▽血統徒然△

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近交系数値と父系の発展力

2004年11月26日 | 血統
アグネスタキオン産駒がバブル状態で高値取引されているけどリスクが大きいのじゃないの?というお話です。

2004 国内市場取引馬 中間・平均価格

母数が多いのに平均価格が飛びぬけて高いです。セレクトセールにおける印象では当歳馬の馬体がすばらしかったのは事実ですが、血統表から推察するに過度に期待するのはマズイのではと思うのです。

アグネスタキオン

一般にアウトクロス馬は伝える遺伝子のバリエーションが豊富なので、産駒にバラツキが出やすいといわれています。期待値をかなり下回る結果を出せなかった種牡馬の近交系数値は低いことが多いです。例:ナリタブライアン・メジロマックイーン・エリシオ・ザグレフ。

もちろん近交系数値の低い種牡馬が名種牡馬になれないわけではなく、ノーザンダンサー系ならダンチヒ・カーリアンは値が低いにもかかわらず大成功しました。しかし、ダンチヒ・カーリアンのラインで父系をつなげているのは、戻し交配ともいえる血の濃い(系数値の高い)種牡馬です。

デインヒル フサイチコンコルド

フジキセキは成功といえば成功ですし、未だにG1馬を輩出していないという意味では失敗です。フジキセキが父系を伸ばせるかどうかといえば、戻し交配は難しいので予測としては無理そうだとはいえます。アグネスタキオンも同じことがいえて、仮に種牡馬として成功してもサンデーサイレンスの父系発展の基点には成り辛いと思います。

フジキセキとザグレフ両馬の代表産駒の母の血統構成を見れば、アグネスタキオンは種牡馬として肌馬を選ぶ傾向が強く、ダンスインザダーク級にG1馬を複数輩出するのは不可能だと、あえて言い切りたいと思います。

スプリングネヴァー マルミチーフ