こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
生命保険とは異なるものとして、「生命保険信託」という仕組みがあるのを知っているでしょうか?
生命保険信託とは、保険契約者が死亡したときは、
①生命保険金を信託銀行や信託会社が預かって管理し、
②保険契約者が指定していた生命保険金受取人に対して、
③保険契約者が事前に指定していた方法で生命保険金を支払う、
という仕組みです。
例えば、生命保険金受取人が未成年者や知的障害者、認知症患者、あるいは浪費癖がある人などの場合、一括で生命保険金を受け取っても、お金の管理が困難な事態が考えられます。
そのようなケースでは、生命保険信託を利用すれば、信託銀行等が生命保険金を管理して毎月一定額の保険金を受取人に支払うことにより、受取人の経済的生活を守ることができます。
ところでペットの場合は、どれほどペットを可愛がっていたとしても、生命保険金受取人としてペットを指定することはできません。
日本の法律ではペットは「物」と規定されているため、「物」が保険金の受取人にはなれないためです。
しかし、生命保険信託の仕組みを利用すれば、事実上ペットを保険金の受取人にすることができます。
私も所属している認定NPO法人ピーサポネットが開発した「ラブポチ信託」は生命保険信託を利用したもので、その仕組みは次のとおりです。
①まず、飼主が生命保険会社との間でペットのために生命保険に加入します。
例えばペットが犬1頭の場合、死亡保険金が500万円の生命保険に加入します。
生命保険の受取人(保険金を預かる者)は信託会社になります。
②飼主が亡くなった場合、信託会社が預かった生命保険金は、ピーサポネットに一括で送金されます。
③ピーサポネットは、飼主死亡の連絡を受けてペットを引き取り、ピーサポネットが提携している優良動物保護施設(令和5年11月現在、全国で17カ所)にペットの飼育を委託します。
④ペットの飼育費用や治療費等は、ペットが天寿をまっとうするまで、ピーサポネットからその優良動物保護施設に対して給付されます。
ラブポチ信託が登場するまで、ペットのための生命保険信託という仕組みは存在しませんでした。
未成年の子どもや知的障害の子どものことを心配しておられる方はもちろんのこと、自身の身に何か起こったときのペットのことを心配しておられる飼主様も、生命保険信託の利用を検討なさってはいかがでしょうか。
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