故吉田氏は、「聴取証言」非公開の理由について次のように記されている。
これらの聴取結果書合計7通の中には、
私が貴委員会(※編注:政府事故調)から聴取を受けた際に他人に対する私の評価、感情、感想を率直に述べた部分があります。
これらは、私の事故当時の判断、認識を述べたものではなく、
貴委員会からの聴取を受けた際の私の感情や感想を率直に表現したものであり、
聴取時の私の心理状態や聴取の雰囲気、聴取に当たった担当官との関係、
前後の文脈等をきちんとふまえていただかなくては誤解を生んでしまうと危惧しております。
さらに私が貴委員会からの聴取を受けた際、自分の記憶に基づいて率直に事実関係を申し上げましたが、
時間の経過に伴う記憶の薄れ、様々な事象に立て続けに対処せざるを得なかったことによる記憶の混同等によって、
事実を誤認してお話ししている部分もあるのではないかと思います。
そのため、私が貴委員会に対して申し上げたお話の内容すべてが、
あたかも事実であったかのようにして一人歩きしないだろうか、
他の資料やお話ときちんと照らし合わせた上で取り扱っていただけるのであろうかといった危惧も抱いております。
(吉田 昌郎「上申書」より抜粋 2012/05/29)
***
流石に科学者としてご立派な「上申書」ですね。