避難時でなくても泊まりたくなる。
ここでトイレ休憩をして、行動食でエネルギー補給した。
さて、いよいよ秋田駒ヶ岳最高峰の男女岳へ。。
登山道は、よく整備されている。
地図では、登り20分となっていたが、7分で山頂にたどり着いた。
10時29分、秋田駒ヶ岳最高峰男女岳(1637m)登頂。
ここは、秋田県の最高峰でもある。
山頂は遮るものが何もなく、360度の眺望を楽しんだ。
近くに男岳と女岳、遠くには田沢湖や岩手山を望むことができた。
曇り優勢の天気であったが、高曇りのため視界は良好だ。
いったん避難小屋まで戻り、次はムーミン谷を目指す。
地図には、秋田駒ヶ岳高山植物帯と表示されている場所だ。
秋田駒ヶ岳といえば、ムーミン谷に咲き誇る高山植物の写真のイメージが強い。
今回は、ムーミン谷に下るルートをチョイスした。
ここの下りが急傾斜で浮石が多く、ちょっと気持ち悪いルートだった。
スリップしないように慎重に足を運びながら、約30分かけて谷の底にたどり着いた。
下りきってしまえば、再びルートは平たんになり木道が伸びている。
チングルマの群生はすでに綿毛を落としていたが、初夏の花盛りはさぞかし壮観であろう。
それにしても、誰がムーミン谷と名付けたのだろうか。
遠い記憶の中で、確かにムーミン谷はこんな感じの場所だったと思えるような感覚は残っている。
ネットでムーミン谷のイラスト等を検索したが、そっくりな画像は見つけられなかった。
ムーミン谷は、クレーターのような小岳の左側をすり抜けるように木道が続き、やがて細かな火山礫の道に代わっていった。
この一帯は大焼砂と呼ばれている。
火山礫が広がり、さながら富士山のようだ。
踏ん張りがきかず、ずるずる滑る。
ただでさえ狭い歩幅を更に狭くして、小股でテンポよく歩くのが効果的だ。
大焼砂を登り終えると、普通の登山道となる。
まるで北アルプスの稜線のようだ。
とても1600mとは思えないロケーション。
ほどなくして横岳のピークに至る。
本日、二つ目のピークだ。
ちなみに、ここだけ岩手県。
この先はまた秋田県になる。
ここまで来れば、あとはひたすら下るだけだ。
焼森は、その名のとおり森が焼けたような場所。
大焼砂より赤い火山礫が広がっている。
焼森からの下りは、少し樹木が高くなり視界が遮られる。
道幅も狭いので、あまり楽しくはないルートだ。
下山路としてはいいが、登りで使うのはあまり勧められないかな。
点々とした紅葉が、気持ちを穏やかにしてくれた。
13時30分、8合目駐車場に戻ってきた。
息子は、速攻で売店に入り山バッジを購入した。
1種類しかなかったので、悩む必要もなかった。
車に荷物を積んで、再びアルパこまくさへ。
ここはビジターセンターと日帰り温泉施設がある。
湯の花が漂う温泉にゆっくり浸かった。
今日は、登山バスが無いためか、お客はほとんどおらず、おかげでのんびりできた。
入湯料は、550円。
モンベル会員だと、ここから50円引きで500円なり。
ムーミン谷ばかりがクローズアップされる秋田駒ヶ岳だが、魅力はそれだけにとどまらない、とても良い山だった。
火山活動による複雑な地形は、どこを歩いても飽きることがない。
深田久弥が、百名山に入れるべきだったと言うのもうなずける。
できることなら、花の時期に再訪したいと思える山だった。
※東北遠征DAY3-4(グルメ編)へ続く
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