熱烈ジャンプ

映画【哀れなるものたち】

　原題：PoorThings，141分，R18

ネタバレもくそもないので、

・臨月の女性が投身自殺した

・母体の頭蓋骨に、胎児の脳みそを移植し、蘇生した

以上終了

これだけで、141分

結果もう、今年最高の映画だと思う

原作を注文したが、読みたくない気さえする

何故なら、

１臨月の女性がなぜ自殺した？

２ドメスティックな夫との間に何があった？

３処女性を求めるミソジニストに対し、どういう立場を採っているのか？

４クソミソの求める処女性はカラダか精神か？

　もっと言えば体の「部位」か心の「純真」か物理的な「無力＝従順」か？

５そもそも何のための実験だったのか？

６施術した医師の「幸せの物語」とは何を意味するものか？

７無理心中をした強制させられた脳は、その犯人（母）の体に対して何を求めるのか？

　法は、全部露出を採用しているから、違法とは言えないものの

　責任の所在をどこに求めるのか？

　医師？元夫？母？私？

８これら全ての「私」はどこにあるのか？

９カラダの所有権はどこにあるのか？

１０その上（上記７）でカラダを操作する自由意思を受け容れられるのか？

１１これらそれぞれの、

　　倫理的立場

　　哲学的立場

　　脳科学的立場

　　をどう捉えるのか？

　　そもそも投げかけているのか？

彼女の言う、乃至は映画のテーマである

１２経験とは？

１３成長とは？

１４自由とは？

１５未熟（哀れ）とは？

１６熱烈ジャンプ草

歌舞伎町タワーの映画館に初めて行ったけど、

6000円/人！

でもここで観れてよかった

圧倒的な映像美と圧倒的な音響

そうこの映画は美しいのよ

圧巻で141分が本当にあっという間だった

そう！美しい！！

いやいや、違う違う

ぱっと思いつく上位１５項目を全く回収してないのよ

議論の余地だらけ、全てが中途半端

でも説得力が半端ない

だから映画でしかできない

だから最高の映画である

よって原作が届く前に、

もう一度見に行く

あの映画館が良い

深夜が良い

一人が良い

隣にいたカップル無言になってたもん

も一回観て、

１５項目に挑む

ベラバクスターに挑む

ベラにまた敗退して項目が増えるかもしれない

それでも良い

そんな、

観るものが無力で幸せな映画、

『哀れなるものたち』

いま正に、初めてなんじゃないかなといえるほど、私の生涯を見て来ていてくれた姉と毎日話して辿り着いた、

哀れなる姉弟の合意、

「抑圧の世代間委譲には徹底的に抗戦する実践主義」

そんな時、とても幸せになる映画、

『哀れなるものたち』