また日々強さを増す太陽エネルギーの影響によって、霊的覚醒をする人々が増大し、人々の眼に見えぬ世界への興味や探究心を利用して、間違った方向へと導く悪しき存在や勢力も増大してくるであろう。正しき霊的覚醒と混迷の時代の正しい生き方の参考となる方法を連載でご紹介することにする。
■『神道の神秘---古神道の思想と行法--』 山蔭基央(やまかげもとひさ)著
第九章「正しい神との交渉のために」より抜粋掲載
●危険な「霊能者」の跋扈(ばっこ)
近年、霊能や神秘的治療力を売り物にし、詐欺まがいの手口で金品をむさぼったりする集団や、解脱を得られる修行だと称して魔境に誘い、平気で殺人すら犯す集団が、事件化している。唯物論を主張する人々は、ここぞとばかり、宗教はすべてまやかしであり、神霊との交渉などを口にする輩は狂気に陥っていると宣伝する。
宗教者の側も、批判されることを怖れて、「信仰は内面の問題です、神や浄土は私の内なる祈りの対象です」とひたすら恭順する。かくして神の奇跡はおろか、神の実在すら認めない宗教者が増えているのである。
しかし、特に若い人々の「見えない世界」への憧れはますます強くなり、既成の形骸化した宗教に飽き足らない彼らは、神秘的な健康法や白己啓発と称するセミナーに群がっている。
「邪教」の破雇は、世の「知識人」たちが言うように、唯物論が「正しい教え」を垂れているのにもかかわらず、それに反抗する無知蒙昧(むちもうまい)の輩がいるということではない。なぜなら、"霊的な問題への欲求は、人間の本源にあるものとして、失われることはない"からである。
霊的な現象もまた、いくら圧殺しようとしても起こり続ける。それを悪用するのは当人の罪であり、宗教や霊能の罪ではない。逆に、「邪教」の跋扈は、世の体制があまりに唯物論に傾き、宗教や霊的問題について無知であるばかりか、人間精神の奥深くに「穏当」で生き生きとした智慧があることを知らないからである。
宗教者も、学問ばかり詰め込んで、実践体験を失い、現実の人々の問題に向き合うことができなくなっている。それがため、誤りの信心を真に批判できる教師が少なくなっている。神や霊は存在しないという立場をとる顕教系の教師の発言にも問題があろうし、修行・実践を積んで正しい神霊との交渉とは何かを知っている人々ですら、それを語らなくなっていることも、邪教をはびこらせる原因をなしている。
●「霊感」ということ
人間の霊的な問題への欲求はやむことなく、また霊的な現象も起こり統ける。それは当然のことで、人間は霊魂であり、神霊は存在する力からである。太古の昔からそうであり、現在も、また未来もそうであり統ける。
神霊は目に見える物質的な存在ではないので、人間にその存在を示すのは、もっぱら「霊感」と言われるものを通してである。この霊廠にすぐれた者を「霊能者」とか「霊媒」、あるいはシャーマン、ミーディアム、チャネラーなどと言う。日本の古来の呼称では「巫女(みこ)」、「巫(かんなぎ)」である。この「巫」という漢字は、人二人が棒に手を添え、それに天の意志を依り憑け、地面に文字を書いているところを形象したもので、今風に言えば「自動書記」である。
「巫女」と表記するのはだいたい女性が主になっていたからであり、卑弥呼や神功皇后は「巫女」であると同時に為政者であった例である。その伝統は恐山のイタコとか沖縄のユタ・ノロなど民俗社会の信仰にいまだに見ることができる。霊能者、霊媒などの言葉は近年のものである。
「ミーディアム」とは、単に「媒介」「媒体」という意味であるが、十九世紀の心霊主義運動の中で、死者の霊と交信したり、神霊を媒介して物理的な現象を起こしたりする霊能力者を言うようになり定着した。「霊媒」はその翻訳語である。「シャーマン」は宗教学者のエリアーデらによって用いられた比較的新しい学問的呼称で、もともとはシベリア原住民の社会で治療や祈蒔を専門にしていた霊能力者の呼び名である。「チャネラー」は、近年のアメリカ、ニューエイジ運動の中で出てきた呼称でミーディアムとほとんど同義である。
ちなみに、神霊の存在を不問にして(多くは隠して)、予知・透視などの能力だけを見せる人々もいて、それを「サイキック」と呼ぶ。
こういった人々は、歴史的に見ても、また現在の状況を見ても、実にさまざまな形態であり、また、そういった人々が「媒介」する神霊もさまざまである。このことは重要なことである。つまり、霊能カと言われるものを持った人にもさまざまなタイプがおり、またそこに現われる霊もさまざまだということである。それは皆がでたらめを言っているということではない(でたらめ言う人もいるが)。霊能力というものには、種類や段階があり、また霊の方も、同様だということである。そして最も肝要なことは、霊能には高低があり、霊にも高低があるということである。
たとえば、世に「霊視」ということが言われているが、これにも段階がある。
山蔭神遣では、この段階を
①妄想 ②幻想 ③思通 ④観通 ⑤霊通 ⑥神通
と分けている。この呼称は古伝であるから、表現に現代性がないことを断って話を前へ進める。
初歩の「①妄想」では、ヴィジョンが霞んだ自黒の映像として現われる。これで得られた情報の的中率は三割にも満たない。
もう少し進んで「②幻想」の段階になると、カラーの映像となる。これが見えた人は、雀躍(こおどり)して喜んで、白らを生ける神のごとく錯覚するが、愚かなことである。なぜなら、この段階の情報的中率は五割にすら満たないものであるからであり、それは霊能者白身よく知っているはずである。
霊視にはさらに上級の段階があり、③の「思通」の段階になると、カラー映像ではなく、自黒の中の透明映像となり、的中率も七割を超えるようになる。
この上の観通、霊通、神通にはめったに進めるものではない。私も山蔭神道の先代たちも、「観通」をわずかにかいま見たくらいで、霊通、神通までたどり着ける人間はほとんどいない。
このように、霊視ということでも段階があって、たいていの霊能者は、②幻想の段階でしかないことを、銘記しておくべきである。霊能者通いをする人は、十のうち三つも当たればすごいと思って、その人の言うことを何でも鵜呑みにしたりするが、それは危険なことなのであることそれほどに「霊能」の鑑別・識別は難しく、だからこそ詐欺師の霊能者が出現してくるのである。
★次回「低級霊ということ」「審神ということ」に続く
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フォトン
一般法則論者
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