そこで、はたと考えたのは盆提灯を用意すべきかどうかであった。盆提灯は先祖の霊が戻ってくる目印になるものだから用意しなくてはいけないのだが、私たちが福岡に帰省するのは明日12日。迎え火は13日であるから、本来盆提灯はそのときに灯けなければならない。しかし提灯を福岡に持っていくのも変である。やはりお盆前でも自宅に準備しておいたほうが良いと思い、妻にそのことを話した。
すると、帰省の準備に追われてイライラしていた妻は、少々面倒くさいと思ったのか「13日が迎え火なんでしょう。早く出すのもおかしいから用意しなくてもいいんじゃないの」と、つれない返事が返ってきた。私は言い返そうと思ったが、山の神の機嫌をこれ以上損なうのも怖いので、「明日の出発直前に、自分で準備すれれば良いか」と思い直し、返す言葉を飲み込んだ。
翌朝、盆提灯の用意のために私は予定よりも早く目をさました。仏間に行くと、なんと仏壇の前に盆提灯が組み立てられて置いてあるのである。しかも灯りもつけられている。気を利かした妻に礼を言おうと思い振り返ると・・そこに妻が青い顔をして立っていた。「出たのよ」いきなり妻が言った。「出たって何が出たんだよ・・・」
妻の話によると、昨夜、寝床に入ってうとうとし始めた時に、足の辺りがやけに重く感じたのだそうだ。疲れのだるさとは違う妙な感覚なので、不思議に思って足元を見ると、妻の足の上になんと私の母が座っていたそうなのだ。母は終始無言であったが、眼が何かを催促しているように感じたそうだ。「あっ、盆提灯」と妻が思った瞬間、妻は夢から覚めたということであった。妻はその後、眠い眼をこすりつつ盆提灯を組み立て、点灯しておいたということであった。
この事件は「私達がお盆に帰ってくる場所は、もうこの家しかないのよ。盆提灯をつけなきゃ皆が道を迷ってしまうじゃないの。そして一緒に福岡に帰ろうよ・・・」という、母からの強烈なメッセージのようであった。姑から嫁への「無言の圧力」が如何にも母らしいと、初盆法要の後の宴席はこの話で大層盛り上がった。
事件後、妻は気の流れや仏壇の霊気が見えるようになった。そして、今では朝な夕なにお茶や仏飯を供え、仏前に手を合わせている。
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