さて、その間何をしていたかというと、読経三昧ならぬ祝詞三昧の日々を送っていた。神職さんが神前に奏上する、あの祝詞である。わが国の神道は自然崇拝であって、教祖や開祖が存在しないので教義がない。したがって祝詞は仏の教えを説くお経等とは本質的に異なるものである。端的に言えば思いや願い、日々の感謝を神に奏上する言葉が祝詞である。
私は、毎朝父が神棚に拍手を打つ音で目覚めるような家庭で育ったので、祝詞は子供の頃から毎日のように聞かされた。物心ついた頃には「祓詞」(はらえことば)などは意味も分からないのに暗誦することが出来た。
自分の家を所有することが出来た時には神棚も祀り、以来、毎朝神棚を礼拝するようになったが、本格的に祝詞をあげることはなかった。唯一、神棚に向かって奏上していたのは「神棚拝詞」である。下記に全文をご紹介する。
「神棚拝詞」
此れの神床に坐す 掛けまくも畏き(かしこき)天照大神
産土大神等 諸々の大神等の大前に恐み恐み(かしこみかしこみ)も白さく
大神達の広き厚き御恵みを辱み(かたじけなみ)奉り(まつり)
高き尊き神教(みおしえ)のまにまに
直き正しき真心持ちて 誠の道に違ふことなく
負ひ持つ業(わざ)に励ましめ給ひ家門(いえかど)高く身健(みすこやか)に
世の為人の為に尽くさしめ給へと
恐み恐みも白す
私は「直き正しき真心持ちて 誠の道に違ふことなく 負ひ持つ業に励ましめ給ひ 家門高く 身健に 世の為人の為に尽くさしめ給へ」という一節が大好きである。そしてこの一節を自戒の言葉としている。
この三週間に、官庁や企業の不祥事が毎日のように報道された。社会保険庁、コムスン、NOVA、ミートホープ等々、枚挙にきりが無い。日本人のモラルもここまで落ちたかと、怒りよりも、むしろ深い悲しみの念が湧いてくる。これらの事件の当事者達に欠けていたものは正に「直き正しき真心」と「誠の道」、「世のため人のために尽くす心」である。
祝詞は神に対し、一方的に願望の成就のみを祈る利己的なものではない、自己の高潔な意思を神に対して高らかに宣言し、神々の加護と願い事の成就を祈るのである。日本人の、いや人としてのモラルの原点が「神棚拝詞」には謳われているのである。
●おすすすめ祝詞集(一部音声あり)
http://www.geocities.jp/sizen_junnosuke/osusumenorito2.html
次回に続く
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