こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
動物繁殖業者(ブリーダー)による動物遺棄・虐待事件がしばしば報道されています。
中には、動物愛護団体を名乗っている団体による動物虐待が報道されることもあります。
そのような悪質業者等の代表者が逮捕されるケースもありますが、現行の動物愛護法のもとでは、動物の所有権は悪質業者等が依然として有していることになります。
悪質業者等の代表者が動物愛護法違反で有罪になっても、その代表者が動物の所有権を放棄しない限り、虐待を受けた動物は悪質業者の元へ戻されてしまうということです。
動物取扱業者等が動物の所有権を放棄すれば問題ありません。
しかし、所有権放棄を拒否した場合は、たとえ飼育環境が劣悪であっても、現行法のもとでは、動物保護団体等が強制的に施設に立ち入って動物を保護することは困難です。
日本の法律では動物は「物」と規定されており、動物の所有者が所有権を有しています。
この「所有権の壁」があるため、動物が虐待・遺棄されていることが明白であっても、動物保護団体等が強制的に動物を保護することは難しいのが現状です。
動物の命を守るためには、虐待を受けている動物を一時保護できる制度の制定が不可欠です。
虐待の程度が酷い場合には、悪質業者等から動物の所有権を喪失させる法制度も必要です。
人の場合は、子どもが親から虐待を受けているときには、「親権停止」により最長で2年間親権を停止させることができます。
さらには、子どもに対する虐待が改善される見込みがない場合には「親権喪失」により親権を剥奪する制度もあります。
人と同じく、動物も喜びや悲しみなどの感情を有しています。単なる「物」などではありません。
虐待された動物を守る必要性は、人の場合と何ら異ならないといえます。
虐待された動物を保護するためには、親権停止や親権喪失の制度と同様に、「所有権停止」や「所有権喪失」の法制度の制定が不可欠です。
動物愛護法は5年に1度改正されますが、次回の改正において、虐待された動物の一時保護に関する法律の制定が望まれます。
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