
「青い薔薇」については、「薔薇の園」シリーズの中で
何回か触れていますが、薔薇そのものが主役のお話をしているので
深く語ったことはないような気がしています。
「青いバラ」は、ベストセラー「絶対音感」で賞賛された
最相葉月さんの作品です。
何回も繰り返し読んでいるので
おしゃれな白いカバーが手擦れして汚れてしまっています。
ロマンティックなタイトルと装丁から思い描く内容とは
少々違って、ノンフィクションの俊英と呼ばれる最相葉月さんの
書くものですから、奥深く重層的で...
時にはちょっと疲れたりもする読み応えのある作品です。
「日本のバラの父」、「ミスター・ローズ」と呼ばれる鈴木省三氏の
評伝や著者とのインタビューが章ごとに登場しますが
この部分が何より魅力的で読み応えがあります。
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できれば、鈴木省三氏を主人公とした人物ノンフィクションも
書いて頂きたいなと思います。
最晩年の鈴木省三氏の言葉を読むと、このタイミングで著者が
この作品を3年もの月日をかけて編み出してくれたことに
感謝の気持ちがわき起こってきます。
不可能の代名詞でもある「青いバラ」
薔薇の育種家なら誰もが夢見る「青いバラ」
現役時代には鈴木省三氏も挑戦したことのある「青いバラ」ですが
著者が「青いバラが遺伝子操作によって作り出される」ことについて
感想を求めると、鈴木省三氏は
「青いバラ(コバルトブルーのバラ)ができたとして、
あなたは、それが美しいと思いますか。」
そう言って、穏やかに笑っていたそうです。
春になって、バラ園を訪問するときには
この作品の中の鈴木省三氏の言動を思いながら
たくさんの薔薇たちと会いたいなと思う私です。








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