こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
「市街化調整区域」に動物園を無許可で開設したとして、札幌市にある動物園【ノースサファリサッポロ】の運営会社に対し、札幌市が動物園施設の「除却命令」を出す方針を固めたことが、この2月1日に明らかになりました。
動物園への除却命令は日本初とみられ、事実上の閉園命令になります。
「市街化調整区域」とは、都市計画法に基づいて定められる区域のことで、市街化を抑制するため、開発行為や建築行為が原則として禁止されている地域のことです。
「除却命令」とは、違法建築物を強制的に撤去するための制度で、確定した除却命令に従わない場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
札幌市によると、【ノースサファリサッポロ】の敷地は全て市街化調整区域内にあるため、動物園の建設には市の事前許可が必要となっていたものの、運営会社である有限会社【サクセス観光】は事前許可を得ることなく動物園建設を進め、2005年7月に動物園を開園しています。
札幌市は動物園開園前の2004年10月の時点で、無許可で建設工事が行われていることを確認し、【サクセス観光】に許可を得るように行政指導しましたが、行政指導に応じることなく動物園建設を進めたとのことです。
【ノースサファリサッポロ】は違法建築でしたが、ライオンやトラ、ツキノワグマなど150種ほどの動物を飼育・展示し、気軽に動物と触れ合える動物園として人気を博していたようです。
開園から20年以上経ってから、札幌市が強硬な手段が必要だと判断した背景には、【サクセス観光】が長年にわたり行政指導を無視してきたことに加え、【ノースサファリサッポロ】の動物展示の仕方は動物虐待ではないか、という札幌市民の批判を考慮したとみられます。
札幌市によると、【サクセス観光】に除却命令を出す準備を進めていることを事前に伝えた上で、同社の言い分を聞く「聴聞」の手続きを経たのちに、最終的に除却命令を出すかどうかの結論を出すとのことです。
除却命令が出て同社が命令に従った場合、【ノースサファリサッポロ】は閉園ということになります。
動物園が閉園となった場合、残された動物たちの行き場が問題になります。
経営難から2018年に廃業した千葉県銚子市の水族館【犬吠埼マリンパーク】では、閉館時にイルカやペンギンなどが置き去りにされるという事態が生じています。
事前許可を得ることなく市街化調整区域に動物園建設を進めたことや、札幌市の再三にわる行政指導を無視し続けたことを考慮すると、【サクセス観光】の経営陣は反社会的勢力だと思われます。
反社会的勢力に属する人種が、残された動物たちの譲渡等に責任をもって対応することは考え難く、動物たちが置き去りにされる可能性は極めて高いのではないかと憂慮しています。
おそらく、他の動物園や動物保護団体による救助が不可欠という事態になるでしょう。
なお、動物園は【第1種動物取扱業】に該当し、第1種動物取扱業を行うには都道府県知事等の登録を受ける必要があります。
【サクセス観光】は開業当初、第1種動物取扱業の登録(当時は「届け出」)もせずに動物園を開園しています。
動物園やペットショップ、ブリーダーはすべて第1種動物取扱業に該当し、【登録制】が採用されています。
登録制といっても簡単な審査があるだけで、事実上誰でも第1種動物取扱業を営むことができるのが実情です。
反社会的勢力を排除するためには、厳しい【許可制】に改正することが不可欠といえます。
動物の命を扱う仕事である以上、許可制は当然のことだといえます。
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