こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
クリスマスや年末に向けたセールが盛り上がるこの時期、一部ペットショップの店頭では子犬・子猫もセールの対象になっています。
ショーケースの中で動き回る子犬や子猫は本当に可愛いものです。
しかし、可愛い子犬や子猫たちがどこから来たのか、知っているでしょうか?
その子たちのほとんどは、「ペットオークション」で競り落とされた子たちです。
そして、ペットオークションに出される子たちは、繁殖業者(ブリーダー)によって飼育された子たちです。
ブリーダーの中には動物愛など持ち合わせていない悪質な者も多く、劣悪な環境下で子犬・子猫を大量生産している者がいます。
金儲けのために1匹でも多く子犬・子猫を産ませようとすれば、必然的に劣悪な環境下での飼育にならざるを得ません。
この、子犬・子猫を大量生産する施設のことを【パピーミル】といいます。
子犬や子猫を産まされる親犬・親猫たちは、パピーミルの狭いカゴ(ケージ)の中に閉じ込められ、外の世界を見ることがないまま、不潔極まりない劣悪な環境で飼育されています。
そして、子犬・子猫を産ませるだけ産まされた親は「用済み」となり、殺処分や遺棄の対象になっているのが現実です。
令和6年7月17日、パピーミルで飼育していた犬3匹を窒息死させたとして、元ブリーダーの渡部幸雄という男が起訴されました。
渡部は、「繁殖に使えなくなった犬を生かしておくと経費がかかる。行き場のなくなった犬の責任をとる」という名目で、ポメラニアンやトイプードルなど小型犬3匹を生きたままビニール袋に入れて窒息死させています。
渡部のブリーディング施設で働いていた関係者は、渡部の手口を次のように証言しています。
「まず“軽便カゴ”と呼ばれる子犬を運搬するためのカゴに入れます。成犬だと狭くて動けなくなるくらいの小さなカゴです。それをビニール袋で包み込み、空気が漏れないようにガムテープでびっしり塞ぐ。あとはそのまま放置です」
放置された犬は翌日、呼気で結露したビニール袋の中で息絶えていたといいます。
犠牲は3匹だけには留まりません。
渡部の内部関係者は、「殺されたに等しいといえる犬は数年間だけでも100匹以上に上る」と証言しています。
ブリーダーの中には、このような悪質極まりない者も多く存在し、このような連中によって大量生産された子犬や子猫たちがペットショップに陳列されているという現実を知っていただきたいと思います。