麻薬捜査に命をかける3人の警官の裏切りや友情、壮絶な戦いを描き、2013年の香港で大ヒットを記録したサスペンスアクション。「コネクテッド」のベニー・チャンがメガホンをとり、主演には「奪命金」のラウ・チンワン、「ドラック・ウォー 毒戦」のルイス・クー、「ビースト・ストーカー 証人」「激戦」のニック・チョンが顔をそろえた。
子ども時代からの親友で、麻薬捜査官として活躍するマー、ソー、チャンの3人は、タイの大物麻薬王ブッダの逮捕目前まで迫る。しかし、事前に捜査情報が漏れていたことから思わぬ反撃を受け、ブッダの逮捕に失敗したばかりか、チャンを失ってしまう。それから5年後、香港の新興組織とブッダの組織との間で新たな抗争が起こり、5年前の捜査失敗の責任をとって左遷されていたマーと、逆に出世を果たして麻薬捜査班のトップになっていたソーの前に、死んだはずのチャンがブッダの組織の一員として姿を現す。
<感想>この映画は「男たちの挽歌」のような作品、そして東南アジアのみならず欧米にも影響を与えた作品となっているが名付けて「香港ノワール」は、香港映画界の得意のジャンルのひとつになっている。主人公の3人は幼馴染で、今は共に警察官となり、同じ麻薬捜査班で働いているティンのラウ・チンワンはその上司のエリートで、チャウのルイス・クーは胃袋がぶっ壊れそうな毎日を送る潜入捜査官。、ワイのニック・チョンは押し出しは弱いけれど気はいいヤツなのだ。
中でもルイス・クーは、「毒戦 ドラッグ・ウォー」では麻薬密売人だった密告者となり、今回は、香港の麻薬密売組織に潜入捜査官をしているが、妻が妊娠中で早く潜入捜査から解放されたいと願っている。一方、捜査班長であるティンは、麻薬組織の大物を捕えることに命を賭け、一番年下のワイは、それに従って行動する。そんな彼らをタイの大物麻薬王のブッダに近づくチャンスが来る。
香港からタイに飛び、タイ警察と協力をして麻薬取引と見せかけての組織の一網打尽を企てる。前半部分は、タイの森林地帯での銃撃戦の激しさに圧倒させられる。麻薬王を追って、香港警察の捜査官たちの意地を張り合う場面と、妻子のある仲間は救ってやる優しさにほろりとくる。
タイでの作戦がクライマックスになっているが、タイ警察の内部にブッダの仲間が潜入していて、チャウの身元がバレそうになる。それに、ブッダが放った傭兵が乗っているヘリからの一斉射撃で、警察が全滅していくのだ。
だから、3人に危機が次から次へと降りかかり、そこへブッダが来て追い詰められ、崖下にはワニがわんさかと棲息している場所で、一か八かの究極の選択が迫られる。
開幕からすでに険悪ムードが漂っていて、憎しみと裏切りのぶつけ合いがその後延々と続くものだから、「本当にこいつら親友だったのだろうか」そんな気分にさせられる。
熱い友情がちょっとした間違いから破綻して、やがて回復する物語が観たいのに、熱い友情のあった時代が、いっこうに描かれていないのがプロット的に惜しい。
冒頭での、市街地を舞台にしたアクションシーンには、ちょっぴり感心し、見た事のない香港を垣間見た気がした。
タイの銃撃戦、ヘリからの機関銃掃射、ブッダに追い詰められた3人、崖下へ落ちたらワニの餌になる危険な場所での追い込みの撮影。仲間の命を計りに賭けての選択では、ついに親友を拳銃で撃ち、ワニのいる崖下へと転落して行った親友のニック・チョン。このシーンはエグいしでまさか助かっているとは思っていなかったよ。
香港へ帰ってからの展開も濃密で、片腕になったニック・チョンのために、弾倉を交換するラウ・チンワンの男気には泣かせる。それに、香港アパート群特有の狭さと高さ、密集度を活かした序盤の銃撃戦も出ている。改めてベニー・チャンの腕の良さに感嘆しました。
まさしく最後の銃弾を撃つクライマックス、5年後の香港で、友情と裏切りが交差する果てに、主人公たちが傭兵を率いるブッダとの復讐戦となる、15分に渡る銃撃戦の死闘。まさに「男たちの挽歌」である。そこで、主人公たち3人が、子供の頃から口ずさんでいた歌を口笛で聞かせる、友情の絆を確かめる緊張感の走るシーンでは、ヒロイックな香港ノワールへと。
映画が終わった途端にギャラクシー特別協賛というロゴが出るのだ。マカオに出来たカジノやホテルの巨大施設でこのシーンが撮影されたからだろう。
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子ども時代からの親友で、麻薬捜査官として活躍するマー、ソー、チャンの3人は、タイの大物麻薬王ブッダの逮捕目前まで迫る。しかし、事前に捜査情報が漏れていたことから思わぬ反撃を受け、ブッダの逮捕に失敗したばかりか、チャンを失ってしまう。それから5年後、香港の新興組織とブッダの組織との間で新たな抗争が起こり、5年前の捜査失敗の責任をとって左遷されていたマーと、逆に出世を果たして麻薬捜査班のトップになっていたソーの前に、死んだはずのチャンがブッダの組織の一員として姿を現す。
<感想>この映画は「男たちの挽歌」のような作品、そして東南アジアのみならず欧米にも影響を与えた作品となっているが名付けて「香港ノワール」は、香港映画界の得意のジャンルのひとつになっている。主人公の3人は幼馴染で、今は共に警察官となり、同じ麻薬捜査班で働いているティンのラウ・チンワンはその上司のエリートで、チャウのルイス・クーは胃袋がぶっ壊れそうな毎日を送る潜入捜査官。、ワイのニック・チョンは押し出しは弱いけれど気はいいヤツなのだ。
中でもルイス・クーは、「毒戦 ドラッグ・ウォー」では麻薬密売人だった密告者となり、今回は、香港の麻薬密売組織に潜入捜査官をしているが、妻が妊娠中で早く潜入捜査から解放されたいと願っている。一方、捜査班長であるティンは、麻薬組織の大物を捕えることに命を賭け、一番年下のワイは、それに従って行動する。そんな彼らをタイの大物麻薬王のブッダに近づくチャンスが来る。
香港からタイに飛び、タイ警察と協力をして麻薬取引と見せかけての組織の一網打尽を企てる。前半部分は、タイの森林地帯での銃撃戦の激しさに圧倒させられる。麻薬王を追って、香港警察の捜査官たちの意地を張り合う場面と、妻子のある仲間は救ってやる優しさにほろりとくる。
タイでの作戦がクライマックスになっているが、タイ警察の内部にブッダの仲間が潜入していて、チャウの身元がバレそうになる。それに、ブッダが放った傭兵が乗っているヘリからの一斉射撃で、警察が全滅していくのだ。
だから、3人に危機が次から次へと降りかかり、そこへブッダが来て追い詰められ、崖下にはワニがわんさかと棲息している場所で、一か八かの究極の選択が迫られる。
開幕からすでに険悪ムードが漂っていて、憎しみと裏切りのぶつけ合いがその後延々と続くものだから、「本当にこいつら親友だったのだろうか」そんな気分にさせられる。
熱い友情がちょっとした間違いから破綻して、やがて回復する物語が観たいのに、熱い友情のあった時代が、いっこうに描かれていないのがプロット的に惜しい。
冒頭での、市街地を舞台にしたアクションシーンには、ちょっぴり感心し、見た事のない香港を垣間見た気がした。
タイの銃撃戦、ヘリからの機関銃掃射、ブッダに追い詰められた3人、崖下へ落ちたらワニの餌になる危険な場所での追い込みの撮影。仲間の命を計りに賭けての選択では、ついに親友を拳銃で撃ち、ワニのいる崖下へと転落して行った親友のニック・チョン。このシーンはエグいしでまさか助かっているとは思っていなかったよ。
香港へ帰ってからの展開も濃密で、片腕になったニック・チョンのために、弾倉を交換するラウ・チンワンの男気には泣かせる。それに、香港アパート群特有の狭さと高さ、密集度を活かした序盤の銃撃戦も出ている。改めてベニー・チャンの腕の良さに感嘆しました。
まさしく最後の銃弾を撃つクライマックス、5年後の香港で、友情と裏切りが交差する果てに、主人公たちが傭兵を率いるブッダとの復讐戦となる、15分に渡る銃撃戦の死闘。まさに「男たちの挽歌」である。そこで、主人公たち3人が、子供の頃から口ずさんでいた歌を口笛で聞かせる、友情の絆を確かめる緊張感の走るシーンでは、ヒロイックな香港ノワールへと。
映画が終わった途端にギャラクシー特別協賛というロゴが出るのだ。マカオに出来たカジノやホテルの巨大施設でこのシーンが撮影されたからだろう。
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