ニンテンドー3DSになって、利用しやすくなくなった「すれちがい通信」。
通信用データを作成さえしていれば、ゲームソフトを起動していなくてもすれちがいが発生するようになり、また、同時に最大12個のデータまですれちがいができるようになりました。また、すれちがった時にはちゃんと「おしらせリスト」などで知らせてくれるので、見逃すこともないです。
今のところ、私が利用したことのあるニンテンドー3DSのすれちがい通信は『すれちがいMii広場』『nintndogs + cats』『スーパーストリートファイターIV 3D EDITION』です。
まあ、『cubic ninja(キュービックニンジャ)』も対応していますが、限定的にしか利用できません。あと、つい最近ようやく『レイトン教授と奇跡の仮面』を購入したので一応すれちがい通信データは作成しましたが、これもたいした内容ではないので、すれちがえるかどうか…(苦笑)
ともかく、利用しやすくなったことできっと、DSの頃以上にすれちがい通信ネットワークが普及するに違いない!
そう思っているわけですが…本当にそうなるのか、少し不安も感じ始めています。
◆-- 普及率がそんなに変わらない可能性 --◆
すれちがい通信の改善により、対応ソフトもすでにそれなりに発売されており、今後のタイトルも然り。総合的に見れば、おそらくDSの時代よりは多くの対応タイトルが世に出てくれるのではないかと思います。
ただ…それで本当に、普及率が上がるのでしょうか?
まず、私が注目しているのは「最大12個まで同時にすれちがえる」という点です。
以前にも少し話したことがありますが、この仕様だと、13個目のすれちがいデータを作成したい場合、どれかを削除しないといけなくなります。そうなると、結局は有名どころなどが残りやすくなるように思うわけです。
また、これは以前に常連さんが残してくれたコメントを聞いたりして思ったことなんですが、データの空きがあれば残しておくのか?というと、必ずしもそうとは限らないようです。
コメントのお話では、秋葉原のすれちがいスポットでは『すれちがいMii広場』がほとんどすれちがえなかったそうです。おそらく、ほとんどの人がすでにMii広場のミニゲームを全攻略していて、それ以上すれちがい通信を利用する価値がなくなったので削除する、と。そういうことなんでしょう。「消さなくてもいいのでは?」と思うかもしれませんが、すれちがっても意味がないのにお知らせはしっかり来るので、他のすれちがい通信を楽しんでいる人にとっては邪魔に感じるのでしょう。
さらに、これは私自身もちょっと感じていますが、売るなどで手元になくなったタイトルのすれちがい通信データ。これも、消す人がわりと多いのではないかと思ったりします。
すれちがい通信が楽しめないのにお知らせだけ来るのって…けっこう空(むな)しいですよ。まあ、売るなって話なんですが(笑)
以上の点に加えて、本体そのものの普及など様々な課題・問題を考慮すると、もちろん、すれちがい通信が利用しやすくなったのは間違いないんですが、それが普及の促進にそのまま繋がるのか?というと、イコールではないと思うわけです。
◆-- 普及させるために必要なこと --◆
結局必要なのは、”話題性”と”すれちがい通信の魅力”です。
DSの頃でいう『ドラゴンクエストIX』のように何百万と売れて、かつすれちがい通信の魅力もそれなりに高いものが、大きなきっかけを作れるでしょう。
もちろん、両方とも満たしていれば万々歳ですが、どちらか一方だけを満たしていても充分だと思います。しいて言うなら、個人的にはどちらかというと”すれちがい通信の魅力”のほうが重要だと思います。
今回は、すれちがい通信データがいつまでも残せます。なので、すれちがい通信の魅力がそれなりに高ければ、例えそんなに知名度が高くない作品でも「まあ、いつかすれちがうでしょう」的な感じで残しておく可能性が高いわけです。これは、DSの頃には通用しなかった考えです。逆に、いくら話題性が高くても、すれちがい通信の内容に魅力がなければ、わりとすぐに利用されなくなる可能性が高いように思っています。
ただし、この点は人によって考え方が違うでしょう。”すれちがい通信の魅力”より”話題性”を重視して、とりあえず有名どころを残して、マイナーすぎるものは「どうせすれちがわないし…」的な感じで利用しない人も多いでしょう。だからこそ、できればこの両方の条件を満たせて欲しいのです。
あとは、これも個人的に思うことですが…ダウンロード専用タイトルでも、すれちがい通信を積極的に取り入れて欲しいです。
ゲームソフト(パッケージタイトル)の場合だと、すれちがい通信が発生した後にゲームソフトを差し替えるというワンアクションが必要になりますが、ダウンロード専用タイトルであればメニュー画面からすぐに起動できるので、より素早く確認することができるようになります。たかがワンアクションですが、これがけっこう大きかったりするのです。
◆-- まとめ --◆
3DSのすれちがい通信は、最終的にはある意味「12個のイスを奪い合う」ような形になっていくように思います。勝ち残るには、”話題性”、そしてこれまで以上に”すれちがい通信の魅力”が要求されることでしょう。
ただ、まあ…まだまだこれからだとは思います。
地域によってすれちがい通信の頻度は相変わらずのようで、京都ではそこそこすれちがったんですが、実家の広島に帰った時には(約1週間の間に)1人しかすれちがいませんでした。やはり、田舎のほうはまだまだのようです。
もちろん、今後もこの差は残り続けるとは思いますが…とにかく本体の普及。そしてすれちがい通信の普及が進めば、すれちがいにくい地域でも、間違いなく今以上は楽しめる環境になってくれることでしょう。時間のかかることですが、地道に進めていって欲しいです。
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