月光仮面のTV版は今DVDで1部から5部まで、その総てを見ることが出来る。50年経った今この番組を改めて見直してみると、私達のようなリアルタイム体験世代でも懐かしさだけで全編を見るのは少々苦痛である。
当時としても破格の低予算で作られているだけに、製作者の努力や情熱は伝わってきても、映像技術や演出が古臭く感じるのは否めない。しかし単純にドラマの展開を追うのではなく、少しばかり視点を変えてみると、今、この現代にも通じる日本人としてのあり方が原作者の主張として随所にちりばめられているのである。
川内康範氏は後日、月光仮面の原作・脚本を書くにあたっての当時の心境を次のように語っている。
「当時のテレビ映画のスターは、空飛ぶ超人、『スーパーマン』でした。私は日本でも何とかしてテレビ映画をつくりたいと思っておりました。それも『スーパーマン』のような超能力を持たない、人間くさい主人公で、正義を説きたいと。そうした願いが正義の味方『月光仮面』を書くきっかけになったのです。
『月光仮面』の題名は、仏教に出てくる薬王菩薩の脇仏としてお仕えしている、日光と月光(がっこう)の二人の菩薩の中からもじってつけたものです。人間はどんなに権力を持ち、又は仁徳をつんでも“正義”そのものにはなれません。神さまや仏さまのお説きになる愛や真実を現すための手助けしか出来ないのです。その努力の積み重ねがこの世の中を美しい花園にするのです。私は願いを込めてこの作品を書きました。」
川内康範氏は1920年に函館市の日蓮宗の寺の子息として誕生した。その生い立ちもあって、数あるヒーロー作品の総てに流れる思想は仏教の『借無上道』無償の愛こそがこの世で最も尊いという思想であった。
月光仮面は善人悪人の区別なく誰にでも降り注ぐ月光(慈悲=愛)を象徴したヒーローであり、悪を懲らし善人を助けるが、裁きはしないという性格が与えられている。川内氏が作詞した主題歌「月光仮面の唄」の歌詞には「愛と正義のためならば何で惜しかろこの命」の一節がある。この「愛と正義」こそが川内氏の思想の中核をなすキーワードである。
次回に続く
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