最近インターネットで「貴方の産土神社や鎮守神社を調べます」などというサービスがあるが、スピリチュアルリズムに乗っかった新手の商売のようで、リサーチを依頼するのは、いまひとつ感心しない。
産土神社や鎮守神社は貴方自身が良く知っているはずである。記憶をたどれば、境内で遊んだ記憶や祭りの想い出など、産土神社には何か必ずご縁があったはずである。鎮守神社にしても、妙に気になる神社であるとか、雰囲気が好きなど、どこか違った特別な思いに気づかれるはずである。その思いこそが神とのご縁である。
個人にとっての産土神の定義は、前回の記事のとおりであるが、古くからその地域の守り神としての産土神という言い方もある。氏神や氏子という概念が、社会の変化によって、本来の意味が変わってきているので、氏神と産土神についてもう少しご紹介しておこう。
●氏神と産土神 「日本の神様」が良くわかる本 戸部民夫 (著)より引用
地域に密着しその土地に古くから祀られている歴史のある神社は、大体が氏神や産土神としての性格を持っていることが多い。氏神とは、もと古代の氏族の守り神のことで先祖神や有力な霊威神を守護神として祀った。その後、地域の守り神である土地神や産土神が氏神として祀られ、今日では地域社会の守り神の村氏神、個々の家の屋敷氏神、一族・一門の守り神の一門氏神などの性格に分けられる。
産土神の産土とは人が生まれた土地のことで、先祖伝来の土地に宿る神霊であり、その土地の守護神とされている。一般に鎮守様と呼ばれるや白の祭神はこの産土神である。また、産土神はその土地に生まれた個人の守護神として、ほかの土地に移ってもついてまわるものとされる。
●氏神 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用
氏神(うじがみ)とは、日本において、同じ地域(集落)に住む人々が共同で祀る神道の神のことである。同じ氏神の周辺に住みその神を信仰する者同士のことを氏子(うじこ)という。現在では、鎮守(ちんじゅ)・産土神(うぶすながみ)もほぼ同じ意味で用いられる
元々の氏神は、「氏」の神と書くように、古代の氏族組織であるウヂが祖神または守護神として祀っていた神のことであった。例えば藤原氏は祖神として天児屋根命を、守護神としてタケミカヅチを氏神としていた。
後に、血縁関係にある一族だけでなく、その氏族とともに生活を営んでいる者をも含めて「氏子」と称するようなった。これは中世初期に日本の地域社会で庶民の間でも古代のウヂに仮託したウヂ組織が形成されたことと関係がある。
室町時代ごろには、氏神の周辺に住み、その氏神の祭礼に参加する者全体を「氏子」と称するようになり、氏神は鎮守や産土神と区別されなくなった。同じ氏神を祭る人々を「氏子中」、「氏子同」といい、その代表者である氏子総代を中心に神事や祭事が担われている。氏神を祀る神社の周辺には住んでいないがその神を信仰している者のことを「崇敬者(すうけいしゃ)」といい、氏子と併せて「氏子崇敬者」と総称する。
鎮守はその土地に鎮まりその土地やその土地の者を守る神のことである。産土神は産まれた土地の神のことであり、その者を一生守護すると考えられた。かつては、生まれてから死ぬまで一定の土地に住むことが多く、ほとんどの人にとって産土神と鎮守は同じ神であった。また、上記の過程によって氏神は鎮守と同一視されるようになった。
(引用終了)
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