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奥羽本線とは?
福島青森間のローカル線でのこと。
と言っても利用したのは福島から山形間である。
朝早く最寄りの駅から出発し集合場所の福島駅に着くと参加者は6人だった。
初めからトラブる。
外出には必ずトラブルが付いて回る私。
ごく些細な事でも必ず付いてくる。
それに厭気がさし、数分の落ち込みも覚悟しないと外出できないことになる。
Suicaで福島から山形まで行こうとしたら改札拒否のサインである。
「またか・・・・。」
仲間に聞いたら山形間は切符を買わなければならないということなので福島駅からの切符を買う。
でも福島での改札拒否はおかしいということが帰りの最寄りの駅で判明することになる。
後で考えるにSuicaは私が山形に行くのか仙台に行くのか、はたまた郡山に行くのかは話しているわけではないのでわからない。
それなのに改札拒否であるのはその時点でおかしかったのだ。
深く考える暇も無くJR奥羽本線に乗り込んだ。
そうそう、夜中からの強い雨に「お天気最悪」も覚悟していた。
でも心のどこかに、この仲間は悪天候であってもうまいこと切り抜けられる、なんとかなる・・・。
その通りの結果に それだけでも興奮気味の我々は車内を賑わしていた。
お天気は大事だ。
板谷駅、ここは昔スイッチバックという方法で何やら電車がガチャガチャしていた記憶がある。
今はそういうことはなく線路が発達したか電車に力がついたか?
わからないがバックは無しである。
次の峠の駅、「峠の力餅」を昔風の方法で売っている。
停車の短い間にドアに立ち、売り人が肩から吊るした箱の中から差し出した餅を買うのだ。
昨年の旅で他人が買っているのを見た私はとても興味を持ってみていた。
今回は買ってみようと思っていた。
そんな事を話しているとSさんがいつの間にやら買ってきて味見しようと我々に振る舞った。
この人はそういうところが素早い。
帰りに買うことにした。
米沢駅で降りて山形行きに乗り換える。
米沢から福島間の電車は朝夕数本なのだろう。
新幹線の時代なのだ。
直通で山形に行けると思っていたが行けなかった。
乗り換えてしばらくすると車窓からお城が見えてきた。
思わず歓声!
上山競馬場や上山温泉は知っていたが遥か彼方にお城が見えたのには驚いた。
上山城だ。
「かみのやま温泉駅」を過ぎ次の驚きは「茂吉記念館前」である。
あ~北杜夫のお父さん、輝子さんの旦那様、斎藤茂太さんのお父様とイメージが膨らんで親近感がわく。
一昔もふた昔もより昔のイメージだ。
初恋の人が北杜夫のファンで私もほとんどの作品を読んだものだった。
北杜夫が発端となり読書に興味を持つに至った私は初恋のその人と北杜夫その人に大いに感謝しないわけにはいかないのだ。
そのお父様の記念館が美しい桜に囲まれているのが車窓から眺められた。
蔵王駅を過ぎると山形駅。
山形駅で下車、目的地、山形の霞城公園を目指す。
山形は、明治大正時代の洋風建築物が魅力的である。
駅もその風貌が感じられた。
霞城公園と文翔館がメイン、高畠駅内の温泉と山形の芋煮そばもメインに負けずである。